「三国志おもしろーい!」という言葉を聞くと、三国志ファンの一人として嬉しくなるばかり。ですがそれと同じくらいよく聞くのが「この言葉の意味わからなーい」というお言葉。
確かに三国志、三国志演義などで当然のように出てくる単語、当たり前のように使っている単語ですが、その意味が分からないという人もいるかもしれない……というかもしかしたら自分でも良く分かっていないかも……?
ということでこれを機会に、三国志で出てくる単語のいくつかを筆者なりに解説することに致しました。
第一回は「丞相」について、です!
この記事の目次
丞相とは?
丞相は「じょうしょう」と読みます。これは三国時代の前の時代、前漢の時代にもあり、三公という役職の一つでした。しかし後漢時代になってこの役職は司徒という呼び方に変更されてしまいます。
それを復活させたのが曹操であり、曹操以外では諸葛亮がこの役職に付いたことで有名です。
丞相の役目
さて前述したように丞相とは、古代中国で使われた役職です。その役目とは君主、皇帝を補佐するというある意味最高の役目であり、現代でいるならば内閣総理大臣と言った所でしょうか。
と、ここでちょっと気になる部分が出てくる人もいると思います。蜀で言うなら諸葛亮が、魏で言うなら曹操が、おまけに呉で言うなら陸遜がこの役職についている丞相という役職。この違和感に皆さんはお気づきになられましたか……?
「いないじゃないか!」
そう、諸葛亮も曹操も、そして陸遜も、多くの場合で国元から離れて行動していますね。君主を補佐する役目であり、時に任されて政務の実権をとる立場……ん?
これもう補佐ではないのでは?
もしかしてこの説明は間違いなのか?
ということでもう少し調べてみると、更にややこしい事態が判明してきました。
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相国
相国は「しょうこく」と読みます。これは朝廷に仕える家臣の最高役職であり、現代でいうならば首相に当たります。漢時代には用いられていた役職ですが、権力の集中を防ぐためか、もしくは既に権力が集中し過ぎていたのを分散するためか「丞相という役職」が生まれたという説があるのです。
そして丞相が補佐するのは、本来この相国のことを指しています。
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