三国志平話




はじめての三国志

menu

三国志の雑学

劉禅に忠誠を尽くした武人・張嶷の最後に心が震える

この記事の所要時間: 240




 

蜀の後期軍人や文官には人材が払拭しており、

代表的な人物なのは諸葛孔明の弟子である姜維(きょうい)

魏から逃れてきた夏侯覇(かこうは)などが蜀の代表的な人物ではないのでしょうか。

もちろんほかにも優れた人物がおりますが、

今回紹介する人物もあまりみなさんには馴染みのない人であるかもしれません。

劉禅に忠義を尽くして亡くなった張嶷(ちょうぎょく)

彼は動けない体を蜀のために燃やし尽くした人物です。

今回は劉禅に忠義を尽くした張嶷の最後をご紹介したいと思います。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:馬謖が山上に布陣しなければ第一次北伐は成功したの?




病によって任地を去る

 

張嶷は孔明が南蛮征伐を行った後も反乱を起こしている南方を統治するため、

南蛮地方の諸豪族を時に武力で従わせ、時に仁愛を持って従わせておりました。

その結果、南蛮地方で反乱は一切起きなくなり、

彼は南蛮の諸部族から大いにしたわれることになります。

しかし彼の病は日々の激務によって病に蝕まれてしまい、

任地を去らなくてはなりませんでした。

彼が任地をさる時には多くの民衆が彼を見送りに来て、

涙を流して彼との別れを惜しんだそうです。

こうして任地を去った張嶷は成都の自分の屋敷で、

病気を治すように沙汰がくだされることになります。




魏からの降伏者を迎え入れるべし

 

蜀・魏国境に近い狄道(てきどう)の長である李簡(りかん)という人物が、

蜀に降伏したいと願い出てきます。

彼の降伏の申し入れを聞いた蜀の朝廷は当初疑っておりましたが、

大将軍である姜維や張嶷の上奏が「彼の降伏を受け入れるべし」との意見であったため、

劉禅も彼らの意見を採用して李簡の降伏を援助するべく

軍勢を差し向けるように命令を下します。

 

北伐の真実に迫る

 

ボロボロの体を押して戦へ参加

 

張嶷は南蛮で病にかかってしまい成都で休養しておりましたが、

一向に病が治る気配を見せませんでした。

そんな中彼の耳に姜維が李簡の降伏を受け入れるため、

軍勢を率いて出陣するとの情報が入ってきます。

張嶷は劉禅に「私は国賊である魏軍と戦って命を終えたいと思います。」と上奏。

張嶷の上奏文を読んだ劉禅は涙を流しながら彼の意見を受け入れて、

姜維の軍勢に参加することを許可します。

 

劉禅に別れを告げる

 

張嶷は戦準備を終えると劉禅の元へ行き「陛下。私は先帝と陛下に格別に目をかけられて、

ここまで出世することができました。

病のせいで私が亡くなってしまえば、

陛下に御恩を返すことができなくなってしまうのが不安でたまりませんでした。

しかし今回大将軍の軍事に参加することができました。

そこで私の最後の勤めとして、此度の戦いで涼州を平定することができれば、

彼の地で守将として蜀を守っていきたいと思っており、

もし涼州を領有することができなくても我が一命を持って戦場で捧げたいと思います。」と

述べます。

この言葉を聞いた劉禅は再び涙を流しながら側近へ「張嶷こそ忠義の武人だ」と言って、

褒め称えたそうです。

 

徐質の軍勢と激闘するも・・・・

 

張嶷は姜維軍に参加して李簡を迎えに行きますが、

魏軍も徐質(じょしつ)に軍勢を与えて陣営を築いておりました。

張嶷は自ら軍勢を率いて徐質軍と激闘。

張嶷は戦いの最中に亡くなってしまうのですが、彼の軍勢は奮闘した後撤退します。

張嶷軍はかなりの損害を受けることになりましたが、

徐質軍が受けた損害は張嶷軍の倍の損害を受けており、

表面上は蜀軍を撃退し勝利を得まることに成功します。

しかし実質的な損害を考えるととても勝利とは言えないほどの

ダメージを負ってしまったそうです。

 

関連記事:もし姜維が魏に残り続けていたら蜀はどうなった?魏では出世できた?

