大人気春秋戦国時代漫画キングダム、8月13日はYJ自体が合併号で休刊なので、つまりはキングダムもお休みです。
そこで、ストーリーは進まないわけですが、何かと話題の什虎城を真面目に検索してみました。果たして、そんな事をして何が分かるんでしょうか?
この記事の目次
キングダム650話雑学「什虎城などという城はない」
kawauso編集長は、中国史全般好きなので、もちろん春秋戦国時代もカバーしてます。そこで、春秋戦国時代の地図を調べて、秦、韓、魏、楚の国境辺りに什虎なる城があるかどうかを調べてみましたが、やはりありませんでした。
しかし、什虎城はありませんでしたチャンチャン!では記事にならないので、無理やりに什虎城の位置を史実に当てはめて考えてみました。
キングダム650話雑学「それは南陽市ではないか?」
最近、更新された漫画キングダムの秦の領土のコマを参考に架空の什虎という地名を当てはめたのが上記の地図です。
はい、ここまでやると100%バカなんですが、その辺の無駄な労力をひとまず置いて考えるとキングダムにおける什虎城とは、矢印の部分、現在の河南省南陽市に当たるのではないかと推測が出来ます。
どうして、南陽市を選んだのかと言いますと地形的な近さもさることながら、ここは、実際に紀元前273年、秦の白起によって征服され、大量の秦の人民が入植させられた場所なのです。その時代には南陽ではなく宛という呼び名でした。時期こそ違いますが、後に秦は什虎を魏から奪い、ここに秦人を入植させるという可能性もあります。
キングダム650話雑学「玻璃も呉鳳明も欲しがる豊かな地」
さらには、南陽市は楚の領地だった時代から金属工業が盛んであり、後漢の前期には52万戸という当時の中国全土で最も多い人口を記録しました。その後も南陽市は繁栄をつづけ、現在では人口1194万人だそうです。
それだけ経済ポテンシャルがある土地ですから、キングダムの時代から玻璃も呉鳳明も欲しがるわけであり、楚としても渡したくないでしょうから、難攻不落の堅城になっていると、逆算するとそのように考える事も可能です。
キングダム650話雑学「中華の南北を結ぶ交通の要衝」
もうひとつ、南陽の特徴は中華の南北を結ぶ交通の要衝になっている点です。キングダムでも、秦、楚、魏、韓の境界線にある重要拠点だと言っている事から、明示していなくてもここが什虎城のモデルになっている可能性は高いと思います。
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