今回は諸葛亮の南蛮平定に出てくる謎の人物、万安こと孟節についてお話しましょう。
南蛮という未開の地、しかも相手にとってはホームグラウンドといえる場所で戦いを続けなければならない諸葛亮たち。そんな諸葛亮たちの救世主とも言える存在、それこそが孟節です。この孟節について少しばかり色々と考えてみたいと思います。
架空の兄・孟節
まず真っ先に言っておかなければならないことですが、南蛮軍を率いて諸葛亮と何度も戦う孟獲、その孟獲の兄こそが万安であり、孟節です。しかし歴史に孟獲の名前は確認できても、孟節の名前ありません。
あくまで孟節は三国志演義の登場人物であり、実際に登場する人物ではないのです。ですがその三国志演義の諸葛亮の南蛮平定において、孟節は孟獲、孟優の実の兄として登場します。
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毒の泉に苦戦する諸葛亮たち
さて南蛮軍との戦いは既に何度も繰り返され、孟獲は既に四度捕まり四度釈放されている折り返し地点とも言うべき段階。そこで南蛮で一番の知恵者と言われる朶思大王が援軍要請されます。
そして朶思大王の策略(?)により諸葛亮たちの前に立ち塞がったのは四つの毒泉アラカルト。未開の地にて苦戦どころか戦線を維持するのも難しいほど兵に被害が出てしまうが……?
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隠者・万安
正にここで天の助けとも言えるように現れたのが、隠者・万安です。万安は毒の泉で被害を受けた者たちを治療していると聞き、諸葛亮は万安の元を訪ねることにしました。万安が住んでいたのはその名もズバリ万安渓。ここで万安は長年にわたり毒の泉の被害を受けた者たちを治療してきたと言います。
万安の正体とは?
万安によって兵士たちは回復。また万安はこの先に進むなら、と諸葛亮たちに水の手配について親切に助言などをしてくれます。その姿に感じ言った諸葛亮、万安の本当の名を尋ねると……その晋の名は、孟節。
そう、彼は孟獲、孟優兄弟の一番上の兄だったのです。欲深く荒っぽい性格の弟たちに嫌気がさした万安は在野にて隠者となっていたのでした。
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