春秋戦国時代

はじめての三国志

menu

はじめての変

老荘思想の創設者|老子と荘子の二人を分かりやすく解説してみた

この記事の所要時間: 353
photo credit: Sunrise via photopin (license)

photo credit: Sunrise via photopin (license)

 

諸子百家(しょしひゃっか)の中でも、その独自の哲学的思想で知られる道家

道家の思想はいつ、誰によって創始されたものなのでしょうか?

 

 

 

謎に満ちた道家の創始者 老子(ろうし)ってどんな人?

photo credit: Bamboo trees via photopin (license)

photo credit: Bamboo trees via photopin (license)

 

道家の源流を誰に求めるかは諸説ありますが、一般的には老子(ろうし)という人物が創始者であるとされています。

 

老子は道家(老荘思想)と同じく『道』という概念を中心とした宗教=道教の始祖であるともされています。

老子の出自や履歴については不明な点が多く、現代でもその正体ははっきりとしていません。

 

関連記事:儒教(儒家)ってどんな思想?|知るともっとキングダムも理解できる?

関連記事:王騎将軍は二人いた!キングダムのカリスマの真実

 

現代でも分からない老子だが様々な説を紹介

photo credit: ~(_|_)~ via photopin (license)

photo credit: ~(_|_)~ via photopin (license)

 

老子という名前も『偉大な人物』という意味の尊称であるとされており、本名も定かではありません。

一個人ではなく、複数の人物であったとも言われます。

 

老子が生きた時代も諸説あります。

神話時代の人物であったとする説から、孔子の師であったという伝承があることから、

孔子と同時代の人物とする説もあります。

 

司馬遷の『史記』は老子に関する記述が登場する最も古い文献とされていますが、司馬遷は老子の来歴について3つの説を上げています。

つまり司馬遷の時代には、すでに謎の人物となっていたと考えられます。

 

民間に伝承されている老子の出生の話に、彼が母親の左脇の下から生まれたというものがあります。

脇の下から生まれたという話は釈迦の逸話とよく似ています。

 

このことから、老子の道教と仏教の関連性を唱える学者もいます。

 

関連記事:諸子百家(しょしひゃっか)ってなに?|知るともっと三国志が理解できる?

関連記事:老荘思想(道家)ってどんな思想?|ありのままに?

 

老子が説いた理想の政治とは?

photo credit: Waldgeister via photopin (license)

photo credit: Waldgeister via photopin (license)

 

老子が書いたとされる『老子道徳経(単に老子とも)』の根幹思想は“無為自然”です。

これは“人間はあるがままに生活するべきだ”という意味で、国家というものもまた、人間が無用なことを知ることもなく、

ただあるがままに生きられることを理想とすべきとしています。

 

人民が政治などというものを意識しないことこそが究極の国家の有り様であり、

他の諸子百家の説くような礼儀や道徳、慈悲や忠誠心といったものは本来無用であるとしたのです。

 

当然、このような考え方は富国強兵のための思想を説いた他の諸子百家とは相容れず、

戦乱の時代であった当時の社会的には、現実逃避的な思索と考えられていました。

 

しかし、時代を経て老子は道教の創始者であり神であると考えられるようになりました。

三国時代に盛んであった五斗米道においては、老子は神格の中でも最も上位に位置する『三清』のひとつと見なされていました。

 

関連記事:もうひとつの宗教団体「五斗米道」

関連記事:曹操、張魯を降すべく漢中に進軍する

 

荘子(そうし) 蝶になった夢を見た男

 

荘子は本名を荘周といい、戦国時代の中期から後期に生きたとされる、道教の始祖の一人ともされる人物です。

 

老子同様、司馬遷の『史記』にその名を見出すことができますが、詳細なことは書かれておらず、

現代でも荘子が架空の人物であったとする説が存在します。

 

老荘思想はもともと諸子百家の思想の中ではあまり政治向きのものではありませんが、

それでも老子は理想の国家のあり方を説くなど、まだしも政治よりの思想と言えます。

 

しかし、荘子は“無為自然”の考え方を推し進め、人為的な営みを徹底して忌み嫌いました。

荘子によって老荘思想=道家の思想はより浮世離れした哲学的思索へと進んでいったと言えるでしょう。

 

荘子は価値観や物事を測る尺度というものがいかに相対的であるかを説きました。

荘子の思想が顕著にあらわれているとされる有名な説話があります。

それが『胡蝶の夢』です。

 

荘子はある時、自分が蝶になってひらひらと飛び回る夢を見ました。

目覚めた荘子はこう考えます。

 

『はたして、私は蝶になった夢を見たのだろうか?

