大人気春秋戦国時代漫画キングダム、第608話では、李牧は王翦のスカウトを断り戦いは再開されました。
しかし、赤大鶴陣なんて言って仰々しく陣形を展開したにも関わらず、王翦軍と李牧軍は特に陣形勝負をする事なく普通に激闘して互角。
そして、王翦は飛信隊がやってくる事を期待し、李牧は逆に秦軍の右翼がやってくる事はないと高を括ってしまいます。
朱海平原の戦いは、結局飛信隊だのみになりました・・・
一体、数話に渡って繰り広げられた陣形合戦は何だったのでしょうか?
今回は、あの赤大鶴陣は何だったのかについて考えてみます。
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この記事の目次
キングダム最新609話ネタバレ予想「赤大鶴陣を描いた理由は?」
紙面を数週に渡って費やし、秦兵を大ゴマでぐるぐる回転させ趙と秦と読者の視線を釘づけにして完成した仰々しい赤大鶴陣。
しかも、倉央の言では、李牧の陣は完成していないので、今攻めれば有利に戦えるとまでされた赤大鶴陣。
ところが、折角のチャンスは、王翦が李牧スカウトに時間を取った事でどうやら水泡に帰したようです。
スカウトが決裂してから同時に始まった戦いでは、李牧の大鶴陣も王翦の赤大鶴陣も互角で、王翦に大きなアドバンテージはありません。
これ以上の決定打がないからこそ、王翦は涼しい顔をして、「あとは飛信隊をまつばかり」と言っているのでしょう。
では、鳴り物入りで編成した赤大鶴陣は何だったのでしょうか?
ここでkawausoは少ない脳みそを振り絞り王翦の赤大鶴陣は何だったのかについて4つの仮説を立てました。
①李牧と王翦は同等の能力を持つ事を強調
②王翦凄いエピソードを入れたかった
③本能型と知略型の壁を曖昧にしたかった
④兵力差を縮めるショートカット
ここからは、この4つの可能性について解説してみます。
キングダム最新609話ネタバレ予想「李牧と王翦は同等の能力を持つ事を強調」
第一に考えられるのは、赤大鶴陣の威力などは大した問題ではなく、知略型なのに麃公の本能型の戦い方を学習して
カウンター陣形を習得した李牧に対し王翦は同等、或いはそれ以上である事を読者に強調すべく赤大鶴陣なる陣形を王翦に造らせたという事です。
一定の習得期間を経て、本能型の武将にしか使えないカウンター陣形(漫画では起こりと言っていましたが)を習得した知略型の李牧に対し、
同じく知略型の王翦は、それを見ただけで模倣できるようになりました。
これは、李牧の能力を王翦が大きく上回るという暗示であり今後の戦いで、王翦が李牧を撃破する伏線になるという事でしょう。
実際には本格的な陣形戦に入るつもりはなく、
※どちらもカウンター陣形が使えるので、そもそも陣形戦なんか出来ない
それは、李牧も王翦もどちらも凄いという一つのアイコンだったのです。
キングダム最新609話ネタバレ予想「王翦凄いエピソードを入れたかった」
鄴攻略戦は、すでに連載開始から二年を超えており、序盤で王翦が見せた戦略や戦術は過去のモノになっています。
最近になってキングダムを読み始めた読者にとっての王翦は、
「この仮面のオッサン、ひたすら自分は幕舎に籠って、飛信隊やら玉鳳隊にプレッシャーをかけまくってるけどなんなの?」
こんな身もふたもない疑問で一杯ではないかと推測します。
そこで、名将王翦の凄さをもう一度、読者に思い出してもらう為に、赤大鶴陣を設定し、
数万の兵力を自在に操る王翦スゲーにつなげたのではないでしょうか?
さらに総大将自ら、トリッキーにも敵軍の総大将李牧を誘うというパフォーマンスで初見の読者にも、
仮面のオッサンは本当は凄いんだそんな印象を読者に与えた事でしょう。
キングダム最新609話ネタバレ予想「本能型と知略型の壁を曖昧にしたかった」
キングダムには大勢の知略型と少数の本能型キャラクターが存在します。
本能型は麃公や信、慶舎など極少数で、あとは知略型という括りです。
一応、廉頗のような老練な武将は知略型と本能型の特徴を併せ持つという説明は入っていました。
しかし、信の本能型を強調するあまり、漫画ではいつのまにか知略型と本能型は、どちらか一つしか持てないという
不文律が出来てしまいました。
やはりキングダムの設定上、それはマズいという考えがあったのでしょう。
それは、信の能力があがるにつれて、敵はより強い者が登場するわけで知略型や本能型でキャラクターを固定してしまうと
登場させる敵キャラに自ら縛りをつけてしまう事になるからです。
これを合法的に解除する為に、天才李牧が学習によって本能型の能力を体得できるという話を造り、
さらにそのカウンターとして、王翦は見ただけで本能型を体得できるという話も生み出したのです。
すでに李牧と王翦が知略型と本能型の壁を超えてしまった以上、これから登場するであろう
司馬尚や項燕のような敵キャラは、当たり前のように知略型と本能型の能力を使い分けるでしょう。
キングダム最新609話ネタバレ予想「兵力差を縮めるショートカット」
赤大鶴陣が出現した4つ目は、兵力差を縮めるショートカットです。
李牧軍はおよそ5万に対し、王翦の軍は3万人で2万のハンディがありました。
普通に両軍が激突しては、この2万人の兵力差を誤魔化すのは無理です。
さすがにこれだけの兵力差を王翦軍の奮闘という月並みな手法でゼロには出来ないので、
作者は2万の兵力を一瞬ですり減らすような大ネタを求められたのです。
そこで考えたのが赤大鶴陣に至るまでの陣形の混沌です。
雷伯が得意とするカウンター陣形を逆に王翦が活用する事で、李牧本隊の壁になっていた雷伯の兵力を大幅に削る事に成功しました。
これにより、兵力差をトントンに近づけておいて、あとは李牧と王翦の戦いは互角で、後の勝敗は飛信隊が趙軍左翼を撃破できるかどうかに
掛かっているみたいな方向にシフトする事が出来ました。
キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言
kawausoの考えでは、赤大鶴陣はただの見せかけであり、作者の本当の狙いは、
①李牧と王翦が力において対等である事を印象づけ②長らくポンコツ状態の王翦に凄いエピソードを入れて、
③本能型と知略型の垣根を取り去り、④李牧軍との2万の兵力差を無理なくゼロに近づけるだったと思います。
さすがは緻密な計算でキングダムを展開している作者ですね。
読者の皆さんは、王翦の赤大鶴陣にはどんな意味があったと思いますか?
参考文献:史記白起王翦列伝
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キングダムについて、あーでもないこーでもないと話がしたい人は是非、コメントを書き込んでもらうと嬉しいです。
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