キングダム629話合併号SP「王翦と桓騎は蒙驁に懐いていた理由?」


 

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キングダム56巻

 

ご存知の方も多いでしょうが、1月16日のヤングジャンプは合併号なのでキングダムもお休みです。そこで、はじ三でも合併号SPとしてお送ります。

白髭(はくぜん)の老将として、多くの部下を育て合従軍(がっしょうぐん)編を最期に病死した蒙驁(もうごう)将軍。王騎(おうき)のようなレジェンドにもならず最近では信の背後霊として姿をみた程ですが、この蒙驁将軍、秦でも随一の曲者(くせもの)である王翦(おうせん)桓騎(かんき)を配下に従えていた人なのです。

どちらも人を人とも思わない点で共通している桓騎と王翦は、どうして蒙驁には(なつ)いていたのでしょうか?

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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キングダム合併号SP「身分で人を差別しない」

敗北する桓騎

 

第一に桓騎が蒙驁にだけは敬意を払っていた理由から考えてみましょう。

蒙驁の特徴として、特権意識を振りかざさないという点があります。考えに行き詰まると兵卒に扮装して陣営を歩き回るという癖があるように、身分にしがみつき、庶民を見下すような素振りが一切ありません。

実際に蒙驁の配下にも、郭備(かくび)という信同様に下僕から登用された真面目な千人将がいました。同時に占領地で乱暴狼藉(らんぼうろうぜき)を繰り返した乱銅(らんどう)という千人将も蒙驁の配下でした。信は、乱銅の乱暴狼藉に耐えられず、制止しようとして逆上した乱銅に斬り掛かられますが、これを返り討ちにして重傷を負わせました。

 

これも、蒙驁が清濁併(せいだくあわ)せのむ度量がある証で、乱銅と大して変わらないモラルしかもたない桓騎が蒙驁に敬意を払った理由と考えられます。

秦には逆に、張唐(ちょうとう)のようにエリート意識丸出しで、桓騎を元野盗と見下す老将もいましたが、それに対しては桓騎は嫌悪感(けんおかん)を露わにしていました。このあたりを総合すると、蒙驁の陣営では桓騎は差別されず自由に振る舞う事が出来たので、段々と蒙驁を尊敬する態度を取るようになったのでしょう。

 

キングダム合併号SP「慎重にも慎重を期す性格」

王翦

 

かつては蒙驁軍に所属した王翦の口癖は、「私は絶対に勝てる戦いにしか興味はない」でした。王翦は同族の王騎と違い、戦いにロマンを求めず、できるだけ汗をかかずリスクを負わず、楽に勝てる方法を選ぶという西武ライオンズの森元監督のような人物です。

だからこそ、王騎同様に戦いにロマンを求める廉頗は王翦をつまらん男と切り捨てていますが、蒙驁の戦い方も常勝とは言えないまでも負けないように戦うつまらないものでした。

 

うろたえることはない奴の前ではいつでも儂は“敗者”だ

 

これは、天敵である廉頗を前にした時の蒙驁の心の声ですが、さらに蒙驁は

 

儂はお主の賢さを逆手に取る!!

桓騎

 

として、何十年も考え続けた対廉頗の戦術を実行に移しています。

結果として、練りぬいた策も廉頗には通用せず、廉頗と一騎打ちに臨んだ蒙驁は、片腕を吹き飛ばされる重傷を負いますが、その間に配下の桓騎が魏の大将格の白亀西(はっきさい)を殺し、勝負には負けて、戦争には勝ったという形になります。

この決して、カッコイイとは言えないまでも、ベターな勝利を掴んで戦歴を積み重ねるしたたかさを王翦は尊敬し、その配下にいたのかも知れません。

 

キングダムネタバレ考察

 

キングダム合併号SP「将来を見通す目と謙虚さ」

陳平

 

蒙驁は、そのしょっぱい勝ち方が多い事から凡将のレッテルを貼られましたが、一方で時代の流れを敏感に読み、これから伸びるであろう将を見出す能力に長けていました。六大将軍の時代が終わった事を受け入れられず、闇雲に荒ぶる老将廉頗に対し、信のような次世代の人間が育ちつつある事を告げ、もう隠居しろと告げたり、いよいよ臨終の間際にも

 

蒙恬と信と王賁三人で一緒に高みへ登れ

蒙恬

 

と遺言しますが、これはこの3人が将来の秦を牽引していくのを確信しての事です。

さらには、桓騎も王翦も蒙驁軍から出て一軍を構えていますし、蒙驁の将来を見通す目は確かであり、沢山の人材を秦に供給しました。

一方で蒙驁は、手柄を立てても尊大さとは無縁で、老将には老将にしか務まらぬ役目があるとして分限をわきまえ、自分が出来る事を丁寧に着実に進めていきました。このような蒙驁であればこそ、秦国内に敵を造る事もなく白髯の老将として天寿を全うしえたのでしょう。

 

キングダム合併号SP「自分の弱さを認めるお茶目な勇気」

兵士

 

キングダムの登場人物は、大体自信満々の人が多く、窮地に陥っても強がったり、潔く諦めてしまうなど、良くも悪くも豪快ですが、その中で蒙驁は自信の無さが心の声や、顔の汗などでハッキリ認識できる異彩を放つキャラクターでした。

特に、斉にいた頃に一度も勝てた事がない廉頗が敵将と知った時のあたふたぶりはひどく、表面上は平静を装っていても、いっそ逃げ出してしまいたいほどに追い詰められていきます。

 

そして、いつものように兵卒に変装して途方にくれていた時に信に出会い、孫ほども年齢が離れている信に、人生相談をするなどお茶目な部分を見せるのです。そこで信に「今までどんなに負け続けようと、一番最後に勝てば勝ちっぱなしで終る。負け犬人生を終わらせるチャンス」と激励されて、発想を転換し、廉頗に負け続けた人生に終止符を打つ為に逃げずに戦う決意を固めました。

漫画史上、こんなに情けなくも力強いジジイキャラクターはいなかったでしょう。この平気で人前で弱さをさらけだす強さが蒙驁の魅力です。

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