董承は本当に献帝派だったの?色々ツッコミどころが多い人物

2020年7月26日


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董承は本当に献帝派だったの?(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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董承は本当に献帝派だったのか?

董承

 

さて三国志演義では献帝が信頼できる数少ない部下、曹操暗殺を託されるなど忠臣として描かれる董承ですが、正史でも同じかと言うとそうでもありません。

 

 

そもそもとして、曹操を献帝と引き合わせたのは董承と言って良いですし、言ってしまえば献帝が悩む原因を作ってしまった人物とも言えるでしょう。

董承、牛輔

 

上手く使えば献帝の力となれたかもしれない楊奉を追い落としたりもしていますし、正史の董承はどちらかというと利己的な面が強く感じるのですよね。

 



ツッコミどころ満載

段ワイ、献帝

 

因みに董承が曹操の暗殺を献帝から頼まれたのは出来事は正史にもあるのですが、この時に董承が手を組んだ人物に劉備(りゅうび)がいます。何が問題ってこの時の劉備は袁紹(えんしょう)の配下と言っても良い存在。

 

董卓に強引に連れられる献帝

 

劉備を引き込んでも曹操が袁紹に代わるだけなのではないでしょうか……しかも袁紹は董卓(とうたく)に怨みがあるので、董卓に擁立された献帝に対してどんな行動を取るかは分かりません。下手をすれば曹操よりも献帝の扱いは悪くなってしまうのではないかと思うのです。

 

献帝

 

それを考えると董承は今一つ献帝のことをおもんばかっていないなぁ、と思いますね。

 

皮肉な最期

献帝

 

しかし考えて見ると運命は皮肉です。皇帝の一族は決して安泰な身分ではありません。霊帝(れいてい)の子も多くは夭折し、献帝も幼い頃からその身が危ないことは多かったでしょう。

 

献帝

 

一時的に保護してくれたとはいえ、傀儡として利用した董卓。その頃には特に何かしたわけでもなかった董承が、その際に手助けしてくれた楊奉らを追い落とし、そして董承を曹操が粛清し……

 

献帝を傀儡化する曹操

 

献帝の人生を振り返ると、傀儡とはいえ曹操の元に来たのはある意味で一番良い選択肢だったのでは……なんて感じてしまいますね。

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

個人的な意見ですが、董承が三国志演義で忠臣として描かれたのは曹操の悪役化と共に、献帝、つまり皇帝が頼った人物が無能ではならないという理由があるのではと思います。そのため董承が良い人間として描かれることになったのではないでしょうか。そう考えると三国志演義でのメリットを受けた人間と言えますね、董承は。

 

参考文献:

後漢書献帝紀 董卓伝

魏書武帝紀

 

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曹操孟徳

 

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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