後継者争いは出来レース?曹丕が皇帝に就くことは生まれる前から決まっていた

2017年4月17日


 

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魏の曹操(そうそう)の息子で、魏の初代皇帝となった曹丕(そうひ)

彼は後漢王朝のラスト・エンペラーである劉協(りゅうきょう)から皇帝の位を禅譲(ぜんじょう)される

ことになるのですが、このことは曹丕が生まれる前から決まっていることでした。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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176年に起きた不思議な現象

 

176年。

後漢王朝のポンコツ皇帝と言われている霊帝(れいてい)が皇帝となって、

6年が過ぎておりました。

この年に後年曹操が生まれる場所となる沛(はい)国の譙(しょう)で珍しい物が出現します。

それは黄龍(こうりゅう)です。

人々はどうして黄龍がこの地に出現したのかさっぱりわかりませんでした。

このことに関心を持っていたのは民衆だけでなく名士と呼ばれる人々も不思議に思います。

名士の一人であり後に曹操を認めた人物である橋玄(きょうげん)も黄龍出現に関心を持ちますが、

どうして出現したのかわからず知り合いに聞きますが、一向に理由は解明されないままでした。

 



歴史家単よう(風+易)の見解

 

橋玄は後漢王朝の太史令(たいしれい=後漢王朝の歴史を司る部門)である単ように

「沛国の譙で最近、黄龍が出現したと聞いたのだが、どのような意味があるのか教えてもらいたい」と質問。

すると彼は「黄龍の出現はその土地から王者が出現すると言うことです。

しかし今すぐに出現するのではなく、

50年後に再び黄龍が出現してその後王者が現れるでしょう。」と述べます。

橋玄は「王者が出現するということは50年後には後漢王朝がないというのではないのか」と

再度質問すると彼は笑って答えませんでした。

このふたりのやり取りを聞いていた殷登(いんとう)は誰にも言わないで覚えておりました。

 

曹丕が生まれた時にも不思議なことが

 

曹丕が誕生した時にも譙で不思議なことが起きます。

曹家に青い雲気が立ち上り一日中消えなかったそうで占い師に占ってもらう事にします。

すると占い師は「これは尋常な気ではありません。

本日生まれた子供は尊貴な位に上がるでしょう」と占い結果を告げたそうです。

 

曹丕が皇帝として君臨

 

こうして曹丕が生まれる前から色々な事が起きており、

彼の誕生と同時に予言されていた「尊貴な位」に登ることになります。

それは後漢王朝を滅ぼして、魏王朝の初代皇帝の位に就任することになり、

予言の通り曹丕は尊貴な位へ上り詰めることになります。

 

単ようの予言から50年後・・・・再度降臨

 

単ようの解説を覚えていた殷登は50年後も生き残っておりました。

50年前とは様子が違い後漢王朝は曹丕によって滅ぼされており、

彼は朝廷から隠居している状態でした。

しかし単ようの予言をずっと誰にも言わないで一人で忘れずに覚えておりました。

そして50年後の三月。

単ようの予言が当たることになります。

三月譙に再び黄龍が降臨します。

この黄龍の姿を見た殷登は大いに驚き「単ようの言った通りであったわ。」と述べたそうです。

しかし当時は既に曹丕が皇帝として君臨しておりましたので、

単ようの予言はちょっとだけずれてしまったようです。

 

三国志ライター黒田レンの独り言

 

いかがだったでしょうか。

曹丕が生まれる前から彼の実家である譙では次々と奇怪な現象が発生しております。

中国では既存の王朝が滅びまたは滅びそうな時や新たな王朝が誕生するときには、

必ず何かの現象が発生しており、

孫権が皇帝の位に就任するときには鳳凰(ほうおう)が出現しております。

このように色々な現象が発生することはいい事が起きる可能性がありますが、

必ずもいい事のみが発生するとは限りません。

例えば月食が起きれば民衆は今年は何かよからぬことが起きるぞと不安がっていたそうで、

その年には大飢饉や疫病など人々にとって良くないことが度々起きており、

起きる現象によっては悪いことが起きる可能性があるのです。

現代ではそのような現象が起きれば世界を揺るがす大ニュースとして報じられることになるでしょう。

 

参考文献 ちくま学芸文庫 正史三国志魏書 今鷹真・井波律子著など

 

 

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黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

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