編集長日記
北伐

はじめての三国志

menu

三国志の雑学

三国志時代の離婚や再婚問題はどうなっていたの?曹文叔の妻を紹介

この記事の所要時間: 439




 

現代でも、結婚した後の男女が、訳ありで離婚したり、その後に再婚したりすることもあると思います。

 

離婚理由としては、

「性格の不一致」や

「相手の浮気」や

「後で借金発覚」等

様々だと思います。

 

それでも、なんやかんやで再婚する場合もあります。

また、離婚しなくとも、夫に先立たれ未亡人となった妻が再婚する等というケースもあります。

しかし、逆に頑として一人身を貫くという方もいます。

このようなエピソードが、三国時代にもありました。

今回は三国志演義にて妻を残してこの世を去った曹文叔(そうぶんしゅく)と夫に先立たれた

その妻、夏侯令女(かこう れいじょ)のお話を御紹介します。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:【科学面や発明品から知る三国志】三国時代の発明品ってどんなものがあったの?




時は魏の後期・・・

 

三国志の中盤から終盤にかけて、魏王の権力は後継者に移っていきます。

曹操(そうそう)から始まって、

曹操(そうそう)→曹丕(そうひ)曹叡(そうえい)曹芳(そうほう)

というように移り変わっていきます。曹芳(そうほう)の時代では、

曹叡(そうえい)の時と同様、皇帝が幼かったため、

後事を周囲の重臣に託し、皇帝を補佐する形となりました。

曹爽(そうそう)の一派と司馬(しば)の一派、それぞれに託されました。




曹文叔とその妻は…

 

曹文叔(そうぶんしゅく)は夏侯令女(かこう れいじょ)を妻に迎えました。

夏侯令女(かこう れいじょ)は実は、名前が不明の人物であり、

字が令女(れいじょ)であると推定されています。

『三国志 諸夏侯曹伝』に引用されている皇甫謐の『列女伝』によると、

父親は魏の皇室と繋がる夏侯の姓です。

夏侯姓である彼女も曹操(そうそう)の父、

曹嵩(そうすう)つまり夏侯嵩(かこうすう)の血筋であることになります。

ただ、彼女と他の夏侯姓の人物との関係は定かではありません。

令女(れいじょ)は曹文叔(そうぶんしゅく)に嫁いだものの、

曹文叔(そうぶんしゅく)は早くに無くなってしまいます。

 

【PR】三国志の武将に特化したデータベース「はじめての三国志メモリーズ」を開始しました

 

再婚話を持ち出す父

 

令女(れいじょ)の父は再婚話を持ち出しますが、彼女は再婚を断り、

髪を切ってまで意思表示し亡夫のために貞節を守ったそうです。

髪を切ったというと、「えっ イメチェン? 美容院でも行ったの?」とか考えてしまいますが、

儒教国家の中国に置いて髪を切ることは、天より頂いた体を傷つけるという罪な行いであり、

当事者にとって相当ダメージがある行為なのです。

髠刑〔こんけい〕という髪を切る刑罰があるほどです。

当時の人にとって、かなりの抵抗のある行為でした。

それをあえてする程の意思だということです。

しつこく、縁談を持ち込もうとする父親でしたが、

令女(れいじょ)は今度は刀で自身の両耳を切り落として拒絶しました。

中国では、古くから刵刑〔じけい〕という耳切りを行う罰があり、彼女は女性ですので、

言うまでもなくこれも相当ダメージのある行為です。

父「どれだけ再婚したくないねん・・・・」

亡き夫のために忠節をつくす令女(れいじょ)でした。

 

司馬のクーデター

 

さて、一方の曹爽(そうそう)は腹心の何晏(かあん)の進言により、

司馬懿(しばい)を太傅に昇格させます。この太傅ですが、

実は権力の無い名誉職のようなもので自身が実権を握るための策略だったのです。

司馬懿(しばい)はその狙いに気が付いていました。

しかし、あえて様子を見ることにしました。

一方の曹爽(そうそう)達は権力を存分に使い、

皇帝と同等の生活を楽しむという横暴を振るっていたのです。

この目に余る行いを見た司馬懿(しばい)は曹爽(そうそう)の一派が狩りに出た隙に反乱をおこします。

そして、洛陽に呼び寄せると大将軍の印綬を奪い取り、一族を処刑します。

こうして、司馬懿(しばい)が実権を握りました。

 

関連記事:司馬懿を追い落として魏の政権を握った者達はどんな国家を目指していたの?

関連記事:曹爽討伐に成功後の司馬懿の対応が神ってる

 

曹家の終わり…?

 

さて、曹爽(そうそう)の一派は滅びましたので、これで曹家もほぼ滅亡というところです。

そうなれば、貞節も何もありません。

彼女が想い続けた曹家は無くなってしまいました。

令女(れいじょ)の父「ここまでくれば、令女(れいじょ)もまた見合い話を聞いてくれるだろう。」

令女(れいじょ)の叔父は、曹氏との姻戚関係を断ち切り、

無理やり令女(れいじょ)を実家に引き取りました。

そして、父は令女(れいじょ)が再び再婚話をもちかけました。

すると、今度は令女(れいじょ)もまんざらでもない様子。

これを見た父を初め家族一同が安心してほっと胸をなでおろすのでした。

ところが、令女(れいじょ)は家族の隙をついて今度は鼻を削ぎ落とし、

そのまま寝室に籠もってしまいました。

令女(れいじょ)はその後、母に血まみれの状態で発見されました。

中国古くからの刑罰である鼻切りは、言うまでもなく厳罰ですが、

彼女はあえて自分に対してそれを行いました。

 

