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第5話:袁術くん「先延ばしの癖をどうすれば直せるのか」を学ぶ

2018年8月6日


 

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子供の頃、夏休みの宿題を先延ばしにしてギリギリまで手を付けなかったり、

定期テストに向けた準備をさぼって、一夜漬けで臨んだりした経験がある人は、

その習慣が大人になっても抜けない危険性があります。

そんな悩みを抱えている人はいませんか?

 

この記事を読み終わる頃には、

あなたは人生をポジティブに歩むことができる方法をひとつ手に入れています!

 

※このお話は、三国志に登場する袁術(えんじゅつ)公路(こうろ))が、

21世紀のビジネスシーンで支持されている様々な「自己啓発」のやり方を学び、

実践していく物語になっています。

やや、21世紀風のセリフ回しになっている部分はご了承ください。

 

関連記事:第1話:袁術くん、ポジティブになるために「リフレ―ミング」を学ぶ

関連記事: 第2話:袁術くん、将来に希望を持つために「自己肯定感」を高める

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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袁術くん、先延ばしの癖について張昭に相談する

 

袁術くんは、四世に渡り三公を輩出したという超超名門である汝南袁氏に生まれました。

父の袁逢(えんほう)は三公の中の司空に就いたことがありましたが、

すでに病没し、この世を去っています。

 

今日は袁術くんと同世代で、とても有能な人材であると注目を集めている張昭(ちょうしょう)くんが、

久しぶりに訪ねに来てくれていました。

張昭、字は子布、徐州彭城国の出身で、その才能を認められて20歳で孝廉に推挙されましたが、

洛陽にある朝廷には出仕しませんでした。

能力はとても高いのですが、驚くほどに頑固者です。

気が合わない相手に対してはあからさまに嫌悪感を態度に示します。

自らの権威や名声というものに対してもまったく興味を示しません。

 

ただなぜか袁術くんは張昭くんに気に入られているようで、

時々、こうして再会し、酒を酌み交わすのです。

 

「公路(袁術の)は最近、あの男に会ったようだね」

 

「あの男とは、誰のことかな。漢瑜(かんゆ)くん(陳珪(ちんけい)の字)になら先日会って、

リフレ―ミングについて教えてもらったところだよ」

 

「漢瑜だったら私も何度も会っているよ。私の言っている相手は、陶謙(とうけん)のことさ。

あの男は実に油断がならない。乱に乗じて勢力を得ようとしている野心家だ」

 

「子布くん(張昭の字)のことは、ずいぶんと褒めていたけどな」

 

「表と裏の顔のある男だ。言葉をそのまま信用しないほうがいい。

陶謙はいずれ、汝南袁氏の権勢も利用してくるかもしれないぞ。

注意するんだな。陶謙とは一体、何を話ししたんだい?」

 

タイムメネジメントの重要性や、そのコツを教えてもらったんだよ。

僕はどうも時間の使い方がよくわかっていなんだ」

 

「相変わらずのマイペースぶりだな。

そんなんで今後の過酷な政争劇に勝ち残っていけるのかい?

任されている政務は確実にこなせているんだろうね。

仕事のできない人間は周囲からの信用を失うぞ」

 

「タイムマネジメントについての教えを受けたんだけど、

なかなか実践できずに困っているんだ。

どうしても先延ばしにしてしまう癖が抜けないよ。何かいいアイディアはないかい?」

 

「まったく、公路は世話のかかる男だな。

よし、それじゃあ、先延ばしする癖を直す方法を教えてあげるよ」

 

どうして先延ばしをしてしまうのか

 

「まず、典型的な先延ばしする人の特徴だけど、

これは現状のストレスからの回避だよ。

忙しくて満足に取り組めない、その政務に価値を感じず面倒だ、そもそもその政務が好きじゃない。

そういったストレスから逃げるための行動だね」

 

「それが朝廷に仕える官吏の役目だとわかっているんだけど、どうも気が乗らないんだ」

 

「苦手な政務だけに、失敗することもイメージしているんじゃないのかい?

