孫権の後を継ぐのは私なんだから! 孫家のドロドロした後継者問題

2014年12月28日


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孫晧

 

若いころは、有能な王として君臨していた孫権も、老いには勝てず、晩年、後継者問題をうまく解決することができませんでした。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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孫家の後継者問題のはじまり

そんろは 孫魯班

 

三男の孫和(そんか)と四男の孫覇(そんは)、どちらにしようかと決めかね、孫和にしようかな、と思ったところで、待ったが入りました。孫家の姫君、孫魯班(そんろはん)です。字は大虎……きっと長女だからでしょうが……強そうです。これは並の人ではかないそうにありません。

 

 

孫魯班の遍歴(へんれき)

孫魯班を娶り皇族になる全琮

 

周瑜の息子である周循(しゅうじゅん)と結婚しますが、周循は早くに亡くなってしまいます。未亡人になった娘を憐れんで、父の孫権は、孫魯班と重臣の全琮(ぜんそう)を結婚させました。そのため、孫魯班は「全公主」とも呼ばれます。

 

呉の武将

 

 

孫魯班は遠戚にあたる人間とも密通しちゃった☆

孫峻

 

しかし、遠戚にあたる孫峻とも密通します。孫峻は、孫堅の弟の曾孫です。孫魯班と密通し始めてからは、悪事に磨きがかかり、政敵を殺したり、官女を犯しまくったり、専横を極めますが、ある日、自分が殺した諸葛格に殴られる夢を見て死んでしまいます……。

 

なんでしょう、このギャップ。孫魯班は孫峻のどこがよかったのでしょうか?権力ですね、やはり。

 

 

孫魯班は四男の孫覇押し

孫権の娘が大喧嘩 孫魯班、孫魯育

 

孫魯班は、孫権の三男、孫和とその生母である王夫人を讒言して、廃嫡に追い込みます。もしかすると、孫魯班の母の歩氏と王夫人の間になにか確執でもあったのかと勘繰ってしまいます。

 

孫和

 

孫魯班は、孫和が自分を恨んでいると思い、先手を打つために、孫和派の重臣たちも陥れていきます。陸遜も牢獄に入れられ、そこで憤死するのです。孫権は結局、喧嘩両成敗といって、孫和は廃嫡、孫覇に死を命じました。後継ぎには弟の孫亮が選ばれます。

 

しかし、のちに孫和の無実を悟って、再び呼び寄せようとします。孫魯班はここでもまた父のもとへ駆けつけ、強く反対しました。

 

二宮の変に巻き込まれて皇太子から格下げされる孫和

 

そして、密通相手の孫峻の力を借りて、孫和を自殺に追い込みます。この際、妹の孫魯育もついでに処刑してしまいます。

 

二宮の変

 

 

孫魯班の最期

嫉妬する孫魯班

 

実際は、自分が帝位につきたかったのかもしれません。結局、孫峻の死後、孫亮がクーデターにより廃立すると、孫魯班も流罪になってしまいました。

 

英雄の死因

 

 

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東方明珠

東方明珠

中国は上海の雰囲気が好きなので、テレビ塔の「トンファンミンジュ」を名乗っています。もともと『水滸伝』の大ファンで、『三国志』に興味を持ったのは、アーケードゲーム「三国志大戦」がきっかけです。当時はゲームセンターに通いつめました!まだまだ中国史について勉強中ですが、精いっぱい面白いことを探してお伝えしたいと思っています。

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