キングダム
麒麟がくる特集




はじめての三国志

menu

春秋戦国時代

衝撃の事実!呂不韋は始皇帝の父だった?諸子百家のいいとこ取りの雑家




 

于吉

 

諸子百家(しょしひゃっか)は己の理想を体系化し、思想として後世に残しました。

(縦横家だけは少し違いますが)

 

為政者は己の人徳を以って下々を従わせ、人民は年長者と目上のものに礼儀を尽くすことで国家の安泰を図ろうとした儒家、

厳正な法律による秩序を求めた法家、博愛と非戦を説いた墨家……。

 

しかし、どのような理念であっても、そこにはどうしても欠点が生じてしまいます。

 

ならば、それぞれの考えの良いところを取ればいいのでは?

そんな“調子のいい”ことを考えたのが雑家でした。

 

 

諸子百家の百科事典『呂氏春秋』って何?

呂不韋

 

雑家を代表する思想家に、呂不韋という人物がいます。

彼は人気コミック『キングダム』でも知られる秦王、政に仕え、その丞相として権勢を誇った人物でした。

 

その呂不韋が各地から集めた食客たち(一説にはその数3000人もいたと言われます)から

得た知識をまとめ記した書物を『呂氏春秋』といいます。

 

呂不韋自身は道家思想を持っていましたが、『呂氏春秋』は中立的な立場から編纂された書物で、

儒家や法家、墨家といった諸子百家の主張からいいとこ取りして作られたまるで百科事典のような書物でした。

 

関連記事:儒教(儒家)ってどんな思想?|知るともっとキングダムも理解できる?

関連記事:キングダムの時代に開花した法家の思想

関連記事:戦う思想家集団 墨家(ぼくか)とは何者?

 

一字千金(イチジセンキン)の語源も面白い

 

呂不韋はこの本の出来栄えを鼻にかけ、市場の真ん中にそれを開いて置くと、

「この書物に一字でも書き足す、あるいは一字でも削除できたものには千金を与えるぞ」とお触れを出したそうです。

 

この故事から、非常に優れた文章を賞賛する故事成語として『一字千金』が生まれました。

 

 

秦の異人を利用して成り上がりを図る呂不韋

 

呂不韋はもともと商人として各地を渡り歩き、富を築いていました。

彼は趙の国で、囚われの身であった秦の王族に連なる人物と出会います。

 

囚われの身でみすぼらしいなりをしたその人物を、周囲の者は相手にしませんでしたが、呂不韋は彼を利用して秦で成り上がることを思いつきます。

この時、彼がその人物を見て発した言葉「奇貨居くべし」という言葉は、

後にチャンスを逃してはならないという意味の故事成語として用いられるようになります。

 

秦王をプロデュースし、丞相となる呂不韋

始皇帝 はじめての三国志

呂不韋の根回しによって、秦に王族として帰ることになった異人は、名前を子楚と改めます。

子楚は帰国に際し、呂不韋が寵愛していた芸姑を譲って欲しいと申し出ます。

 

呂不韋は愛人を失うことをためらいましたが、

ここで子楚の機嫌を損ねるのも得策ではないと考え、結局彼女を子楚に譲ります。

 

 

しかし、この時芸姑はすでに呂不韋の子を身ごもっていました。

子楚が秦に帰国した後に生まれたその子は政と名付けられます。

 

……そう、後の秦の始皇帝の父親は呂不韋だったのです。

 

関連記事:三国志とキングダムのそっくり武将は誰?|信と呂蒙

関連記事:王騎将軍は二人いた!キングダムのカリスマの真実

 

秦の宰相に成り上がった呂不韋

呂不韋

 

子楚の子である政が秦王になると、呂不韋は丞相として絶大な権限を手にします。

かつて愛人だった芸姑=現在の太后との不義密通も続いていました。

 

嫪毐(ろうあい)という男を後宮を送り込む

嫪毐 ろうあい

 

しかし、さすがに身の危険を感じ始めた呂不韋は、

根が淫乱だった太后に嫪毐(ろうあい)という男を紹介、宦官であると偽って後宮へと送り込みました。

 

嫪毐は太后の寵愛を受け、呂不韋に続く権力を得ますが、太后との不義密通がバレて謀反を起こそうとします。

結局彼は政に討伐されてしまいます。

 

関連記事:嫪毐(ろうあい)ってどんな人?男のウェポンで天下に名をとどろかせる

 

呂不韋は最期どうなるの?

