諸葛亮は孟獲と孟優が羨ましかった?南蛮王のかわいい弟・孟優を考察

2020年11月30日


 

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曹操と夏侯惇

 

三国志、三国志演義での楽しみの一つに、血縁関係というものがあります。この武将とこの武将は実は縁続き、兄弟、義兄弟……色々な関係があり、特に三国志演義ではそれがドラマを生み出す要因の一つとなっていますね。

 

孟優(南蛮討伐)

 

そこで今回は南蛮孟獲(もうかく)の弟として出てくる架空武将の一人、孟優(もうゆう)についてお話したいと思います。南蛮王の弟、一体どんな人物なんでしょうか?

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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孟優の名は体を表……さない

三国志演義_書類

 

前述したように、孟優はあくまで三国志演義にのみ登場します。字は判明していませんが、孟獲の弟であると考えると姓が孟、名が優ということでしょう。

 

孟優は荒々しい兄とは違い、その名前が表すように心優しい仁君であり、優れた知略を兄に頼りにされながらも戦をしなければならない己の立場に思い悩む……ということはありません。

 

というか後々出てくる二人の実兄に「弟二人は乱暴で強欲です」とか言われたりする人物です。

 

孟優の作戦!内側から崩すべし

朶思大王、孟獲

 

南蛮王・孟獲は荒々しい性格で、自らの蛮勇を誇り、諸葛亮を侮って力業で押しつぶそうとします。しかしそこは諸葛亮、柔よく剛を制す、知略と策略で孟獲を捕らえ、釈放すること二回。

 

孟獲

 

流石に孟獲はこのままでは勝てないと考え、諸葛亮相手に策を巡らせようとします。

 

蜀軍に潜入する孟優(南蛮討伐)

 

ここで出てくるのが、孟獲の弟で知恵者である孟優。まともに当たって勝てない敵は内側から崩すべし、と自ら偽りの投降をして蜀軍を内側から攻撃しようと考えます。

 

赤壁の戦いで活躍する黄蓋

 

それ赤壁(せきへき)辺りでやりつくされたとか言っちゃいけません。しかもやったの諸葛亮と龐統(ほうとう)とかもっと言っちゃいけません!

 

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諸葛亮「もう何度も出てきた」

孔明の息子たち

 

こうして偽りの投降で蜀軍に迎え入れられた孟優。これは勝った!と思ったのか、油断して進められるままにお酒を飲んでしまいます……しかし何だか呂律が回らない……まさか毒入りか!?

 

悪い顔をしている諸葛亮孔明

 

気付いた時には既に遅く、偽りの投降など諸葛亮にはお見通し!

しびれ薬を仕込まれた酒を飲んでしまい動けなくなった孟優は捕らわれてしまうのでした。

 

南蛮兄弟揃って釈放

考える諸葛亮孔明

 

この後、孟獲も捕獲され、兄弟揃って釈放されます。しかしそれでもまだまだ心は折れず、四度目の戦いに赴きます……が、やはり上手くいかず。南蛮兄弟は再び捕縛されることとなりました。

 

諸葛瑾と幼い頃の孔明

 

この際に諸葛亮は孟優に兄を諫めないことを怒られ、泣いてしまうのですが……よくよく考えると諸葛亮も弟、そして兄は呉に、弟は蜀にと敵対関係にある状況。それを考えると何だかこのシーンも別の意味合いを含んでいるように見えてくるから不思議ですね。

 

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両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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