【三国志平話】諸葛亮が鬼謀神算じゃなくて親しみやすい


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孔明

 

三国志演義(さんごくしえんぎ)の中で、忠臣で天才で働き者で廉潔(れんけつ)で能弁で発明家で妖術使いで

おまけに背まで高いスーパーチートキャラの諸葛亮(しょかつりょう)

常になんでもお見通しで不可能なことはないんじゃないかと思えるほどの鬼謀神算(きぼうしんさん)描写には

若干やりすぎ感があり、それでアンチを増やしてしまっているのではないかと疑念が沸くほどです。

三国志演義より前に刊行された「三国志平話(さんごくしへいわ)」では、諸葛亮はさほど鬼謀神算ではなく、

人間らしくて親しみやすいキャラクターとなっております。

 

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三顧の礼で悩む、うぶな諸葛亮

三顧の礼で悩む、うぶな諸葛亮

 

参謀に恵まれずうだつの上がらなかった劉備(りゅうび)が、評判高い諸葛亮を自分の幕下に加えるために

三度も諸葛亮の住まいを訪れたという、三顧(さんこ)の礼。

三国志演義の中では最初の二度の訪問時には諸葛亮は留守だったことになっており、

三度目の訪問で初めて登場した諸葛亮がさっそく劉備に天下三分の計を授けています。

三国志演義の諸葛亮は堂々として自信に溢れています。

 

三国志平話では、最初の二回は居留守を使ったことになっていまして、

劉備を追い返しておきながら諸葛亮が悩むシーンがあります。

「私はいったいどれほどの者で太守(劉備)に何度も訪問させているのだろうか」

亮さんも自分に自信がない時があるんですね。キュン。

 

なかなか劉備を迎え入れなかったことについては、三国志演義では門番の童子に向かって

「どうして早く知らせなかったのだ」と叱りつけている諸葛亮ですが、

三国志平話では劉備に向かって

「私の過ちではありません。童子が知らせに来なかったのです」と言い訳しており、

すすすいません、あわわわ、ってなっている感じがして可愛いです。

 


 

呉の人士との舌戦に勝てず剣を抜く

呉の人士との舌戦に勝てず剣を抜く孔明

 

赤壁の戦いが始まる前、曹操(そうそう)への降伏か抗戦かで悩んでいる呉に乗り込んで

抗戦に駆り立てた諸葛亮。

三国志演義の中では降伏派の人士を弁舌でやり込めてぐうの音も出ないようにしておりますが、

三国志平話では弁舌で勝つことができず、

たまたま来合わせた曹操からの降伏の使者を斬り殺してむりやり合戦に持ち込もうと画策しています。

知恵で行き詰まって暴力に訴えるという泥臭さは、とても人間味に(あふ)れています。

 

【はじめての三国志平話】
三国志平話

 

関羽が曹操を逃がしてしまうシーン--三国志演義の場合

関羽が曹操を逃がしてしまうシーン--三国志演義の場合

 

三国志演義には、赤壁の戦いに敗れた曹操を捕らえるために待ち伏せをしていた関羽が、

かつて曹操から受けた恩義にほだされて曹操を見逃してしまうシーンがあります。

関羽が諸葛亮から待ち伏せの任務を受けて出て行くと、劉備(りゅうび)は諸葛亮に対し、

関羽は義理堅い性格であるから曹操を逃がしてしまうのではないかという心配を口にしました。

そのとき、諸葛亮はこう答えています。

 

「天文によれば、今はまだ曹操の命運が尽きる時ではありません。

雲長に曹操への情を尽くさせる機会を与えただけです。これもまた美しい事です」

 

三国志演義の諸葛亮は、関羽が失敗すると分かっていて任務を与えているんですね。

関羽はやる気満々で任務に赴いたものの、思いがけないほど弱気な命乞いを聞いて

気持ちが揺らぎ、曹操からの恩義も思い出され、任務と恩義の板挟みになって

苦悩した末に曹操を逃がします。

 

関羽にこんな苦悩を味わわせることにはお構いなしの三国志演義の冷徹諸葛亮。

関羽がしょんぼりと戻ってくると、諸葛亮は軍令違反の罪で関羽を処刑しようとし、

劉備のとりなしで処刑をとりやめます。

このパフォーマンスは、関羽がこれから終生諸葛亮に頭が上がらないようにするための策ですね。


 

関羽が曹操を逃がしてしまうシーン--三国志平話の場合

関羽が曹操を逃がしてしまうシーン--三国志平話の場合

 

三国志演義の諸葛亮は上に書いたように鬼謀神算すぎる冷徹キャラですが、

三国志平話では違います。

三国志平話では、関羽はちゃんと曹操を追撃していて、

砂埃(すなぼこり)で曹操を見失ったために逃げられてしまっただけです。

関羽が曹操を取り逃がしたことを知ると、諸葛亮はこう言っています。

 

「関将軍は仁徳の人です。かつて曹操から受けた恩義を思い出して逃がしてしまったのでしょう」

 

三国志平話の関羽は恩義にほだされずちゃんと任務を執行していますので、

この諸葛亮は関羽のことを分かっていない、鬼謀神算とは真逆の凡人です。

三国志演義で関羽の情の深さを逆手にとって関羽をコントロールしようとした諸葛亮と比べると、

三国志平話の諸葛亮はずいぶん生ぬるいです。


  

 

三国志ライター よかミカンの独り言

三国志ライター よかミカンの独り言

 

三国志演義の執筆を担っていたのは、官僚採用試験である科挙(かきょ)

受験していたような階層の人たちです。

科挙の考査は国に都合のいい学説を採用していますので、

科挙を受験しているような人たちは国家への忠をものすごく大事にするという価値観に

染まってしまっています。

 

そのため、古来忠臣として名高い諸葛亮を物語の中でもスーパーヒーローにするために、

なんでもお見通しの鬼謀神算キャラとして描いています。

諸葛亮超クール! と言いたかったのでしょうけれども、ちょっとやりすぎで

腹黒い冷徹(れいてつ)な人のようにも見えてしまい、ファンを逃しかねない書き方になってしまっています。

 

私は三国志平話の素朴な亮さんのほうが親しみやすくて好きですが、

皆様はどうお感じになりましたでしょうか。

いろんな作品を読み比べて、自分好みの最高の諸葛亮像を探してみるのも楽しいかもしれません!

 

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