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この記事の目次
劉備、天界に残り呑邪鬼の肝を喰らって天下一の肝っ玉を得る
劉備は、何が欲しいと竜王に聞かれて、天下一の肝っ玉が欲しいと言います。そこで、竜王は、地獄には呑邪鬼(どんじゃき)という鬼がいて、そいつの肝を喰えば、天下一の肝っ玉を手に入れられると言います。
そこで劉備は地獄に行きますが、呑邪鬼は、とてつもない大きさ、それが一日に6000人の鬼を喰って食欲を満たしているという滅茶苦茶な設定ですが、劉備は嵐や地獄の鬼の協力(鬼は呑邪鬼の食料・・)を得て、これを倒しその肝を喰らいます。こうして劉備は、顔つきも思想も変わり、乱れた天下を治めて、万民が安心して暮らせる世を造る為に天界を降りていくのです。
ここから、ようやく本編、関羽に再会する劉備
地上に降りた劉備、森羅万象を記した学問の研究に入る孔明は、そのまま天界に残り、ここでしばらくのお別れになります。地上は、太平道を起こして世直しをスローガンにする黄巾賊が、好き放題に略奪、虐殺を繰り返している地獄になっています。ここで、劉備は一度に二頭の馬に跨る巨漢の豪傑、関羽に再会します。
それまでの三国志イメージでは、関羽は痩せていて、張飛は、ぽっちゃりが多いのでそれが逆になった感じです。当初は黄巾賊の理想を信じて戦っていた関羽ですが、実体は山賊と変わらない黄巾賊に嫌気が差していました。そこにやってきた劉備ですが、数日前に会った時の犯罪者予備軍とは、顔つきも思想もまるで違います。関羽は驚きながらも天の声のススメもあり、劉備の家臣になる事を決めます。
さらに片目のワイルドな張飛を部下にする劉備
さらに、ここに張飛も出現します、張飛はヒゲ無しで筋肉質の片目の男で、皮の着物を着ているワイルドな風貌です。張飛は黄巾賊に飯を恵んでもらった恩を返すべく、黄巾の城を一人で落とした関羽と一騎打ちしてその強さに共鳴します。そして、関羽を配下にした劉備にも惚れこんで部下にしてくれと願います。
三人は乱れた世を直すと称しては、虐殺と略奪を繰り返す黄巾賊を倒して、世の乱れを正すとして義兄弟の契りを結びます。ちなみに天地を喰らうでの序列も劉備が長兄ですが、どう見てもビジュアルでは関羽が遥かに老けています。劉備が長兄の理由は、劉備の肝が太いかららしいです。
関羽、張飛も出番なし、呂布並みに強い劉備
さて、ここからは、黄巾賊編です、劉備の亡き母の遺産で軍備を整えた3名は、暴虐の限りを尽くす黄巾賊5万に挑みます。劉備が喰った呑邪鬼の肝は、ただ豪胆になるだけだと思うのですが、特典で無双の強さを得るようで竜王の娘の嵐が変化した馬に跨った劉備は猛スピードで、賊兵を蹴散らしまくり、黄巾賊の将、程袁志(ていえんし)と鄧茂(とうも)は、一言のセリフも無しに劉備に首を刎ねられ戦死します。こうして、5万の黄巾賊軍は、あっという間に崩壊してしまいます。
いやいや、、どちらも初陣の筈の関羽や張飛の立場は、天地を喰らうの劉備、あまりにも元気過ぎます・・
その報告は、黄巾賊征伐に手を焼いていた官軍の若きエリート騎都尉(きとい)の曹操にも伝わりますが曹操(そうそう)は、
たった一言・・
「ふっふ天下は広い」
凄い、さすがは劉備のライバル曹操です。確かに天下は広い、いろんなヤツがいますもんね!因みに天地を喰らうの曹操は、おかっぱがロングになったような奇抜なストレートヘアで登場します。この時点では、金持ちのドラ息子で傲慢な性格ですが、基本は民の事を考えている、劉備のライバルの扱いです。
実は、張角は魔界の王、幻鐘大王だった?劉備、魔界で大バトル
さて、黄巾賊5万を打ち破った劉備を恐れたのは、首領の張角(ちょうかく)でした。実は、この張角、人間ではなく、魔界の大王、幻鐘(げんしょう)大王でした。彼には、世直しを餌に、人間界に混乱を巻き起こし、全ての人間を喰うという地獄で呑邪鬼がやっていたのと余り変わらない野望がありました。
劉備を危険視した大王は、刺客を放ちますが、竜王の娘、嵐が劉備に協力して、これを撃退してしまいます。劉備は、魔界で幻鐘大王を倒さないと黄巾の乱は治まらないという、嵐のアドバイスを受けて、地上の戦いを中断、単身魔界に乗り込みます。嵐はここで、巨大な竜の本性を現し、魔界を攻撃、それに加えて、竜王や、天界で修行中の孔明、麗なども加勢するので、幻鐘大王は体が吹き飛んでしまい敗れてしまいます。
天界、地獄、魔界と人間界を繋ぐ扉が閉まり、三国志らしくなる・・
劉備と孔明の活躍を見ていた竜王は、再び二人に「天界に残って暮らさないか?」と持ちかけますが、劉備と孔明は、地上の混乱を鎮めると言い、天界を去ってしまいます。それを見た竜王は感銘を受け、
「これほどの人間がいるのなら、もう人間界は大丈夫じゃ」と
上役とかと相談もなしに、人間界と天界、魔界、地獄界を繋ぐ通路を一方的に閉じてしまいます。しかし、通路が閉じる寸前、幻鐘大王は、妹の砂姫(さき)に頼み、自分の魂を108の煩悩に分割して、人間界にばら撒く事に成功します。
この煩悩は、火の玉のような姿になり、中華全土で野心を抱く人間の体に入りこみ、こうして中国は無数の豪傑が己の欲望と野心を達成しようと果てしない騒乱を繰り返す世界になります。
三国志ライターkawausoの独り言
天地を喰らうは、当初、伝奇的な要素が強く出てきています。それは、従来の三国志を読んでいるとかなりカオスなんですが、この3巻の幻鐘大王の死辺りで一応、天界や魔界、地獄と切り離されます。さて、その後、どうなるのかは後編で説明しまーす。
後編:天地を喰らうという漫画があまりにもカオス!裏三国志入門書 Part 2
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