関連記事:【二人の歴史家】姜維の評価をした孫盛と裴松之が下した剣閣戦の評価

 

三国志ライター黒田レンの独り言

 

レンはこれほど重態であるにも関わらず国から受けた恩を返す為、

重態である体を押して戦いに出た武将を知りません。

そのため蜀軍の後期の将軍達において彼こそ忠義の武人と言ってもいいのではないのかなと思います。

姜維も夏侯覇も諸葛噡(しょかつせん)も皆忠義の臣と言っていいのだと思いますが、

これほど鮮烈な忠義心を蜀で示したのは張嶷が初めてではないのかなと思います。

 

参考文献 ちくま文芸文庫 正史三国志蜀書 今鷹真・井波律子著など

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:孔明の北伐が成功したら三国志どうなったの?

関連記事:【姜維の北伐】実は「絹の道」シルクロードを奪って西域との貿易を考えていた

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

投稿者の記事一覧

横山三国志を読んだことがきっかけで三国志が好きになりました。
その後の日本史・中国史を学びました。
またいろいろな歴史小説を読んでおります。
現在はまっている歴史小説は宮城谷昌光氏の劉邦です。

歴史人物:

張遼、孟嘗君、張作霖など

何か一言:

今年も頑張ってはじさん盛り上げていくにゃー!!

関連記事

  1. 【おんな城主・井伊直虎を見逃した方へ】第26話「誰がために城はあ…
  2. 三国志時代の兵士の給料と戦死した場合、遺族はどうなってたの?
  3. 誰かに話したくなる!三国志にまつわる都市伝説『後漢・魏・呉・晋の…
  4. 【呉最強説】孫権率いるレッドな政権孫呉軍団の弱点ってあるの?
  5. 曹操ってもしかしてフェミニストだった?銅雀台の侍妾エピソード
  6. 三国志演義と蒼天航路で趙雲の噛ませ犬!可哀想な麴義
  7. 周舒(しゅうじょ)とはどんな人?預言書に記されていた「漢に代わる…
  8. 【目からウロコ】魏武註孫子は○○○として編纂された

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 大奥には入れ替えがあった?意外に知らない大奥
  2. 朱桓(しゅかん)ってどんな人?貴族出身なのに下の者には優しく記憶力抜群の呉の指揮官
  3. 三国志の時代に流行した超クールなスポーツ撃壌
  4. 郭淮の行動が司馬懿政権を崩壊させたかも知れないってほんと!?
  5. 土方歳三の趣味は俳句、どんな句を詠んでいた?
  6. 92話:劉備を徹底的に追い詰める張任

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" はじめての三国志コミュニティ総合トピック
“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

鄧艾(とうがい)ってどんな人?苦労人のド根性人生に迫る 誰かに話したくなる!三国志にまつわる都市伝説『後漢・魏・呉・晋の●●●』 五人で国を創るとしたら誰を選ぶ?三国志この五人でしょコーナー 袁紹の評価が残念な6つの理由 kawauso編集長のぼやきVol.16「はじ三に小難しい記事が載る理由?」 江川英龍とは?パンから銑鉄まで幕末のマルチ技術者を紹介 大改名!?中東でも放送されたアニメ『三国志』 王基(おうき)ってどんな人?軍事・政治で非凡な能力を見せた魏の武将

おすすめ記事

  1. 孫尚香はどちらがかわいい?アニメそれとも三国志?
  2. 徐晃(じょこう)ってどんな人?魏において、もっとも功績を挙げた無敗将軍
  3. 厳畯は魯粛の後任だった!知られざる実話
  4. kawauso編集長のぼやきVol.7「記事では書けないネタ」
  5. 黒田官兵衛の肖像画で頭巾を付けている理由がわかる!天才軍師・官兵衛の地獄からの生還
  6. いい部屋ネットが必要?三国志時代の家事情
  7. 蜀は古代から独立王国だったって知ってた?
  8. 【架空戦記】帝政ローマ軍と三国志軍が戦ったらどっちが勝つの?軍隊の編成や武器なども徹底解説

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“水滸伝"
PAGE TOP