架空戦記
HMR

はじめての三国志

menu

三国志の雑学

三国志では教えてくれない洛陽と長安の秘密

この記事の所要時間: 247




 

三国志に登場する二大都市、洛陽(らくよう)と長安、前漢では長安が帝都となり、

後漢では洛陽が帝都となったので、前漢を東漢、後漢を西漢と言う事もあります。

しかし、三国志演義、そして正史三国志を見ている限り、どうして、長安と洛陽が

漢帝国の都に選ばれたのか?なかなか分らないでしょう。

はじさんでは、三国志では教えてくれない洛陽と長安の秘密を解説します。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:洛陽の最速王は誰だ!意外に速い!三国時代の馬車ってどんなの?




洛陽と長安が都になった理由1 堅牢な山に守られている

 

 

洛陽と長安の周辺は地図で見ても分かる通り、盆地で大きな山に取り巻かれています。

洛陽の北には邙(ぼう)山、南には伏牛(ふくぎゅう)山があって侵入が難しく

平地は細くなっていて、そこに函谷関(かんこくかん)、虎牢関(ころうかん)の

二つの要塞を置けば、どんな大軍が来てもビクともしません。

 

※ちなみに汜水関(しすいかん)は、虎牢関の一部で別々の存在ではありません。

 

おまけに、この盆地は、黄河に運ばれた肥沃な土があり、農業生産性が高く、

渭水(いすい)や洛水という河が流れているので灌漑も可能です。

ここに籠っていれば、関が落ちない限り百年でも守れたのです。

 

秦の首都である咸陽(かんよう)は長安の西にあります。

秦はこの肥沃な土地を守り函谷関を厳重にする事で、戦国の覇者になりました。

楚の項羽(こうう)が紀元前206年に咸陽を陥落させるまで、

至強の六国合従軍でさえ函谷関を破れなかったのです。




洛陽と長安が都になった理由2 黄河の氾濫の影響を受けない

 

いかに、肥沃な土地で周囲が山に囲まれていても黄河が氾濫すれば、

ひとたまりもありません。

黄河が黄色いのは、シルトと呼ばれる微細な泥が入っているからで、

それは黄土高原を通過する時に、水の中に大量に混入して黄河を

コーヒー牛乳のような色に変えてしまいます。

 

つまり、黄河が氾濫すると、溢れるのは水だけでなく破壊力抜群の土砂もなのです。

この土砂により、氾濫の経路にある都市も畑も消滅してしまう事になりました。

しかし、洛陽と長安がある盆地は、黄河を挟むように山脈が存在していて、

黄河氾濫の被害から、都を守ってくれるのです。

 

この地域には、夏王朝の遺跡ではないかと言われる、二里頭(にりとう)遺跡や、

殷の初期の都である偃師(えんし)商城、東周の都などが次々と置かれました。

そして唐代には、長安が帝都とされるなど繁栄をつづけたのです。

黄河の氾濫がないので文化の蓄積が、そのまま継承されたのも大きいでしょう。

 

洛陽と長安が都になった理由3 シルクロードの玄関

 

洛陽と長安が都になった理由は、長安がシルクロードの玄関にあたるからでもあります。

前漢時代にシルクロードが開かれるよりも前から、この袋小路のような盆地は

東西の商人が東と西を往来する重要なルートでした。

 

華北平原は、黄河の大氾濫の繰り返しで、山が削られて造られました。

肥沃な土地と黄河の支流として多くの河川が産まれ、経済の中心地となります。

それらの富は洛陽に流れ込んで行き、洛陽は経済的に繁栄します。

逆に長安は、シルクロードからの交易品と関中から羌族のような勇猛な騎馬兵を

補給する軍事拠点の意味合いを強くしていました。

 

軍事と経済、この袋小路のような盆地には、国家を支える二つの要素が集まり

他と替える事が出来ない魅力を持っていたのです。

 

三国志ライターkawausoの独り言

 

