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河了貂との問答で敗北を悟る
焦りと怒りと復讐心の嵐の中で金毛が見出した飛信隊の弱点こそが、すべての作戦を立案している河了貂を殺す事でした。金毛は、部下が止めるのを押し切り飛信隊の動きを止める最上の策として十騎足らずの小隊で、河了貂に奇襲をかけて成功。馬で逃げようとするテンちゃんの左肩に矢を命中させて落馬させ、さらに右手を矢で射抜いて、ほぼ抵抗不能な状態に追い込みます。
「こんな小娘のせいで慶舎様や岳嬰が殺された」とかなり河了貂を過大評価している金毛ですが、怒りはMaxです。
しかし全てはここまででした。運よく、金毛一隊が戦場をすり抜ける様子を見ていた弓矢兄弟は小隊を率いて金毛の後を追い、河了貂を救助します。
正確には、蒼仁は弓が折れてしまい馬に体当たりするなど命を張って窮地に陥りますが、それを見たアオタンが「お兄ちゃんを傷つけるのは許さなーい」とベタ覚醒をしてレーザービームのような剛弓で、金毛の小隊全員を射殺したのです。自分1人になっても、河了貂を殺そうとした金毛は、鎧の的みたいな鏡部分を矢で射抜かれて落馬しました。
アオタンに手柄を与え死ぬ
しかし、矢で胸を貫かれた金毛はまだ死んでいませんでした。なんとか半身を起こして、「お前達のようなガキが戦場に夢を見るから戦乱はおわらない」と命を賭しての説教を開始します。なんだか説教を開始すると髪型のせいか金八じみて見えてきました。
それに対し、また口喧嘩では誰にも負けないテンちゃんが反論。ここで水掛け論になりそうでしたが、河了貂は立場の違いで、どの道、口論は平行線を辿ると認めた上で「だから、負けた人間の思いまで信は背負っていく」と発言します。
その瞬間に金毛は自分達の負けを確信しました。金毛にしろ慶舎にしろ、李牧にしろ考えているのは味方の生き残りです。死んでいった敵は間違っている存在であり、その思いを背負いはしません。この考えでは、永久に秦は間違っている虎狼の国です。しかし、河了貂にせよ信にせよ、この若い世代は敵も味方も、戦いで傷つき死ぬ、全ての人間の思いを背負って中華統一に邁進している。敵味方を明確に区別する古いタイプの自分達に勝てるわけがないと確信したのです。
ただ、それでも祖国に殉ずることを決めた金毛は刃を捨てようとはせず、趙、そして李牧の勝利を願い河了貂に刃を振り下ろします。ところが漫画では金毛は横目で、アオタンが矢をつがえているのを見ています。本当はもう河了貂に殺意はなく、蒼淡に手柄をくれてやる為に刃を振り下ろしたのでしょう。次の瞬間には蒼淡の矢が金毛の顔を貫き堂々たる戦死を遂げました。
キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言
熱い男、金毛の最期について解説しました。キングダム618話は表の主役はアオタンですが、裏の主役は金毛でした。黒羊以来、金毛の中でわだかまっていた全てが618話で全て氷解したのです。その堂々たる最期に、少なからずキングダム読者は感動したと思います。
参考文献:始皇帝中華統一の思想 「キングダム」で解く中国大陸の謎
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