令女の真意は

 

家族一同、令女(れいじょ)を再び問いただします。

家族「人がこの世で生きていくことは、

軽い小さな塵がか弱い草の葉の上に乗って漂っている様なものです。

誰であれそれほど重いもの等ではありません。

忠節はもちろん大事ですが、そんなに苦しんでまで守る忠節などありますか。

まして、曹家はもう根絶やしにされてしまったのだから、

いったい誰に対して義理立てしているのですか。」

その問いに対して、

令女(れいじょ)は泣きながら返答します。

令女(れいじょ)「『仁者は盛衰を以て節を改めず、義者は存亡を以て心を変えず。』と言います。

曹家が全盛の時ですら、二度と嫁ぐまいと思っていたのですから、

絶えてしまった今、なおさら曹家を見捨てることはできません。」

彼女の行為は、夫への忠節を守るためだけでなく、仁義を重んじた結果だったのです。

 

司馬懿が登場

 

司馬懿(しばい)は令女(れいじょ)の行いを伝え聞き、それに感動しました。

司馬懿(しばい)は令女(れいじょ)に養子を取らせると、

それを曹家の後継ぎとして育てることを了承しました。

このため、彼女は再婚をして志を失うこともなく、

曹家の人間として、曹家の後継ぎを育てることができるようになりました。

 

三国志ライターFMの独り言

 

古来中国では五刑という重い罰がありました。

五刑には大辟(死罪)・劓(鼻切り)・刵(耳切り)・

椓(宮刑 去勢する刑罰)・黥(墨刑 入れ墨の刑)があり、

いずれも非常に重い罰になります。

令女(れいじょ)はそれも自ら自身に対して行ったので、それほどの忠節と志があったのでしょう。

現代人ではここまでできる方はそれほど(全く?)いないと思われますので、

我々から見ると、想像を絶する意思の強さを持っていたのでしょう。

メインの話とはズレますが、彼女の意思を汲み取った司馬懿(しばい)のジャッジは、

登場人物皆が納得できるものでしたので、

それら全てを踏まえた司馬懿(しばい)の判断も素晴らしいと思います。

 

はじめての三国志アンケートはこちら

関連記事:司馬懿は大軍を率いていながら孔明にビビって逃走したってほんと?

関連記事:【軍師連盟】司馬懿は遼東遠征の時なんで大虐殺をしたの?

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

FM

FM

投稿者の記事一覧

三国志は、大昔の出来事ですが、物語をいろいろな視点や切り口で見ていくと、新しくて面白い発見があるのが好きです。

人物像や対人関係、出来事、時代背景、逸話等々、古い話とはいえ、学ぶべきところはたくさんあります。

埃をかぶせておくにはもったいない、賢人たちの誇りがあります。

関連記事

  1. 【蜀の運命を決めた人物】呉の大都督となった阿蒙ちゃんの決断が歴史…
  2. 被らないのは裸で歩くようなもの?中国人が被っていた冠は何?
  3. 羌・鮮卑・烏桓だけではない!南の異民族を徹底紹介
  4. 述志の令をもとに曹操の若かりし頃の夢を考察してみる
  5. 張郃(ちょうこう)ってどんな人?3度も死にそうになるが、何度も甦…
  6. 菫卓が死んだ後、長安はどうなったの?
  7. 【曹操孟徳の心に残る名言】法を制して自らこれを犯さば、何をもって…
  8. えぇぇ~!?あの孔明が劉備に対して怒りの仮病!?

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 諸葛亮孔明の軍事能力は実際に優れていたの?後半
  2. なぜ袁紹は小勢力の曹操に敗北してしまったの?原因は名士だった!?
  3. 91話:張飛の大手柄 蜀将の厳顔を味方にする
  4. 連環の計って、どんな作戦?
  5. 【マイナー武将列伝】賈詡は有名だけどご主人の張繍って誰?
  6. 【最終回 幻想少女】ここまで攻略プレイした感想を正直にお伝えします

三國志雑学

“広告募集"

はじめての三国志の書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

闕宣(けっせん)とはどんな人?勢力は小さくても強かった自称皇帝闕宣のイケイケ人生 51話:武将を惹きつける人間磁石 劉備玄徳 長友佑都の「アモーレ」発言!後漢の時代でも普通に使われていた?後漢にやってきたローマ使節 楽進(がくしん)ってどんな人?演義では地味だが正史では大活躍しちゃうよ? 【三国志の3大軍師を比較】孔明、周瑜、郭嘉の●●●ランキング! 【二人の歴史家】姜維の評価をした孫盛と裴松之が下した剣閣戦の評価 劉備も関羽もイスラム教徒?中東シリアで流れる三国志アニメ レッドクリフを100倍楽しむ!赤壁の戦いを分かりやすく徹底紹介!

おすすめ記事

  1. 孫権が帝を称した時なぜ蜀で孫呉との同盟破棄の言論が巻き起こったの?
  2. 人材を使いこなす事で天下を取った劉邦
  3. 三国志初心者の為の諸葛亮孔明ってどんな人
  4. 劉備と呂布を仲たがいさせよ!二虎競食の計
  5. クリスマスの日には三国志の人々は何をしていたの?
  6. 1話:中国最古の王朝 殷とはどんな国だったの?
  7. 【これは悲しすぎる】今や忘れさられた袁術の墓
  8. 【三国志マナー】あなたは大丈夫?間違うと首が飛びかねない!?三国時代のマナーを紹介!

はじさん企画

帝政ローマ
広告募集
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
PAGE TOP