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執筆者:黒田廉

秦王政はなんで始皇帝と名乗り始めたの?

この記事の所要時間: 251




 

戦国時代末期を描いた中国古代史漫画キングダム。

この漫画に登場している秦王政は天下統一の偉業を成し遂げた最初の皇帝として始皇帝を

名乗り後世に伝えられる人物。

ですが、前漢や後漢、三国志の時代の皇帝達は亡くなったあとに、

生前の功績を評価して武帝や明帝などの亭号が贈られております。

という事は始皇帝という名前は秦王政が亡くなった後に付けられた帝号なのでしょうか。

それとも彼が生きている間に始皇帝と名乗ったのでしょうか。

今回は秦王政がいつごろ始皇帝と名乗ったのかを探ってみたいと思います。

 

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秦王政の質問

 

秦王政は中華に割拠していた各国を討伐して滅ぼした後、

丞相・副丞相らを招集します。

彼は集まってきた家臣へ「私は諸将へ命令を下して各国へ軍勢を進め、

中華で数百年間絶えることなく続いた争いをなくすことができた。

私がこのような偉業を成し遂げることができたのは、

皆の努力と歴代の秦王が私を守ってくれたからこそできたのだと考えている。

そこで私はこの成果を後世に伝えるためには王を名乗ることをやめて新しい

称号を唱えたいと思っているのだが何かいい案はないか。」と相談。

丞相や副丞相達は「しばし時間をいただきたいと思います。」と言ってその日は政の元から

去っていきます。

政の元を去った三人は集まって会議を何日も行います。




重役三人の意見

 

法の番人・李斯(りし)、丞相・王綰(おうわん)、副丞相・馮劫(ふうきょう)のお偉方三人は

数日後揃って政の下へ参上します。

そして彼ら三人を代表して李斯が意見を述べます。

李斯は政へ「上古から現在まで天下統一を成し遂げるような偉業を達成した君主はいないでしょう。

五帝(中国の古の皇帝。黄帝(こうてい)・顓頊(せんぎょく)、帝嚳(ていこく)、堯(ぎょう)、舜(しゅん))

を凌ぐものと言っていいのではないかと思います。

歴史を知る博士達に聞いてみたところ五帝よりも前の時代に存在したとされる

泰皇(たいこう)と呼ばれる者が一番尊いとされておりました。

そこで王におかれましては天下統一をされた偉業を後世に語り継がせるために

泰皇と呼ばせるようにするのがいいのではないのでしょうか。」と進言します。

秦王政は李斯の進言を黙って聞いていたのですが、少し考えるように上を見上げておりました。

 

政が考えた名前とは

 

秦王政は数十分の間沈黙しておりました。

その理由は李斯の進言について考えているためでした。

そして数十分後秦王政は口を開きます。

彼は李斯達へ「泰皇はちょっとダサいから泰皇の皇の字を無くし、

上古以前からいた帝の字をくっつけて皇帝と呼ばせるようにしよう」と提案。

この提案に李斯達三人は頷き「よろしいと思います。」と賛同の声をあげます。

数日後政は文官や諸将を集めて「我が作った皇帝の尊称だが、

この尊称を使うのは私が初めてであるから、

以後私を呼ぶときは秦王政ではなく「始皇帝」と呼ぶように。」 と命令を下します。

こうして秦王政あらため始皇帝が誕生することになるのです。

 

戦国史ライター黒田レンの独り言

 

秦王政は始皇帝と言う名前を決めた時に生前の王の功績に見合った諡(おくりな)を

贈る制度を廃止。

そして始皇帝死後、皇帝の位を継いだ人物は始皇帝二世、三世という感じに呼称するように

と命令を下します。

始皇帝の死後、趙高の悪謀によって胡亥(こがい)が帝の位を継ぐことになりますが、

彼を呼ぶときは始皇帝の法令通りであるならば、

始皇帝二世と呼ぶのが正しい呼び方です。

もしキングダムで胡亥が登場することがあれば彼を胡亥と呼ぶのではなく、

二世皇帝と読んであげてくださいね。

 

参考文献 史記 司馬遷著 丸山松幸・守屋洋訳など

 

 

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横山三国志を読んだことがきっかけで三国志が好きになりました。
その後の日本史・中国史を学びました。
またいろいろな歴史小説を読んでおります。
現在はまっている歴史小説は宮城谷昌光氏の劉邦です。

歴史人物:

張遼、孟嘗君、張作霖など

何か一言:

今年も頑張ってはじさん盛り上げていくにゃー!!

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