人材コレクターの曹操。その旗下にはかつて敵だった猛者たちでひしめいています。
人徳の塊のように云われている劉備ですが、
その魅力で敵軍から引き抜いた武将は、曹操に比べると少ないのではないでしょうか。
後世の人間たちから悪人扱いされることの多い、ヒール役の曹操。
でも実は三国志史上最強のカリスマなのかもしれません。
今回はそんな曹操が欲した敵陣の将たちについて触れていきます。
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やっぱり劉備
曹操はその生き様から敵をたくさん作っていますが、最大のライバルは劉備とされています。
これは「三国志演義」の主人公が劉備であるということが最大の理由です。
日本の戦国時代でいうところこの武田信玄と上杉謙信のような拮抗していた勢力ではありません。
曹操の方が圧倒的に強かったというのは疑うべくもないのです。
劉備は徐州で負け、汝南で負け、荊州で負けています。
それでもなお曹操に牙をむいた劉備の自立心は並々ならぬものがあります。
曹操はそんな劉備の性質を始めからわかっていたようです。
曹操旗下の郭嘉や荀彧なども劉備の危険性は把握していました。
それでも自分を頼ってきた劉備を殺さずになんとか幕舎に加えたいという一心で、
曹操は劉備に対します。
自分にないものを持っている劉備に魅力を感じたのではないでしょうか。
それは劉備の謙虚さと、命に代えてでも志を遂げようとする崇高な意志でしょう。
おそらく曹操が一番欲した人材は劉備だったと思われます。
蜀の法正
曹操は漢中の戦いにおいて劉備に破れます。
世にいう「定軍山の戦い」です。この戦いで曹操は重臣でもあり血縁者でもある夏侯淵を失います。
もちろん夏侯淵を失ったことを曹操は嘆いたでしょうが、同時にこんな言葉も発しています。
「私は世の中の優能者を多く集めたが、なぜ法正だけ得ることができなかったのか」と。
実はこの定軍山の戦いの絵図を描いたのが蜀の軍師・法正だったからです。(将ではないですが……)
この言葉からもわかるように定軍山の戦いの蜀の戦術は曹操からしても絶賛に値するものだったのです。
到底劉備にはできない采配だと見抜いています。
法正はこの後、すぐに病気で亡くなってしまうので曹操の引き抜き工作はなかったようですが、
曹操がどうしても手に入れたかった人材のひとりであることは確かです。
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錦馬超
若大将として名を馳せたのは、東の孫策と西の馬超でしょう。ともにほぼ同世代です。
特に馬超は曹操からかなり早い時期に目をつけられています。
なにせ異民族の血も受け継いでおり、カリスマ性もあって、
異民族からたいへんな人気ぶりだったからです。
しかも戦場での駆け引きも巧みで、一騎打ちでも無類の強さを誇っています。
西暦202年以降になりますが、
その功績から徐州刺史に任命されています。(赴任先には行っていませんが)。
その直前に曹操は馬超を旗下に加えようと画策しています。しかし見事に断られました。
そして西暦211年の潼関の戦いになだれ込んでいくのです。
馬超は最終的に劉備に降ることになりますので、それを聞いた曹操はかなり悔しがったと思われます。
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呉の天才・周瑜
曹操に匹敵する天才といえば、やはり呉の周瑜があげられます。
知略に優れているだけでなく、自ら兵を率いて戦う勇将の姿も見られます。
まさに曹操の若い頃そっくりです。
もちろん曹操はこの周瑜引き抜きにも時間と人を割いています。ちょうど赤壁の戦いが起こる時期です。
曹操は周瑜をよく知る人物で、蒋幹という優れた文官を呉に送り込みます。
しかし周瑜は曹操の魂胆を見抜いていたと云われています。
周瑜が寝返っていたら赤壁の戦いでの大敗もなかっただけに、
曹操としてはこの引き抜きの失敗は悔しがったことでしょう。
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三国志ライター ろひもと理穂の独り言
他にも曹操に目をつけられた英雄はたくさんいると思います。
しかし曹操に手を貸すことを頑なに拒んだ者たちも多くいるのです。
曹操はおそらく「人の能力を生かす天下」を目指したのでしょうが、
なかなかうまく伝わらなかったのではないでしょうか。
私の偏見かもしれませんが、
曹操はどうも「民主主義」や「資本主義」の先駆け的存在だったように思えるのですが、
みなさんはいかがお考えでしょうか。
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