大人気春秋戦国時代漫画キングダム、前回は、一見すると鉄壁に見える
亜光の王翦仕込みの鉄壁の防御陣の弱点を李牧が見つけ出し、
馬南慈に入れ知恵するという展開から、果たして、この先はどうなるのか?という所で
Gwの長いお休みに入りました。
一体、亜光の弱点とは何か?それを考える事で王翦の狙いが分かりました。
※この記事はキングダム557話のネタバレが含まれる記事ですのでご注意ください。
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前回記事:キングダム556話「王翦の守り」ネタバレ&レビュー
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この記事の目次
キングダム557話予想 亜光の弱点とは王賁
亜光の鉄壁の防御陣の弱点はズバリ王賁です。
簡単に言うと、こういう事です、数が少ない馬南慈はここで馬首を巡らし
玉鳳隊の背後に食らいつく事になります。
同時に趙峩龍と堯雲は亜光軍の身動きを止める為に突撃を開始します。
亜光にとって、王賁は自分を犠牲にしても守らないといけない存在です。
やむなく鉄壁の布陣を崩して玉鳳隊を救援に向かう事でしょう。
それは無敵の防御陣を自ら崩す事に繋がりますね。
焦る王賁ですが、前面の岳嬰と後の馬南慈に挟まれて絶対絶命になり
亜光軍の救援待ちになります。
ここに亜光から救援を託された虞寧が到着、馬南慈は壮絶な戦死を遂げますが
その犠牲として亜光軍は崩壊、亜光は戦死してしまうのです。
キングダム557話予想 勝利を確信する李牧、ここで大逆転
李牧は亜光を王翦がいなければ総大将を勤める器だと褒めていました。
実は、これは直感的に正しかったのです。
理由は、すでに朱海平原の指揮は王翦ではなく亜光が執っていたからです。
なんだか微妙に弱い亜光の指揮は、三軍を全て指揮していた為に起こる
力量不足によるものでした。
では、王翦はどこに行っていたのか?
実は、中央軍から精鋭を抽出して朱海平原を離脱し単体で閼与を攻め
すでに陥落させてしまっていたのです。
昔、合従軍編で李牧がやった咸陽攻略の意趣返しと取れます。
これで、朱海平原の勝ちはもらったと李牧が確信した途端に
趙の伝令が李牧に「閼与は王翦の手で陥落した」という一報が入り
李牧は、この大がかりな朱海平原の戦い自体が
王翦のフェイクである事を知り愕然として敗北を悟るのです。
奇策で王騎を討った李牧が奇策で敗れ去るキングダムファンの
カタルシスが満足させられるラストでしょう。
キングダム557話予想 王翦の真骨頂は神出鬼没
王翦の戦術は神出鬼没にあります、そこにいると思わせてそこにいない。
そこにはいないと思わせてそこにいるのが真骨頂なのです。
王翦は朱海平原の戦いが最終的に持久戦になる事を予測しており、
飛信隊を右翼に派遣した辺りで、すべての指揮を亜光に任せて
閼与に出発していました。
本来なら総大将が消えれば、戦術に支障を来すはずですが、
それを補って余りある才能が亜光にあるのは、李牧の発言で明らかです。
李牧は王翦との知恵比べをしているつもりでしたが、実は王翦の影と
手ごたえの無い計略合戦をしていたのでした。
これは李牧に計り知れない屈辱をもたらすでしょう。
キングダム557話予想 補給が繋がれば勝利条件が覆る
読者の中には「閼与を王翦が陥落させたから何なの?」という人もいるでしょうが
これは、何なのというレベルの話ではなく鄴を落とすよりはるかに価値があります。
かつて、秦は趙を攻略する為に閼与を攻めましたが、趙奢の前に敗れたからです。
閼与は、咸陽から繋がる補給路の重要拠点ですから、ここさえ手に入れば
鄴がいかに難攻不落でも何ともなりません。
そんなものは包囲して無視しておき咸陽からどしどし補給と兵を送り込み
邯鄲に向かう事も可能になるわけです。
元々、列尾を脆弱に造る事で王翦に補給路を放棄させ持久戦を強いたのが
李牧ですが、王翦はそれならと閼与を陥落させて補給路を復活させ
持久戦という前提条件を覆したわけです。
咸陽から無限に食糧が運ばれるようになれば、
趙軍の唯一のアドバンテージは全く粉砕されて終わりなのですから
その瞬間、李牧は敗北確定、鄴を放棄してさらに西に防御陣を組みなおす
このような方法しか取れないでしょう。
キングダム557話 話関節粉砕 ネタバレ
李牧が馬南慈に伝えた亜光の鉄壁の陣の弱点は王賁ではありませんでした。
馬南慈が狙ったのは、亜光軍の方陣と方陣を繋いでいる節で、
この節を砕く事により、亜光軍の陣は弾力を失い、それぞれの陣は、
連携性のない、小さな方陣に別れてしまい、各個撃破されてしまうのです。
弱点を突かれた亜光は、陣形を変えようとしますが、
そのわずかな隙を馬南慈が見逃すわけもなく、柵を使って騎馬隊を阻止する策も
陣中深く入り込んだ馬南慈には通用しませんでした。
馬南慈の突撃を合図に、堯雲軍、そして趙峩龍軍も亜光に襲いかかります。
一方、その頃、岳嬰を討ちに行った飛信隊ですが、
主君の慶舎を信に討たれた岳嬰の憎悪は、趙軍に乗りうつり、
飛信隊は思わぬ大苦戦を強いられるのです。
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キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言
問題は、血みどろの戦い全てが王翦の閼与陥落の為のフェイクにされた
飛信隊や玉鳳隊の「俺達って一体」という心象風景です。
直接に王騎の薫陶を受け「将に犠牲はつきもの」を知る信は納得するにしても、
特に王賁は、父王翦の非情な策の中に
「両副将を失っても次世代(王賁)が残ればプラス」という計算があった事に
自身が未熟であったという罪悪感と共に、激しい憎悪を感じるでしょう。
ですが、ここで虞寧が生き残った事がミソになります。
亜光より、はるかに饒舌な虞寧により亜光が王翦の非情な命令を承知の上で
動いていた事や、どんな状況であろうと勝利を掴むのが大将軍の責務である事を
王賁に遺言するように伝えられていた事を告げられるのです。
かつて王騎が言ったように大将軍への道は犠牲の道です。
亜光は次世代の大将軍、王賁の為に自ら望んで犠牲になりました。
これこそ、王家に仕える人間の矜持だったのです。
王賁はこれを契機に大将軍になるべき自分の宿命を逃げずに受け入れ
父を認めないながらも、独自に王家を率いる自覚を強めます。
言ってみれば、これを亜光が生き残って伝えるとすれば、
非常にわざとらしく白々しい展開になるでしょう。
あえて新参の古参、虞寧が亜光の遺言として伝えるから印象的になります。
ぶっちゃけ亜光が戦死するのは、この効果の為でしょうね。
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