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曹操、怒る
曹操は司馬懿に刺客を送って「驚いて逃げるようなら仮病だから殺すように」と言い放ちますが、司馬懿はこれを見抜いて動かなかったという筋金入りの仮病を見せつけて難を逃れました。しかし後々再び曹操に出仕を命じられ「捕まえてでも連れてこい」と言われて覚悟を決めたのか出仕したと言われています。この出仕が魏のその後を決めた瞬間かと思うと、何とも面白い一幕だと思いますね。
テンプレなの?出社拒否
さて皆さんもこう思ったことでしょう。
「曹操だって出社拒否したくせに~」と。
そう、司馬懿も曹操も不思議なことに若かりし頃にその役職を拒否したという共通点があるんですね。これに関してはどのような考えがあったのかは分かりません。
自分はそのような器には収まらないと思ったのか、それとも今力を着け過ぎては厄介だと感じて牙や爪を研ぐ時間に宛てていたのか……彼らの思考回路は彼らにしか分からないでしょう。
それでも不思議な共通点があると思うと、何だか父親に言われても司馬懿を頼りにした曹丕の目は確かだったのでは、とも思ってしまいますね。
司馬防と曹操の不思議な一幕
司馬懿と曹操の不思議な共通点を話しましたが、実はその父である司馬防と曹操にも不思議な話があります。曹操は漢の実権を握った時に司馬防を呼び寄せて、二人で食事会をしました。
この時に曹操は「こうなった今でも貴方は私を洛陽北部都尉にしたいと思いますか?」と尋ねると、司馬防は「あの時にはその位が丁度良かったですからね」と答えて二人で笑い合ったと言います。何にもない一幕ですが、彼ら二人の関係と人間性が少し見えてくるような、そんな印象があって好きな話です。
三国志ライター センのひとりごと
今回は司馬懿と曹操の不思議な共通点に加えて、ちょっとだけ司馬防の話もさせて頂きました。特に何もない一幕ですが、色々な感情が湧き起こされるようで好きな場面です。
また曹操と司馬懿の不思議な共通点を思うと、もしかしたら二人は結構似ていて、周囲はそれを感じ取っていたのかな……と思ってしまいました。こういう歴史や戦争に関係ない一幕、個人的にはかなり好きですね。
参考文献:晋書宣帝紀 魏書武帝紀
「武帝紀」が引く曹瞞伝より一部抜粋
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