シャルロット・コルデーとはどんな人?暗殺の天使は超トホホだった

2020年7月27日


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シャルロット・コルデーとはどんな人?(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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毅然として処刑されたシャルロット・コルデ

 

シャルロットは、居合わせたマラーの友人たちに取り押さえられ現行犯として国民衛兵に逮捕され同日中にアベイ牢獄に収監され公安委員会の尋問を受けます。

 

当初、国民公会は、これがシャルロットの単独犯とは信じられず、ジロンド派との関係を執拗に尋問しますが、シャルロットは全て自分で考え決断した単独犯であり、誰の指示も受けていないと他人の関与を否定。

 

そして、私は殺される事を恐れない、何故なら私1人の死で10万のフランス人民が救われたのだからと義挙である事を強調していました。弁護人もついたのですが、シャルロットは一切、言い逃れをしないので裁判の伸ばしようもなく、陪審員の評決は有罪、死刑と決定しました。

 

死刑が決まってからも、シャルロットの態度は少しも揺らがなかったそうです。処刑当日に死刑執行人のシャルル=アンリ・サンソンがシャルロットの手を後手に縛ろうとするとシャルロットは

 

「手に傷がつかないように手袋をしても宜しいでしょうか?」と尋ねサンソンが

 

「私は全く痛みを感じないように手を縛る事が出来ます」と答えると微笑んで縄目を受けたと伝えられています。

 

その、か細い首にギロチンの刃が落ちるまで、シャルロットは神々しい威厳をまとっていました。サンソンの弟子が慣習で落ちたシャルロットの首を持ち上げて頬をぶつと、見物客は、弟子に猛然と抗議、サンソンは弟子をクビにしたそうです。

 

シャルロットの最後は多くの芸術家にインスピレーションを与え、暗殺の天使と呼ばれるようになるのです。

 

西洋史ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

シャルロットがマラーを暗殺した時、ジロンド派の人々は、なんでマラーを?と首を傾げたそうです。その頃、マラーは皮膚病の悪化で議員を辞職し、ただの一市民になっていて、ろくろく権力を持っていませんでした。

 

ジャコバン派はマラー暗殺を最大限に利用、ジロンド派への弾圧を強化します。シャルロットの行動は独善的であれ、それなりの使命感に支えられたものでしたが、結局は誰も救う事が出来ませんでした。

 

ですが、私達は誰もシャルロットを笑えません。思考のバランスを失い、一つの考えに固執して他を排除し憎悪するというのは、どんな人でも一度や二度は経験した事がある事だからです。

(文:kawauso)

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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