そうだったのか!?曹丕はスイーツ男子。詩にスイーツの想いを込めちゃったよ!

2015年8月10日


 

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曹丕皇帝

 

曹丕(そうひ)は冷酷で酷薄(こくはく)、気に入らない人間や恨みを持った人間は精神的に追い込んで殺すというダークサイドもありますが、一方では、何だこりゃ?という変な性格も持っています。その最たる部分が曹丕(そうひ)がフルーツを詩で評価した所でしょう。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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曹丕は、甘いモノが大好きのスイーツ男子

曹丕 スイーツ

 

曹丕は、この時代としては超がつく甘党でした。3世紀の中国と言えば砂糖(さとう)も出回ってませんから、甘いモノといえば、果物がその代表になります。

 

曹丕

 

お坊ちゃんで育った曹丕は子供の頃から果物を愛好し、皇帝に即位すると、それらのスイーツを評価する変な詩まで書いて家臣に見せています。曹丕こそは、元祖スイーツ男子なのです。

 



文帝いわく、ミカンはすっぱい!!

曹丕

 

3世紀頃のミカンは品種改良が進んでいないのか、酸っぱいものがかなり多かったようです。曹操は、そんな酸っぱいミカンでも好んで食べましたが、甘党の曹丕はミカンが大嫌いでした。

 

そんなミカンの事を評価した詔(みことのり)

 

魏文帝詔群臣曰、飲食之物、南方有橘、酢正裂人牙、時有甜耳。

 

翻訳:文帝陛下は、家臣に向けてこのように言われた。この食べ物は、南方のタチバナ(柑橘系の総称)というものだが、酸っぱくて歯が裂けそうだ、時々しか甘いものがない。

 

しかし、こんな事を言われて、司馬懿とかはどうしたんでしょうか?

「ごもっともで御座います」とか頭を下げたのか。

 

文帝いわく、梨はあまァーーーーい!

皇帝に就任した曹丕

 

そんな曹丕は、梨が大好物でした、梨は中国原産ですが、当時から甘かったらしく曹丕は好んで梨を食べて、そして、こんな勅を下しています。

 

魏文詔曰:真定郡梨.甘若蜜.脆若浚.可以解煩飴.

 

翻訳:文帝陛下は、このように仰った。真定郡の梨は、その甘さは蜜のようで、そのもろさは、噛むと砂のようにサラサラと崩れてくるようだ。これでこそ朕の甘いモノを欲する情熱を満たす事が出来る。

 

また、当時の中国には、重さ6キロという巨大な梨もあったようで、

 

「真定の梨は、人の拳程の大きさもあり、蜜のように甘い、体が火照るように暑くても、たちまち熱を取り、渇きを満たしてくれる」

 

とも曹丕は書き残しています。

 

文帝いわく、葡萄(ぶどう)より美味いものなし

 

そんな曹丕が最も好んだのが葡萄でした。葡萄は紀元前2世紀には、中国に入ってきていましたが、栽培に手間がかかるものなので、当然、庶民の口に入るようなものではありませんでした。そんな葡萄を曹丕は愛し、そして絶賛しています。

 

魏文帝詔臣曰 且説葡萄、醉酒宿醒、掩露而食、甘而不○、酸而不脆、
冷而寒、味長汁多、除煩解○、又醸以為酒、甘於麹(麦が麥)米米、
善醉而易醒、道之而流涎咽唾 况(ここはサンズイ)親食之耶、
他方之果、寧有匹之者。

 

孟達に恋文を送る曹丕

 

翻訳:文帝陛下は諸臣に言いました。葡萄は酒に酔って眠り、二日酔いから目覚めてから喰うには最高だ。表面の露を飛ばして、口に放り込むと酸っぱくも無く、かといって甘すぎず調度いい、酔いも醒めシャキッとする。口触りも冷たく、そして噛んでいても甘みが長く続く。このようにして葡萄は体の熱をとってくれるのだ。

 

しかも、葡萄を酒にすると気分良く酔える上に、醒めるのもすっきりしていいものだ。嗚呼、考えるだけでも、よだれが出て喉を潤すようだ。葡萄を食べた事のあるものなら、この朕の気持ちが分かろう。

 

他所の国に、葡萄に匹敵する果物があるだろうか?

 

曹丕、葡萄をベタ誉め

曹丕に喧嘩を売る曹植と楊脩

 

このように、曹丕はスイーツの中でも葡萄を好んだ事が分かります。しかも、葡萄酒も飲んでいたようですね。この頃にはシルクロードから大量の葡萄酒が運びこまれたのでしょうか?

 

葡萄酒を飲み、漢詩を書く東西文化が融合した優雅な環境に、曹丕はいたんですねえ。

 

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三国志ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

調べてみると、実は曹操も葡萄に関する詩を残していて好物であり、暑さの厳しい時期に、二日酔いした時など葡萄の甘さは、ちょうどよい、称えるべきとても貴重なフルーツだと書いています。曹操も曹丕も二日酔いの酔い覚ましに葡萄を食べていたとは、やはり、仲は悪いとは言え、親子なんですね。

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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