今日のkawauso40「軍事力より大事な法」

2020年9月27日


監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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曹叡から可愛がられる孫資

 

自らは手を汚さずに他人の力を借りて事を為すのは理想だし、それが合戦となると自分が戦わなくていいものだから、それにすがりたくなるのは人情だ。

しかし、敵の国力をちゃんと見ないと常に希望的観測は破れる。

 

正史三国志劉放伝が引く孫資別伝

幕末 魏呉蜀 書物

当時、呉の人の彭綺(ほうき)がまた江南で義兵を起こした。

意見を述べる者はこれを利用して呉を討伐すれば勝利を得る事があるに違いないと主張した。

明帝が孫資に質問すると孫資は答えた。

 

「昔、鄱陽(はんよう)の豪族で、前後数回か義兵を挙げたものがありますが、計画は杜撰そのもので兵は弱く、

たちまちのうちに壊滅しました。昔文帝は、ひそかに呉の形勢を論じるに、洞蒲(どうほ)では1万人を殺し、

千から万の船を奪ったが数日のうちに船も人も集ってきた。

江陵では1月以上も包囲したのに、孫権は僅か、千数百人を東門に置いただけで、その土地は潰れる事がなかったと

これはかの地に法令があり、上も下もこれを守っている証拠です。

以上の点から推測しますと、彭綺は孫権の内臓を食い破る大病にはなりますまい」

それからしばらくすると彭綺は破れて滅亡した。

 

行軍する兵士達b(モブ)

 

目に見える軍事力に比較して、法の力というものは目に見えない。

でも、法がしっかりしていて、何があっても国が救ってくれると人民が信じればこそ洞蒲で万人が死んで、多くの船が奪われても、人民はそこに流れ込み生活は再建される。

曹丕はそれを見抜いて、討伐は成功しないと気づいたんだな、慧眼(けいがん)だ。

 

呉を存続させたのは、立法を上下が守るという信頼感と連帯感であり、ただ水軍が強かったというだけではないんだな。

それが無かったら、例え100万の軍勢があっても1日で国は瓦解する。

 

前回記事:今日のkawauso39「お絵描き孫堅ちゃん」

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

-kawauso編集長ぼやき