もしかすると、今の私は蝶が人間になった夢を見ているだけなのかもしれない』

 

荘子は現実というものを人間の思考が生み出す『見せかけ』のものに過ぎないとして、

それらに固執しない自由な境地で生きることを説いたのです。

 

 

現代でも再評価されている老荘思想

photo credit: bellagio via photopin (license)

photo credit: bellagio via photopin (license)

 

老荘思想は浮世離れしており、現実逃避的な側面を持つことから『敗者の思想』と呼ばれることもあります。

 

しかし、現代においてその思想は再評価されつつあります

高度情報化の結果、否応なく価値の相対化を体験せざるをえない我々現代人にとって、

老荘思想は極めて説得力を持って響いてくるのです。

 

 

—あなたの知的好奇心を刺激する諸子百家—

諸子百家 バナー

 

 

 

こちらの記事もよく読まれています

森 卵 s

 

よく読まれてる記事:諸子百家(しょしひゃっか)ってなに?|知るともっと三国志が理解できる?

 

photo credit: Sea of Tulips via photopin (license)

photo credit: Sea of Tulips via photopin (license)

 

よく読まれてる記事:キングダムの時代に開花した法家の思想

 

photo credit: Ukok via photopin (license)

photo credit: Ukok via photopin (license)

 

よく読まれてる記事:孔子・孟子・筍子?儒教(儒家)ってどんな思想?

 

 

この記事を書いた人:石川克世

石川克世 三国志

自己紹介:

小太郎さん(スキッパーキ オス 2歳)の下僕。

主食はスコッチウイスキーとコーヒーとセブンイレブンの野菜スティック。

朝風呂が生きがいの小原庄助的ダメ人間。ヲヤジ。

関連記事

  1. 諸葛孔明の弟、諸葛均ってどんな人だったの?
  2. 霍弋(かくよく)とはどんな人?蜀の滅亡まで司馬昭に屈しなかった隠…
  3. 【ビジネス三国志】みんな真似で天下を取った!群雄に学ぶ生き残り戦…
  4. 公孫度(こうそんたく)とはどんな人?幸運に恵まれ、遼東の王になっ…
  5. 陳宮(ちんきゅう)ってどんな人?溢れんばかりの才能を備えた知略家…
  6. 若かりし曹操は熱血漢
  7. 蜀滅亡・劉禅は本当に暗君だったの?
  8. まるで現在の政治批判、商鞅の改革論がヤバすぎる

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 【はじめての孫子】第10回:九変の利に通ずる者は、兵を用うることを知る
  2. キングダム 楚の宰相、春申君の最後が残念すぎる
  3. 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース10記事【2/29〜3/6】
  4. 「自治三訣」って一体どんな言葉?東京都知事の所信表明に出てきた言葉を分かりやすく!
  5. 中原での戦いは苦手だけど異民族討伐戦なら強い董卓
  6. 秦の為に戦い秦人に恨まれた名将 章邯(しょうかん)

三國志雑学

ピックアップ記事

おすすめ記事

【週間まとめ】はじめての三国志ニュース13記事【8/22〜8/28】 曹操は女の敵なのかどうかを検証する・その3 三国志の時代の年末からお正月の過ごし方!当時の食生活も見えてくる! 後漢の人材難極まる!火薬庫涼州の刺史がボンクラ揃い はじめての三国志 FRESH! by AbemaTVを開設しました! 中華統一後の始皇帝は大手企業の社長並みの仕事ぶりだった!?彼が行った統一事業を紹介 【初心者向け】本田圭佑が憧れている曹操(そうそう)という人はどんな人だったの? 集まれ曹操の25人の息子たち・その3

おすすめ記事

  1. 誇りを失ってもなお『史記』を書いた司馬遷の執念
  2. 【キングダムに登場した子孫達】王賁の子孫は三国時代で大活躍
  3. 馬超はどんな性格だったの?謎に満ちた蜀の五虎大将軍【前半】
  4. とっても皇帝になりたかった袁術
  5. 荀粲(じゅんさん)とはどんな人?秀才ぞろいの荀彧の七男で、一人の女性を全身全霊で愛した愛妻家
  6. 「魏」ってどんな国?キングダム戦国七雄を徹底紹介
  7. 孔明や安倍晋三も真似た『国家百年の計』って一体誰の言葉?現在でも使える春秋戦国時代の名言
  8. 陶謙はどうして劉備を後継者にしたの?三国志の素朴な疑問に答える

はじさん企画

袁術祭り
特別企画
異民族
諸子百家
春秋戦国時代
日常生活
はじめての三国志TV
PAGE TOP