三国志演義では、諸葛亮は妖術使いのようだが、じゃあ正史三国志に妖術っぽい記述がないかというと少ないがない事もない。
例えば、妖怪王国呉には異民族でサイキックを使うヤツが登場する。
以下は正史三国志賀済伝が引く、抱朴子(ほうぼくし)
昔、呉が賀済を派遣して山越の叛徒を討伐させたところ、叛徒の中に禁の術を使うものがいて、戦いを交える度に、こちらの将兵の刀剣は抜く事が出来ず、放った矢は、こちらに戻って来る始末で、毎回大苦戦した。
賀済は、慌てずつぶさに禁の様子を見ていると、どうやら、術は刃物においてのみ効力を発揮し、刃物を持たない武器には効き目がないようだと気が付いた。そこで、精鋭5000に、白木の棍棒だけを持たせて突撃した所、山越はどうせ禁術で勝てると考え、ろくに備えもなく、あっと言う間に術者が殴り殺され続いて数万が戦死した。
どうだろう?
抱朴子由来とはいえ、三国志演義顔負けのサイキックじゃないか。こういう一見無敵だが、弱点があるという描写は、もしかしたら演義の南蛮征伐の描写にも、影響を与えたかも知れない。