キングダム611話合併号SPネタバレvol3「秦vs六国の戦いは紀元前のグローバリズム戦争」


 

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キングダム 戦国七雄地図

 

大人気春秋戦国時代漫画キングダム、現在は中華統一を目指す秦王政(しんおうせい)と、それを阻止しようとする李牧(りぼく)の激闘が続いています。

しかし、秦王政はどうして中華を統一しようとしているのでしょうか?

漫画的には、法の下の恒久的な平和を求めてという事でしたが、先入観を取り払うと、そこには中華をグローバリズム一色に塗り込めようとする秦と、

自国の文化と慣習を守ろうとするインターナショナルな六国との戦いが見えてきます。

キングダムの物語は、紀元前のグローバリズムvsインターナショナリズムの最初の激突の物語だったのです。

 

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キングダム611話合併号SPネタバレvol3「春秋戦国時代はインターナショナルの時代」

長安(俯瞰で見た漢の時代の大都市)

 

漫画キングダムを読んでいると、疑問に思う事があります。それは、どうして中華を統一する必要があるのだろう?という事です。

確かに、周王朝の没落に合わせて、中華は戦乱の時代を迎えて、七百を数えた小国が淘汰によって七国にまとまっていくのは分かりますが、

それでも、七国は頻繁に外交活動も経済活動も行い、人も物の移動も自由に行われている事が分かります。

呂不韋

 

秦の丞相になった呂不韋(りょふい)は、戦乱の時代にあっても縦横無尽(じゅうおうむじん)に商いをして財を為しその金で秦王政の父である子楚をバックアップして

秦でのし上がった人物であり、漫画では中華の統一を唱える秦王政に対して、大量に血を流すだけの理想主義と統一に否定的な観点を述べていました。

春秋戦国時代は、戦争を繰り返していたとはいえ、交流は活発であり、中国の社会はインターナショナル(国際的)であったのです。

 


 

キングダム611話合併号SPネタバレvol3「秦はグローバリズムを標榜する国家」

秦の旗を掲げる兵士

 

しかし、中華で覇を競った七国の中で秦だけが異質な国でした。

秦は新興国であり、また中原から外れた国であり、文明の遅れた国として周辺国からも蔑視(べっし)されていました。

めぼしい人物は、皆、中原の国である晋や経済が進んだ斉に行きたがり、秦に来る人材は、罪を犯して他国では出世が絶望的な連中ばかりでした。

 

ところが、そこに商軮(しょうおう)という天才が流れてきて法家を基礎とした国家改造をして秦はグローバリズムを標榜(ひょうぼう)する国へと変貌していきます。

グローバリズムとは汎地球主義を意味し、キングダムの時代に当てはめると中華を全て、秦の制度に塗り替える事を意味していました。

それまでの、例え一国が一国を征服しても間接的な統治で済んだ時期とは全く異質な秦に六カ国は恐怖したのです。

 

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キングダム611話合併号SPネタバレvol3「合理、単一、集中型の秦」

曹仁と曹操

 

商軮の改革は商君の変法と言いますが、それは何かというと全体主義です。

これは、それまで秦に蔓延(はびこ)っていた貴族支配や、無駄の多い行政を一掃し、王に直結する効率的な行政機構を造り、それまであちこちに散っていた

人民の力を集中的に活用する事を求めた方法でした。

 

どんな事をしたかと言えば下記の通りです。

 

①戸籍を作成して隣組を設置、告発と監視を義務付け連帯責任を課す

②男子は農業、女子は機織を奨励、ノルマを課し成績の悪いものは奴隷に落とす

③全国の集落を県に分け、令、丞を置いて中央集権を徹底する

④井田を廃止して田地の区画整理を行う

⑤度量衡を統一

 

こうして、秦の支配地域、隅々に商軮の変法が浸透した結果、秦は画一的で合理的・機能的な社会になり、無駄が多い他国に比較しても

大きな生産力を生み出せるようになりました。


  

 

 

キングダム611話合併号SPネタバレvol3「李牧の危機意識はグローバリズムへの警戒」

白起(春秋戦国時代)

