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烏戈国の王・兀突骨はなぜ食性まで描かれたの?三国志演義の異質な存在

2020年11月12日


はじめての三国志_ページネーション

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兀突骨はなぜ食性まで描かれた?(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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兀突骨は姿形の異形さだけではない

周瑜、孔明、劉備、曹操 それぞれの列伝・正史三国志(本)

 

そんな兀突骨、初見のインパクトだけではありません。しっかりとした実力も描かれています。

 

藤甲軍(南蛮兵士)

 

その率いる戦力は三万(強大すぎる)、それも「藤甲兵」という特殊な兵士たちを従えています。これは油でコーティングした藤の蔓を乾燥させて編んだ鎧を着た兵士であり、刀も槍も通さないという高い防御力を誇る兵士たちです。しかも普通の鎧とは違って水の中でも機敏に動いて戦うということもあり、その初戦において魏延を打ち破る強さを見せつけています。

 

魏延「やめて」

魏延と孔明

 

ここで彼らを破るために策を巡らす諸葛亮。その作戦は「魏延(ぎえん)に15回戦わせる」「敗走を繰り返させて陣地も捨てさせる」という引き込み作戦で、谷の奥深くまで引き込んだ兀突骨らを地雷、火薬によって攻撃。

 

藤甲兵に地雷火を仕掛けた諸葛亮

 

刀も槍も通さない藤の蔓は油でコーティングされていることもあって良く燃えて、兀突骨らは火に飲まれていってその生涯を閉じるのでした。

 

孔明を持ち上げる魏延

 

とりあえず言いたいのはこんな兵士たち相手に(兀突骨含む)魏延らは良く15回も戦ったな……ということでしょうか。上官命令とは言え結構、無茶苦茶ですよね?

 

孟獲でさえ7回なのに15回ってなに?

というのが筆者のここでの正直な感想です。

 

後の伏線

兵士と戦術

 

と、どうしようもないくらい強大な敵(大きさ的にも)を打ち破った蜀軍の皆さん。勝どきを挙げて大興奮する中、一人諸葛亮だけ顔を曇らせます。

 

「この殺生は我が寿命を削るだろう」

 

 

敵とは言え、火薬で大勢の兵士の命を奪ってしまった諸葛亮。その最期に己の所業を悔いて……後に北伐を成功させることができないままその生涯を閉じることが、ここで示唆されているのです。

 

三国志の武器 虎戦車 諸葛亮孔明

 

とんでもない存在が出てきたことで見落としがちですが、この頃から後の伏線を張っているのはやはり三国志演義の凄さ、とも言える、兀突骨とその戦いの様子でした。

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

南蛮平定は劉備の死後、いきなり出てくる戦いとは言え、かなりインパクトが強い戦いでもあります。兀突骨の存在はそんな南蛮平定の中でもトップランクのインパクトであり、怪獣大決戦のような凄さがありますね。

 

孔明君のジャングル探検

 

そして更には後の伏線まで張られている……そんな繊細な一面も魅せる諸葛亮の南蛮平定。見返してみても陰鬱になりがちな三国志演義の後半を盛り上げてくれる、三国志演義の名シーンだと思いました。

 

参考文献:三国志演義

 

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南蛮征伐特集

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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