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執筆者:kawauso

子玉(しぎょく)って誰?三国志にも名前が出る楚の猛将・成得臣

この記事の所要時間: 445




基礎知識 馬謖02

 

三国志の時代の人は、古典から教養を得ているので、よく古代の話を、

例え話として出してきます。

街亭で敗北しさらに逃亡を企てて、処刑された馬謖(ばしょく)についても、

その処断について、諸葛亮孔明(しょかつ・りょう・こうめい)の部下である

蒋琬(しょうえん)が、子玉に掛けて惜しんでいますが、そもそも、

子玉(しぎょく)とはいつの時代の人なのでしょうか?

 

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関連記事:【悲報】泣いて馬謖を斬る!は嘘だった?馬稷の死は敗戦の責任のみでは無かった!?




紀元前7世紀の楚の猛将 成得臣

成得臣 子玉

 

子玉とは、字でフルネームは、成得臣(せいとくしん)子玉といい、

三国志を遡る事800年、紀元前7世紀の楚の成王に仕えた猛将で

令尹(れいいん)まで出世した人物です。

令尹とは、秦における丞相を意味し家臣たるものが登れる最上位です。

成得臣は武勇に秀でていますが、楚人らしく感情が激しく粗暴で、

ちょっとした事でキレる困った所がありました。




晋の文公が楚に亡命してくる

重耳

 

紀元前640年、放浪の貴公子である晋の重耳(ちょうじ)が楚に亡命してきました。

国の後ろ盾もなく、各地でバカにされてきた重耳ですが、

困難を乗り越えて自身も成長し部下との絆も固くなっていました。

 

楚の成王は、一目みて重耳がただものではないと見抜き、

対等関係の諸侯として遇して歓待しました。

 

重耳が成王に

 

「乱れた晋を救いたいので、私が晋に帰ったら

バックアップしてくれますか?」

 

と尋ねると、成王は快諾します。

 

そして冗談半分に成王は、、

 

「その代わりにあなたは何をしてくれる?」と重耳に聞きました。

 

すると重耳は、

 

「戦場で楚軍とまみえたら、三舎退きます」と答えます。

 

一舎は、一日に軍隊が行動できる距離で重耳は楚軍に遭遇したら

3日分軍隊を下げて恩義に報いると言ったのです。

 

手加減すると言われた子玉は文公を斬ろうとする

炎 s

 

しかし、三舎引くには、手加減するという意味もありました。

その話を聞いていた誇り高い子玉は、腹を立てます。

 

「王よ、重耳は楚を侮辱しました、すぐに斬るべきです!」

 

ですが、子玉の気性を知っている成王は、それを宥めて、

重耳をおとがめなしにしました。

 

子玉、陳を破り、宋の襄公を辱めて令尹に昇る

 

紀元前637年、今まで楚に従っていた小国の陳が宋に通じて、

寝返る事件が起きます。

子玉は、即座に兵を起こして、陳を撃破しました。

さらに、当時、覇者に一番近い存在だった宋の襄公(じょうこう)が会盟を催して

中原の覇者になろうとすると、子玉は儀式の途中で襄公を拉致し、

宋国内を蹂躙して暴れまわり、襄公の面目を潰します。

これにより襄公は、遂に覇者になれませんでした。

 

一方の子玉は一連の手柄で、一族の子文(しぶん)に替わり、

令尹に昇ります。

 

得意絶頂の子文に蔿賈が苦言を出す

ろうそく f

 

子文は彼の出世を祝い、成王の前で演習を行う時にも、

子玉に花を持たせようと訓練を朝で終わらせ、兵士を一人も処罰しませんでした。

一方の子玉は、一日中演習を行い、兵士七名を鞭打ち、三名を殺しました。

楚の臣は、子玉の有能さを褒めたたえ、子文を慶賀します。

ところが、重臣の蔿賈(いか)だけは、何の祝いもしませんでした。

子文が不思議に思うと蔿賈は言いました。

 

「何を浮かれておいでですか?子玉を令尹に推したのはあなたですぞ。

もし、子玉がしくじれば、あなたも責任を問われますよ、

そもそも、子玉は表面は勇壮ですが、我が強くて礼儀を知らず

民を治める事など出来ません、もし、戦車三百輌以上を与えて

他国を攻めたら生きて戻ってこれますまい」

 

この話は、人づてに子玉の耳にも入ります、子玉は立腹し、

必ず、手柄を立てて蔿賈を見返してやると決意します。

 

紀元前632年 成王、子玉と共に中原を攻めるが・・

祁山、街亭01

 

紀元前632年、楚の成王は、令尹の子玉を伴い、長江を越えて、

中原の諸国を攻めますが、その頃、晋に帰り文公に即位した重耳が、

援軍を出してきたので、兵を引こうとします。

 

すると子玉が、それを諌めました。

「ここは何としても文公と雌雄を決すべきです」

 

ところが、状況の不利と文公の強かさを知っている成王は

乗り気ではありません、子玉は激しく感情を昂ぶらせ、

 

私は何も手柄が欲しいのではなく、

あの蔿賈めにかつて侮られた恥を雪ぎたいのです」と言います。

 

成王、子玉の私利私欲に呆れ、彼を放置して去る

 

それを聞いた成王は呆れます、国の命運を左右する戦に、

かつて侮辱された恥を雪ぎたいという私情を交える

子玉のバカさ加減にです。

 

「ならば、軍は預けるから勝手にするがいい」

 

成王は、子玉に兵を預けて自分は楚に帰ってしまいました。

【次のページに続きます】




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