今でも似たような番組はあるのですが、昔からテレビ局では子供と動物は視聴率が取れると言われていて、人間が動物と触れ合うような番組が月一とか春夏秋冬のシーズンに合わせて製作されていました。
kawausoのような40歳オーバーの人には、ムツゴロウ動物王国と言えば共感を覚える人もいるでしょう。
おい!キングダムはどうした?と思ったヤングなアナタ!慌てなさんな、これはちゃんとキングダムの伏線なんですよ。実は、人間には厳しい秦国は動物には優しい動物王国だったらしいのです。
それでは行ってみよう!チャトラーーーン!チャトラーーン!!
この記事の目次
キングダム休載SP「秦は半農半牧の国だった」
秦国を起こした人物は非子という人で紀元前900年頃に周の孝王に仕えて馬の生産を行い、手柄があったので嬴の姓を賜り諸侯になりました。この点から見ても分る通り秦は牧畜とは深いつながりを持っていました。
現在の中国には、農業遊牧境界地帯というものがあり、中国の北東から西南まで斜めに貫通しています。
農業遊牧境界地帯は、北で趙の大半の地域を飲み込み、南では秦の地域を飲み込んで蜀に至ってさらに南下します。
つまり、秦は東方の六か国とは違い、遊牧が国家財政に大きな比率を占める国だった事が分かります。
キングダム休載雑学「龍崗秦簡動物律令に多く残る動物管理の法律
1989年、中国湖北省雲夢県楚王城遺跡に位置する龍崗という台地で大量の秦時代の木簡が出土しました。ここは地名の通り、元は楚の領地でしたが、紀元前278年に秦の将軍白起が攻め落として秦の政庁が置かれたのです。
それはさておき、驚くのは龍崗秦簡の283編の木簡の中で2割強の60点の木簡が動物管理に関する命令だった点で、秦ではかなり後年になっても、牧畜が重要な位置を占めていた事が分かります。
キングダム休載雑学「動物に超フレンドリーな秦の法律」
この龍崗秦簡を読むと、当時の秦の人々が動物に愛情を注いでいた事が分かります。そもそも、ここには動物を保護すべく以下のような文言があるのです。
およそ馬や牛が来る場所にはいずれも落とし穴を掘ってはならない。落とし穴を掘る、及び他の罠で人や馬に危害を加えうるものを設置すれば殺傷する事がなかったとしても罰として鎧を二両出させる。
もし、馬や牛を殺傷したら盗と同じく罰する。人を殺せば殺して市場に死体を曝す、人に傷を負わせたら重労働の刑とする。
このように秦では、家畜を傷つけたりしようとしただけで実害がなくても、鎧を二両供出させられるなど重い罪が科せられていました。
キングダム休載雑学「動物に罪はない!もっとフレンドリーな秦の法律」
秦は人間にはかなり厳しい法治主義でしたが、動物についてはかなり愛情を持って接していたようです。当時、秦の領地には王や貴族の為の狩場が存在していて、民間人は立ち入り禁止でしたが、そこに百姓が飼う犬が迷い込む事がありました。
このような場合でも、秦の法律には動物愛護の精神があります。
百姓の犬は禁苑の中に入っても、禁苑の禽獣に追ったり捕えたりしなければ殺してはいけない。しかし、その犬が禽獣を捕えたりすれば殺してもよい。
狩場の中では、当然、王や貴族が狩猟を楽しんでいる可能性があります。
このような場合、中型の犬が飛び込んでくれば万が一の為に、これを殺害して難を取り除くのが普通ですが、秦の法律は問答無用で殺す事を禁じて、狩猟場の禽獣に襲い掛かるような事をしなければ傷つけてはいけないと丁寧です。この点は、やはり秦が半農半牧で家畜を大事に扱っていた経験が出ていると言えるでしょう。
逆に、家畜を管理する人間に対しては法律が厳しく家畜が死んだりすると厳しい罰則が加えられ、それは家畜の被害により末端から県令にまで及んだそうです。
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