夏候惇の父親としての評価はどうだったの?

2017年3月16日


 

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ハイ、それでは、三国志の世界をいろいろな角度から掘り下げていく

「ろひもと理穂のこれも三国志」のコーナーです。

 

 

魏の名将・夏候惇(かこうとん)に注目し、

2回に渡り掘り下げてお伝えしてきましたが、今回はラストの3回目になります。

唐突ですが、皆さんは「2世タレント」ってご存知でしょうか。

有名タレントの御子息で、

親のコネを頼りに活動しているひとたちです。(私の偏見です)

私は個人的に「草刈正雄さんの娘で紅蘭さん」が好きですね。

彼女は親の七光りがなくても充分に芸能界を生きていける力を持っています。

物凄くパワフルなキャラです。

今回は2世タレントならぬ、三国志の「2世登場人物」を掘り下げていきましょう。

 

関連記事:夏侯惇は軍人としては優秀だったの?正史三国志から夏侯惇を分析

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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親が凄くても子は凄くはない

 

親が頂点を極めても、その子はそこまで凄くはない。

という例は枚挙にいとまがありません。

例えばプロ野球でいうと、スーパーヒーローの長嶋茂雄さんの息子・一茂さん。

ヤクルトファンとしてはかなり期待していましたが、ほとんど活躍しませんでした。

日本の戦国時代でいくと、時代の革新児・織田信長の息子の信雄や信孝。

豊臣秀吉と徳川家康にいいように利用されています。

彼らは才能はなくても親の威光で偉くなったり、有名になったりしているのです。

(一茂さんは大学時代に活躍してましたけど)

親が凄いからといっても、それは別に子に遺伝するわけではないのです。

 



三国志に登場する2世たち

 

もちろん三国志の時代にも2世たちはたくさん登場してきます。

親以上に活躍した例もあります。

孫堅(そんけん)の息子の孫策(そんさく)孫権(そんけん)が代表的です。

逆に、え!?って絶句する例もあります。

劉備の息子の劉禅が代表格かもしれません(いつか劉禅特集もやりたいです)。

なぜこんなことが起こるのかは、単純に彼らにハングリーさが欠けているからだと思いますが、

理由はさておき、今回の主役たる夏候惇の子息たちはどうだったのでしょうか。

夏候惇は、大将の器であるとあの曹操が認めた人物です。

清廉潔白。武将としての闘争心も他の武将にまったく負けていません。

こんな父親を持つと、素晴らしい器量の若者が育ちそうなものですね。

 

夏候惇の子息たちを紹介

 

長男は夏候充で、夏候惇から家督を継いでいます。活躍の機会はまったくありません。

次男は夏候楙で、兄とは別の爵位を持っており、かなりの出世をしました。

三男は夏候子臧。四男は夏候子江となっています。

三国志演義では夏候楙は夏侯淵の子で養子にもらったという設定です。

三国志のシュミレーションゲームをしていても夏候楙は記憶にありますが、

夏候充は聞いたことがないです。三男・四男も同様ですね。

そしてなんで夏候楙のことを覚えているかというと、

あまりにも能力の数値が低いので記憶に残っているんです。

夏候惇と夏候楙では天と地の差がありました。

どうしてこんな評価なのでしょうか。

 

夏候楙の期待を裏切らない2世ぶり

 

まさに親の七光りで出世したお坊ちゃんが夏候楙です。

趣味は金儲けという三国志では異質なキャラぶりです。

しかも武勇の面では劣っていたそうです。

それが血統だけで出世し、安西将軍として蜀の諸葛亮孔明とぶつかるのです。

しかも西で生活していた時には女遊びも派手だったとのこと。

これが敵を油断させる作戦であればたいしたものです。まさに忠臣蔵の大石内蔵助ばりの昼行燈。

しかし、驚くことにこれが夏候楙の本性そのものだったというのです。

三国志演義では負けて捕らえられ、

解放された後は西の異民族の領地に亡命するというこれ以上はない負け犬ぶりです。

正史でも兄弟の讒言にあい処刑寸前まで追い込まれます。

 

三国志ライター ろひもと理穂の独り言

 

これはまさに子育ての難しさを表す象徴的な話なのかもしれません。

可愛い子には旅をさせよなんていう諺もあります。

苦労や逆境がひとを育てるのでしょう。満ち足りた環境からは英雄は育たないのかもしれません。

魏を支えた夏候惇も、「父親」としては二流だったということなのでしょうか。

私はなぜか悔しい思いがします。なぜかはわかりません。

 

皆さんはどうお考えですか。

 

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—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 

 

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ろひもと理穂

三国志は北方謙三先生の作品が一番好きです。 自分でも袁術主役で小説を執筆しています。ぜひこちらも気軽に読んでください! 好きな歴史人物: 曹操、蒲生氏郷

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