漢の高祖・劉邦(りゅうほう)。
彼は農民から成り上がり項羽や諸侯を討伐して天下を統一します。
実は彼、農民時代に既に秦の次に天下統一することが決まっていたことを皆さんはしていましたか。
今回は実は劉邦の天下統一は既に決められていた運命だったことを
ご紹介していきたいと思います。
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労働者を率いることになった劉邦
劉邦は群雄として名乗りを上げる前に沛県役人として仕事をしていた時期があり、
当時は秦に乱れはなく冷徹な法治国家として存在しておりました。
そんなある日上司から「明日。お前はこのリストに載っている人数を率いて、
首都・咸陽(かんよう)へ行ってこい」と命令を受けます。
秦の始皇帝は阿房宮(あぼうきゅう)というどでかい建築物をしており、
全国から若い男を労働者として集めておりました。
秦の法律では期限内に阿房宮を建設している驪山(りざん)に到着しなければ、
引率者は死刑になる法律で、
大雨などで道が通れない場合や途中で誰かが逃走して人数が減った場合でも、
容赦なく引率者は死刑になってしまいます。
そのためこの引率者の役目は誰もやりたがりませんでした。
この命令が首都・咸陽から沛県へ伝えられると誰もこの役目を担当するものはいませんでした。
そのため役所では下っ端であった劉邦がこの役目を負うことになってしまいます。
翌日劉邦は沛県の役人や豪族、長老達の見送りを受けて出発することになります。
劉邦脱走
劉邦は労働者を率いて驪山を目指して進んでいくのですが、
沛県を出発してから数日後には逃亡者が出てしまう有様でした。
そのため彼は労働者を率いて数日が経ったある日彼らを集めて
「俺はもうこの役目を降りる。今日は皆と分かれるための送別会だ!!
酒はいっぱいあるから遠慮しないでガツガツ飲んで、去る者は去ってしまえ!!」と
自暴自棄になって宴会を開きます。
引率者自ら酒を飲んで、労働者達にも酒をつい出回る始末でした。
こうして大宴会を開いた劉邦の元から一人、また一人と労働者がいなくなっていきます。
劉邦もある程度の人数がいなくなったことを酔っ払った目で確認すると、
彼自身もその場からいなくなってしまうのでした。
もしこのことがバレたら劉邦は速攻で死刑になっていたことでしょう。
蛇をキル
劉邦は酔っ払ったまま千鳥足でガツガツ進んでいきます。
この時劉邦と共に行動したのは数十人だったそうです。
彼の先を歩いていた人が劉邦のところへやってきて、
「この先に大きな蛇がいるので、違う道を行きましょう。」と進言してきます。
すると彼は酔っ払って気が大きくなっていたのか「バカ野郎!!
蛇なんかにビビってどうするんだぁ~」と大声で叫んでそのまま進んでいきます。
すると劉邦の前に大きな白い蛇がとぐろを巻いて彼を威嚇していました。
劉邦は腰につけていた剣を「ブンッ」と一振りすると白い蛇は体を真っ二つにされてしまいます。
劉邦は気にせずそのまま歩いていき、
広い場所に出るとそのままひっくり返って寝てしまったそうです。
戦国史ライター黒田廉の独り言
劉邦が蛇をぶった斬った後部下の一人が遅れていたため、
急いで劉邦の元へ向かっておりました。
すると途中で老婆が道の途中で泣いていたのでこの部下は「どうした婆さん。
何かあったのか」と訪ねます。
すると老婆は「わしの子は白帝の息子であったんじゃが赤帝の子に斬られてしまったんじゃ。」
と言って泣きじゃくっていたそうです。
この部下は老婆を慰めようとして言葉を考えていた数秒の間目を離した隙に
いなくなっていたそうです。
ついでにこの白帝の子は秦の始皇帝を指しているそうで、
劉邦は赤帝の子とされておりました。
そのため劉邦はこの逃亡生活の時には天下統一をする運命にあったとは、
レンの考えすぎでしょうか。
次回記事:人材を使いこなす事で天下を取った劉邦
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