自信がないからこそ、問題を先送りにしている可能性もあるな。

特に完璧主義の人間はその傾向は強い」

 

「本初(袁紹の字)じゃあるまいし、僕は別に完璧主義者ではないよ」

 

「公路がそうでなくても、家柄がそれを要求しているかもしれないぞ。

四世三公のプレッシャーが、公路を知らず知らずのうちに追い込んでいるのかもしれない」

 

「叔父さん(袁隗)にも、そこまで期待されているようには感じていないんだけど」

 

「だからこそさ。公路は本初を見返したいという気持ちを強く持っている。

それが失敗することを怖れさせているのかもしれないな」

 

「以前に、義弟(ぎてい)楊彪(ようひょう))から自己肯定感を高めるために、

小さな成功を積み上げていくよう、アドバイスを受けたんだ。

それ以来、小さな目標を決めて、それをクリアして成功体験を積み上げているところだよ。

他人への感謝の気持ちも常に大切にしている。

少しずつだけど自分に自信がついてきている実感はあるよ。

孟徳(もうとく)くん(曹操(そうそう)の字)からも他人と自分を比較しない考え方を学んだからね。

本初のことはあまり気にしていないんだ」

 

「そうかい。じゃあ、面倒くさいことを先延ばしにする癖が残っているだけだろう。

だったら、簡単に改善する方法があるよ」

 

「ぜひ教えてくれよ」

 

先延ばしを改善する方法

 

「先延ばしを改善する方法は、まずやってみるってことさ」

 

「子布くん、それはとても当たり前のような話じゃないかい?」

 

「それがそうでもないんだよ。

タスクをきっちり完了させる必要があると思い込むから、面倒に感じるんだ。

私の言う、まずやってみるは、まず5分やってみることさ」

 

「5分だって?そんな短時間で終わる政務なんてないよ。

それで終わるんだったら、僕も先延ばししたりしないだろう」

 

「人間には作業興奮という作用があるんだ」

 

「作業興奮? 初めて聞く言葉だけど、なんだい?」

 

「まず、5分ほど手を動かしてみる。別に嫌々でも構わないのさ。

すると脳の側坐核が刺激されて、ドーパミンが分泌される」

 

「ドーパミン?」

 

「ああ、神経伝達物質のひとつで、やる気を高めてくれるんだ。

すると最初は嫌々だったのに、どんどんはかどるようになるんだよ」

 

「確かに、面倒臭いけど、机上の整理をしていたら、

いつの間にか部屋中の整理整頓をしていた経験はあるよ。

それもドーパミンの仕業なのかな」

 

「そうさ。だから試しに5分やってみるのは、

先延ばしの癖のある人には効果的な方法なんだ」

 

「そうなんだ。知らなかったよ」

 

「他にもタスクがここまで進んだら、休憩をとる、美味しいおやつを食べる、

お茶を飲む時間を作るといった、ご褒美作戦も有効だね。

適度にリフレッシュを挟むことで、人のやる気は高まるからね」

 

まとめ

 

「子布くんのアドバイスは具体的で、すぐにできそうなことばかりだね。

とても参考になったよ。

どんなに嫌な政務であっても、面倒に感じる日があっても、まずは5分やってみるよ」

 

「ああ、公路には頑張ってもらわないとな。

ただでさえ、黄巾の乱や疫病、災害などで、社会は荒廃していく一方だ。

この先、公路のように権力を持ちながらも、

周囲のアドバイスにしっかりと耳を傾けられる人材は貴重だよ」

 

「あいにくと僕にはそんな権力はないんだけどね。

誰にでもできる政務を担当しているのが関の山さ」

 

「成功できる人間に必要なのは、才能じゃない。

自らの成長を追求し、やり抜く力だよ。これには謙虚さが欠かせないのさ。

公路には謙虚さがある。だからこれからまだまだ成長していくことはできるはずだよ」

 

「子布くん、キミとの友情に感謝するよ。今日の日記の内容はもう決まったな」

 

「公路、キミは自分で思っているよりも実に面白い男だよ」

   

先延ばしの癖の治し方の結論

 

・なぜ先送りしてしまうのか

1)面倒、嫌だというストレスから逃げるため。

2)完璧主義で、周囲に失敗した姿を見せたくないため。

 

・先送りする癖を直す方法

1)まずは5分ほどやってみる。すると作業興奮によって順調に前に進む。

2)リフレッシュする時間を挟み、自分のやる気を高めていく。

 

袁術くんの成長日記

 
 

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