こちらは2ページ目になります。1ページ目から読む場合は、以下の緑ボタンからお願いします。
後妻、郭槐
では後妻である郭槐の話をしましょう。郭槐、非常に嫉妬深い女性であったとも言われています。それはある日、賈充が別の側室との間の子を乳母が抱いていて、賈充がその息子をあやしていました。
それを見た郭槐、賈充が乳母と浮気している!と勘違い、乳母を殺害しました。乳母を殺された子は泣き続け、他の乳を飲まないまま死んでしまいました。
この他にも郭槐は乳母を殺してはその側室の子を間接的に殺してしまったので、最終的に賈充には後を継ぐ息子がいないままとなったので、孫を後継者にしたと言われています。
因みにこの郭槐の娘が賈南風です(重要)。
関連記事:【西晋の内乱】八王の乱・前編 司馬炎の一族と悪女賈南風の死因
関連記事:賈充の娘である賈南風はドン引きするほどの悪女だった
賈充の娘、賈午
そんな郭槐と賈充の間に生まれた次女が、賈午です。ある日、賈充の屋敷で宴が開かれました。ここで賈午、とあるイケてるメンズこと韓壽に一目惚れ!
彼のことが忘れられない賈午は父親に頼んで……ではなく、彼の元で使用人をしていたことがある女中に仲を取り持たせて思いを遂げるようになります。分かりやすく行ってしまうと密通です。
賈充はこのことを韓壽から香る匂い……司馬炎から頂いた特別な香の匂いがしていたことから気付き、最終的に二人を結婚させました。賈午のバイタリティすごすぎませんか?匂いで気付く賈充も凄いけど。
密通、恋愛譚に
因みにこの賈午の話は後世で恋愛譚となりました。というのもこの時代において、ある程度身分がある女性の結婚というのは親が決めるものであり、珍しかったためだと思われます。ともあれ娘の密通が後世にまで伝わるなんて、賈充はなんと思ったことでしょう。
またもう一言付け加えると、この二人の間に生まれた子が後に賈充の養子になり、跡を継ぎました。そうして更に後に一族皆殺しにされてしまうのですが……それはまた別のお話。
関連記事:冥婚(めいこん)とは何?中国や三国志の時代に亡くなった人と結婚してた?
関連記事:【世界版】死者同士の結婚「冥婚」は韓国・台湾・アフリカ・フランスにもあった!?
あれ……?賈南風は?
さてここまで読んで「もう一人いるでしょ?」「もう一人凄い娘がいたでしょ?」「賈南風は(直球)?」と思った人もいることでしょう。賈充にはまだ悪い意味で更に強烈な娘、郭槐の娘であり、賈午の姉である賈南風がいます。
とは言え彼女の話は短文ではまとめきれないので、別のお話とさせて頂きます。
しかし賈南風を除いたとしてもこれだけキョウレツな女性たちに取り巻かれていた郭槐。能力もあり、功もあり、認められ、出世して……その上でもしかして女運だけヤバかったのかと思うと、何だか賈充にも親しみがわいて……来ませんかね?
関連記事:八王の乱とは?残念すぎる三国志の真の結末であり中国史上最も醜い争い
関連記事:賈南風(かなんぷう)とはどんな人?司馬衷の妃となって晋王朝を滅亡の淵に叩き込んだ悪女
三国志ライター センのひとりごと
今回は賈充の周辺の女性たちを並べてみたと言えばそれだけなのですが、中々……いやかなり、印象強いエピソードを持っている女性ばかりですよね。歴史の陰に女アリとは言え、一人の陰にこんなにキョウレツな女性たちがいたと思うと、ちょっと苦笑いしか浮かんでこなくなります。
とは言えまだまだ強烈な賈南風が控えていますので、続報をお待ちくださいませ!
参考文献:晋書文帝記 武帝記 列伝賈充伝 惠賈皇后伝 世説新語
関連記事:賈充の父・賈逵は息子と違い軍事に優れた人物だった!?
関連記事:司馬昭とは三国志の中でどのような役割を果たしているのか?