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ダイヤよりも黄金よりもずっと大事な塩と人類の歴史


塩と人類の歴史 特集バナー ver.1

 

皆さんは、世界の歴史を動かしたのは、何だと思いますか?

経済に関心がある人は通貨や黄金や銀と言うかも知れませんし、文学畑の人はそれは人間の()くなき夢と野望と言うかも知れません。もちろん、その二つも間違いではありませんが、それよりも何よりも切実に人類の歴史に影響を与えたのは塩なのです。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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命に匹敵する塩の価値

塩を一人占めして笑っているリンカーン大統領

 

塩は化学的にはナトリウムと言い、人間が唯一摂取できる鉱物です。このナトリウム人体で生産できず、外から摂取するしかありません。ナトリウムが不足すると体内の水分や消化液の量が減少し、血液循環が悪化、低血圧、頭痛、嘔吐等が起こり筋力が低下します。またナトリウムが急激に減少すると筋肉がけいれんし昏睡状態(こんすいじょうたい)に陥る事もあります。

日射病で失神する金栗四三 いだてん

 

現在でこそ、イオン交換膜と電気エネルギーを利用してかん水を採り真空蒸発缶で煮詰めるだけで安価で大量に手に入るようになった塩ですが、かつては海水か塩井(えんせい)、岩塩に頼るしかなく、また、塩の資源は世界に不公平に遍在(へんざい)していました。

 

斎藤義龍(麒麟がくる)

 

海水に含まれる塩は1 リットル30g しかなく僅かに3%でした。これを薪で沸かして塩を造るには膨大な木材と人員が必要であり、コストが非常に高くつきました。塩が採れない国の人々にとり、それは大袈裟(おおげさ)でなく命に直結する問題なのです。

 

外交の道具だった塩

給料である塩が貰えずに困っているローマ兵

 

また、塩は冷蔵庫のない時代、食品保存に欠かす事が出来ない存在でしたし、古代のトラックや戦車に相当する牛馬は人間の5倍から10倍の塩を摂取しないと生きられません。古代ローマから大英帝国イギリス、独立戦争時のアメリカまで塩を重視し、塩を安定供給する為に血眼になったのです。塩を豊富に持つ国にとって、塩を対価に他国に譲歩を迫るのは有効な武器でした。

塩が途切れて白旗を挙げるイギリス海軍の帆船

 

自国で塩を賄えない国は、なんとか自給率を上げようと必死になります。塩は一国の安全保障において、重要なウェイトを占めていました。そして、絶対に人体に必要な塩は、貴重な財源としてしばしば国の専売制にされ、庶民は高い塩を買わされて苦しめられる事もありました。中国の歴代王朝は、塩を主要な財源とし、高い塩に民衆が蜂起し王朝が倒れる事さえあったのです。

疫病が蔓延している村と民人

 

つまり、塩こそは人類の歴史を動かした知られざる影の主役だったのです。さあ、ダイヤよりも黄金よりも、銀よりも人に渇望され、人心を魅了した塩の歴史を学んでみましょう。

 

塩と人類の歴史

 

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kawauso編集長

kawauso編集長

kawauso編集長です。 はじ三の中の人です。 様々なトピックを立てますが 盛り上がらない時には ごめんね。 大体、咬まないので 気軽にからんでもらえると 嬉しいです。

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