 

嫪毐の謀反の罪は彼を後宮に入れた呂不韋にも波及、その罪に連座させられます。

 

この時は、これまでの功績を考慮した政によって丞相の職からの罷免と蟄居で済まされますが、後に叛乱を疑われて流刑となり、

呂不韋は己の末路を悟って服毒自殺しました。

 

商才には長けていた呂不韋?

 

もともと商人の出である呂不韋はおそらく商才に長けていたのでしょう。

 

ビジネスチャンスを見逃さない商人である呂不韋にとって、

諸子百家の思想もまた、便利な商売道具に過ぎなかったのかもしれませんね。

 

キングダムファン向け:キングダムに関する全記事一覧

関連記事:秦の始皇帝が造り出した伝国の玉璽

関連記事:秦が中華統一できたのは秦が三流国家だったから?

関連記事:滅びゆく秦、そして中国に二人の巨星が現れる

 

—熱き『キングダム』の原点がココに—

春秋戦国時代

 

 




石川克世

石川克世

投稿者の記事一覧

三国志にハマったのは、高校時代に吉川英治の小説を読んだことがきっかけでした。最初のうちは蜀(特に関羽雲長)のファンでしたが、次第に曹操孟徳に入れ込むように。三国志ばかりではなく、春秋戦国時代に興味を持って海音寺潮五郎の小説『孫子』を読んだり、
兵法書(『孫子』や『六韜』)や諸子百家(老荘の思想)などにも無節操に手を出しました。

好きな歴史人物:

曹操孟徳
織田信長

何か一言:

温故知新。
過去を知ることは、個人や国家の別なく、
現在を知り、そして未来を知ることであると思います。

関連記事

  1. 【あるはずのない超技術】兵馬俑から発掘されたクロムメッキ剣はオー…
  2. 孔子と儒教 諸子百家って何?春秋戦国時代に花開いた思想の数々をご紹介
  3. 楊貴妃 【キングダム】始皇帝に皇后がいない?その理由について考えてみた
  4. 高漸離(こうぜんり)が始皇帝に復讐を行う、荊軻の親友の始皇帝暗殺…
  5. 昌文君(しょうぶんくん)はどんな人?実は昌平君と共に楚からやって…
  6. キングダム(春秋戦国時代)には核兵器は存在した?葵丘の盟とオバマ…
  7. 王騎の矛はどういう武器なの?矛と槍との違いも徹底解説!
  8. 【キングダム雑学】戦国七国はどんなお金を使っていたの?

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 兵士と禰衡
  2. 韓信将軍

おすすめ記事

  1. 明智光秀の逸話を紹介! 明智光秀と煕子(麒麟がくる)
  2. 関銀屏(かんぎんぺい)とはどんな人?まさに三国志界のジェダイの騎士 杜夫人
  3. 【ざっくり解説】開国と攘夷って一体どういう思想なの?
  4. 【疑問】どうして徐州人は曹操の支配を受け入れたのか?
  5. 壮絶、血を吐きまくる三国志武将ランキング ロボ 関羽
  6. 袁紹に殺された2000人以外にも歴代の皆殺しに注目してみた。ちょっぴり不謹慎

三國志雑学

  1. 曹丕
  2. 苦肉の策(笑)
  3. 徐庶
“はじめての三国志150万PV" はじめての三国志コミュニティ総合トピック
“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. チャーチル
  2. 鎌倉時代 服装 男女
  3. 曹操 健康

おすすめ記事

小栗忠順の最期!なぜ小栗は明治政府に殺されたのか? 太平道の祖・張角(黄巾賊) 【シミルボン】カルトの手法は変わらない太平道の信者獲得法 【劉備・曹操・孔明英雄亡き後】軍事面で活躍した人物は鍾会、鄧艾それとも諸葛誕!?正史三国志・魏書からご紹介 はじめての三国志編集長kawauso はじめての三国志編集長の推薦状『8月の見どころ記事』Part.2 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース21記事【7/24〜7/31】 小帝 【有料記事】少帝劉弁は本当に無能な皇帝だったのか? 三国志と日本史の『名城対決』真田丸と陳倉城が激アツすぎる! 馬超と韓遂 【衝撃】韓遂と馬超が賈詡の離間の計で仲違いしたはウソ?

はじさん企画

“if三国志" “三国志とお金" “はじめての漢王朝" “はじめての列子" “はじめての諸子百家" “龍の少年" “読者の声" 袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“西遊記"

“三国志人物事典"

PAGE TOP