 

六国が秦を恐れたのは、秦が他の六国を容赦なく滅ぼす気満々だったからです。

例えば、キングダムでは秦六大将軍の一人である白起(はくき)は、楚世家によると、紀元前278年、楚の都であった(えい)を抜いて、王の墓を焼き払っています。

 

それがどうしたの?と思うかも知れませんが、これは大事件でした。

これまで、七国は戦争をしても、他国の王の墓を焼き払う事はなかったのです。

白起のやった事は、秦は他の六国の存在を許さぬという意思表示でした。

李牧

 

キングダムで李牧が、秦王政の中華統一に強い危機感を持っていましたがそれは漫画的な表現ばかりではなく、リアルな危機感だったのです。

 

キングダム611話合併号SPネタバレvol3「秦の支配を拒否した上党」

 

また、秦以外の領地でも秦の支配を嫌ったらしい逸話があります。

紀元前260年、秦は韓の領土であった野王(やおう)を討ち、その結果、韓の領地であった上党(じょうとう)は、飛び地になり孤立化しました。

このような場合、そのまま秦に降伏しそうなものですが上党の守だった馮亭(ふうてい)は民と話し合った結果、秦ではなく趙に降って秦を激怒させれば、

困った趙は韓と同盟を結んで秦に対抗する筈だと考えて趙に降ります。

韓信

 

趙では、受け入れるべきという意見と受け入れてはならないという意見がありましたが結局、趙の孝成王(こうせいおう)は上党を受け入れて、

馮亭を華陽君(かようくん)としています。

それを知った秦は激怒して、秦は左庶長(さしゃちょう)王齕(おうこつ)を送り込んで韓を攻めて上党を陥落させますが、よほど、秦の支配を嫌がったのか

上党の民は、趙に向かって逃亡します。

兵士 朝まで三国志

 

趙は、上党の民を救援する為に長平に軍陣を敷いて、これを迎えます。まさに、これこそ穴埋めで悪名高い長平の戦いの切っ掛けなのです。

しかし、秦による虐殺があった形跡もないのに上党の民は、どうして秦の支配を嫌がり故郷を捨ててまで逃げたのでしょうか?

ここには、画一的で合理的・機能的、効率追求で血の通わないグローバリズム的な秦の支配を上党が嫌ったのではないかという推測も出来ます

 

キングダム611話合併号SPネタバレvol3「合従軍はインターナショナルの集結」

三国志のモブ 反乱

 

秦が強大化した結果、六国は合従軍(がっしょうぐん)を組んで秦に対抗します。

史実では、紀元前318年を最初に、紀元前298年、紀元前247年、紀元前241年の四回がカウントされています。

それは、秦のグローバリズムで六国を飲みこもうという秦と、独自の文化と習慣を墨守しようとしたインターナショナルな六国との

激闘の軌跡という事も出来るでしょう。

張良と始皇帝

 

結果として、六国は秦に滅ぼされ、中華は秦化というグローバリズムに征服されますが、急激すぎたグローバル化は

六国の伝統文化の反発を招き始皇帝の死によって、その矛盾が噴き出したともいえるのです。

 

キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言

 

漫画キングダムを史実の点から、大胆に解釈し、秦(グローバリズム)と六国(インターナショナル)の対決としました。

インターナショナルとは国際化であり、それぞれの国が文化を保持しながら交流する事、グローバリズムとは汎地球化ですが、

地球という国がない以上は、これはグローバリズムを標榜する国のシステムに世界が一色に塗り込められる事を意味しています。

 

秦の中華統一により、中国は度量衡が統一され、道路が全土を結び、漢字も統一されて一つの中国が出現しますが、

それと同時にグローバリズムに淘汰された文化も存在した事でしょう。

参考文献:史記白起王翦(しきはくきおうせん)伝 楚世家(そせいか)

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コメント

  • コメント (1)

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    • 匿名
    • 2019年 8月 19日

    秦国の異質さと、他国を徹底的に駆逐するキチガイ国家として見られたのかもな、そりゃ怖くなり6カ国で同盟結ぶわな




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