
三国志って面白いですよね〜!!
三国志のみならずそれを元にした三国志演義もまた面白いものです。
しかし三国志演義の面白さは数々の武将たちの生き様だけでなく、面白い豆知識などもある所。そこで今回は三国志演義のとあるエピソードから、会意文字についてお話したいと思います。
会意文字とは?
まず初めに、会意文字についてお話しましょう。会意文字の「会意」は元々ある二つ以上の文字、漢字を組み合わせて新しい意味を表現すること。「意」味が出「会」うということで、会意なのですね。
そして会意によって作られた字を会意文字と言い、これは漢字の生まれた中国のみならず日本でも古くから親しまれ、一つの遊びとして楽しまれてきたのです。
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会意文字の一例
少し会意文字の一例を出しておきましょう。と言ってもそんなに難しいものではありません。例えば「森」という文字。これは三つの木という文字が組み合わされ、たくさんの木々の集まり……つまり「森」となっています。
会意文字と改めて言われると馴染みがなく感じるかもしれませんが、実はとても身近なものなのです。
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都都逸にも
そんな会意文字は言葉遊びとして親しまれていました。例えば日本の都都逸に「戀という字を分析すれば、いとしいとしと言う心」というものがあります。「愛しい」と「糸しい」をかけて「戀」という字を表現しているだけでなく、恋の想いも歌った美しくも切ない歌ですね。
都都逸にも見られるように、日本でもこの会意文字は言葉遊びとして親しまれてきたのです。
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三国志演義にも……?
さて「三国志演義どこいった」とそろそろ思われることでしょう。この会意文字の言葉遊びとも言えるシーンが、三国志演義には出てきます。
それはある日のこと、曹操の元に酥(蘇)が献上されました。曹操はこれを一口食べると「一合酥」と書いて立ち去りました。その様子を見て他の人はびっくり。
一体何があったのか、何か気に入らなかったのか、この言葉の意味は……?
頭を悩ませている彼らの前に、ある人物が助け舟を出します。
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鶏肋で有名なあの人
それは「鶏肋」で有名になったあの楊脩でした。
「一合酥を分解すると一人一口酥となる。つまりみんな一口ずつ食べなさい、という意味ですよ」
周囲の人たちは流石楊脩殿!曹操様の御心を良く分かっておられる!と褒めそやしました。
これは「一合」を「一人一口」として見ているので、会意文字を使った曹操なりのお遊び、ということでしょう。こんな言葉がすぐに出てくる、三国志演義の中の話ですが、曹操の頭の回転の早さが良く表れていると思います。
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その後の楊脩は……
さてこのように会意文字を使った曹操のお遊びさえあっさりと説いて見せる楊脩。彼はこの後、曹操の「鶏肋(鳥のあばら骨)」という言葉から曹操の怒りを買い、処刑されてしまいます。
こちらはあくまで三国志演義のエピソードですが、正史の方でも楊脩はこの鶏肋から曹操の真意を見抜いたものの、その後に処刑されます。
その理由については正史では明らかになっておらず、楊脩が後継者争いにまで口出しをした、袁術の縁者だったため始末された……など色々と理由が考察されています。
個人的には楊脩があまりに曹植に肩入れして後継者問題に関わっていたから……だと、この後継者問題を曹操自身に問いかけられて上手く逃げた賈ク先生のエピソードと比較出来て面白いな……と思うのですが、皆さんはどう思いますか?
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もしかして:蘇
最後にちょっと余計なお話を。この一合酥、今一つどういうものかは分かっていません。ヨーグルトなのか?クリームなのか?それとも名前からそのまま「蘇」であるのか?
しかし蘇と言えば2020年にとあるウィルスによる影響により、牛乳消費のために一時期流行したスイーツですね。
こちら牛乳をひたすら煮詰めることで作ることができ、筆者も40分以上台所で格闘して作ってみました。味わいはチーズに近く、牛乳のほんのりした甘さと、不思議なしょっぱさが感じられました。チーズに近いと言ってもチーズよりはあっさりとしていて、舌の上で解けていくような感覚があります。
あの三国志演義の曹操も味わった(かもしれない)蘇、この機会に皆さんも試してみてはどうでしょうか。注意点としてひたすらに時間とガス代がかかりますので、そこだけご注意を。
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三国志ライター センのひとりごと
今回は三国志演義の中の、ほんの少しのエピソードです。しかしその短い中にも、曹操の遊び心と深い知性が感じ取れます。
三国志演義は劉備が主人公で曹操は悪役だから……と言うのは良く見かける話ですが、こう見てみると曹操の知性や親しみやすさもきちんと表現されていますね。さり気なく会意文字が取り込まれているのも漢字の本家と言える中国ならでは。
やはり三国志、三国志演義はこんな小さな場面にまで面白さがギュッと濃縮されている……そう感じつつ、筆者は今日も三国志沼にハマり込むのでした。とぷん。
参考文献:三国志演義 後漢書楊震伝 世語
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