繁栄した洛陽と長安ですが、奇しくも後漢末の騒乱で華北の人口が南下し

江南の開発が進んでいくと華北平原と取って替わり穀倉地帯としての華南の地位が上昇。

6世紀の隋(ずい)の南北統一と大運河の建設により華北の政権を江南の生産力が支える

システムが構築された事で、まず西過ぎた長安が廃れ、

次に江南の物資の中継地点として栄えた洛陽も唐王朝が没落すると、

東の開封が江南からの物資の中継地点として繁栄して、

取って替わられ、北宋王朝は開封を首都にします。

以後、洛陽と長安は、省みられなくなり、歴史上の古都となっていきました。

 

 

はじめての三国志アンケートはこちら

関連記事:白馬寺とは何?洛陽にある中国最古のお寺は白馬が経典を運んだ!

関連記事:洛陽に続き、長安でも好き放題をした董卓

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

kawauso

kawauso

投稿者の記事一覧

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

関連記事

  1. 郭嘉の先見の明が凄すぎる!?孫策が暗殺されることを予想して進言し…
  2. 呉書を斬る!袁術に帝位を勧めたのは魯粛だった!?
  3. 曹操「なんでも上手に使えばいい!屯田制と兵戸制じゃ!」
  4. 【衝撃の事実】鳥巣襲撃戦後にとった曹操の行動が結構エグかった
  5. 顧夫人とはどんな人?小覇王・孫策の娘の謎に満ちた生涯
  6. 蜀のブサメン軍師、龐統は魯粛のスパイだった?劉備と龐統、仮面主従…
  7. 赤兎馬(せきとば)が活躍できたのは武霊王のおかげ
  8. 曹彰(そうしょう)とはどんな人?勉強嫌いだが、武を磨いて将来を期…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 【2016年】年末年始にまとめ読み!これを読めば三国志が丸わかり30選【総集編】
  2. 武田晴信の領地経営と甲州法度をざっくりと分かりやすく紹介!
  3. 中国史上、最大の軍師は誰なの?孔明?司馬懿か?
  4. 【食客には無駄な人材はいない!!】孟嘗君の脱出劇が名言として登場
  5. 【おんな城主・井伊直虎を見逃した方へ】第八話「赤ちゃんはまだか」の見どころ紹介
  6. 三国志サミット2015年に、はじさんも出演します

三國志雑学

“広告募集"

はじめての三国志の書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

審配(しんぱい)とはどんな人?衰えていく袁家を支えた忠臣 始皇帝の法治国家を助けた韓非と李斯って何でいがみ合ったの? 袁紹が死んでも息子たちが協力していれば曹操を倒せたの? 三国志:前半戦のまとめその1(董卓登場まで) 天照大神は卑弥呼がモデルだった?卑弥呼の正体に迫る! 漢の時代の役人はこんなに大変!貧乏になると首って本当だったの? 日本の戦国時代はどうして起きたの?原因をざっくりと解明 【優劣対決】戦国武将小早川秀秋 VS 蜀の二代目皇帝劉禅一体どちらが優れていたのか。PART2

おすすめ記事

  1. こんなの絶対に入りたくない!三国志の時代の牢獄は酷すぎた…当時の刑罰も合わせて紹介
  2. 小早川隆景(こばやかわ たかかげ)とはどんな人?毛利を支えた三本の矢
  3. 英雄記から見た河北の覇者を決める公孫瓚VS袁紹
  4. 徐盛(じょせい)ってどんな人?人生を戦いの中で過ごした呉の将軍
  5. 始皇帝が中国統一後、わずか15年で秦が滅亡した理由|始皇帝がブサメンだったから?
  6. 【衝撃の事実】死せる孔明、生ける仲達を走らせるは司馬懿の芝居だった!?英雄の波瀾万丈な人生に迫る!
  7. 黄忠(こうちゅう)ってどんな人?華々しさとは真逆、家族に恵まれなかった人生
  8. 【諸葛亮孔明の心に残る名言】「好尚同じからずと雖も公義をもって相取る」

はじさん企画

帝政ローマ
広告募集
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
PAGE TOP