ここからだが...おとぼけ震えながら考察に入る。先週の886話の記事では、河了貂は生きていると書いた。そこは当たった。ただ、生きていた理由は、思っていたものとまるで違ってました。
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この記事の目次
キングダム887話考察|趙軍はなぜ皆殺しをやめて生け捕りに切り替えたのか
これは、ぞっとした。河了貂が助かった理由に、優しさが一つも入っていない。趙軍が攻撃を止めたのは、追っていた集団に蒙恬と李信がいないと気づいたからだ。逃げた二人の居場所を吐かせる相手が要る。殺すより、そのほうが得だ。それだけの計算で、命令がひっくり返った。んで、ここが今週の一番のミソだと思う。
別働隊が信と蒙恬を逃がしきったことが趙軍に伝わった瞬間に、河了貂が生き残る理由が生まれている。囮の役目を果たしたから助かった。もし作戦が失敗していて、追っていた集団の中に信がいたら、趙軍は迷わず全員を斬っていたはずだ。家計に置き換えると近いかもしれない。捨てるつもりだった段ボールの中身が、値がつくと分かった途端に残される。残ったのは大事にされたからではなく、売れると分かったからだ。河了貂が生かされたのは、その種類の判断だった。例え方がおかしいかもしれないが、なにか良い例えがあったら是非コメントでご教示願いたい。
そして、生け捕りに切り替わったのは河了貂だけではない。小城には多数の秦兵が連行され、信と蒙恬の行方を吐かせるために拷問を受けている。知らないと訴えても通らない。生かされた兵の側から見れば、あの命令変更を延命と呼んでいいのかどうかも怪しい。だから今週の展開は、救いのある回とは少し違う気がしている。囮作戦は成功した。成功した証拠として、河了貂の首がいったん保留になっただけだ。この切り替えを、河了貂にとっての幸運と見るか。それとも、もっと長い時間をかけて削られる入口と見るか。どうですかね。
キングダム887話考察|カイネはなぜ味方を殴ってまで河了貂の前に立ったのか
このシーンは声が出た。カイネが引き返した時点で、河了貂は死んだものとして扱われていた。カイネの目的も、遺体を辱めから守ることだった。弔いに近い。ところが生存を知ったあとの動きが、まるで別人だ。移送先を聞き出し、将軍という立場をちらつかせて小城の位置を吐かせ、最後は同じ趙軍の武官を吹き飛ばしている。やっていることが、途中で完全に変わった。
おとぼけは、カイネ本人もこの変化を説明できていないと思っている。886話でも、なぜこれほど河了貂を気にするのか分からないまま馬を走らせていた。今週も、理屈を組み立ててから動いてはいない。先に体が動いて、あとに趙軍の武官を殴った事実だけが残る。
886話で描かれた「居場所がなくなったら頼って来い、一緒に来い」という記憶も、たぶんまだ効いている。あのとき断られた誘いの相手が、趙軍の男たちに囲まれて床に転がっていた。カイネにとってあの部屋の光景は、敵軍の軍師が捕まった現場という以上のものだったと思う。
しかも殴った相手は敵ではない。味方だ。趙の将軍が、趙忽軍の本陣で、趙の武官を吹き飛ばした。この時点でカイネは、かなりまずいところに足を踏み入れている。ただ、ここから「カイネが河了貂の味方についた」と読むのは早いようですね。暴行から守ることと、敵軍の捕虜を逃がすことは意味が違う。カイネはまだ、前者しかやっていない。皆さんはカイネはどこまで踏み込むと思いますか。
キングダム887話考察|サブタイトル「壊滅の別働隊」は、なぜ「全滅」ではないのか
読み終わってタイトルに戻って、うなった。886話でカイネに届いた報告は「殲滅」だった。今週のサブタイトルは「壊滅」。言葉の強さが一段落ちている。壊滅は、部隊として戦えなくなること。全滅は、一人残らず死ぬこと。887話の別働隊は前者だ。多数の兵が討ち取られ、生き残った兵も捕虜になり、部隊としては二度と戦列に戻れない。それでも、全員が死んだわけではなかった。
先週の「殲滅」が嘘だったわけでもない。趙忽軍の兵から見れば、目の前の秦軍は片づいている。それが兵から伝令へ、伝令からカイネへ渡る間に、言葉だけが強くなった。原先生は、その一語のずれに河了貂の生死を乗せていたのかもしれない。前話の煽りを疑わずに読んだ人ほど、今週の1ページ目で息を呑んだはずだ。
キングダム888話予想|カイネは河了貂を逃がすのか、自分の捕虜にするのか
カイネが取れる道は、たぶん三つある。一つ目は、暴行を止めるだけで、身柄は趙忽軍に残す。二つ目は、自分の手元へ引き取って、趙忽軍の男たちからだけ守る。三つ目は、本当に逃走に手を貸す。おとぼけの本命は二つ目だ。冷静に考えて、多分皆さんも2つ目を想定しているのではないだろうか...。
三つ目をやった瞬間、カイネは趙の将軍でいられなくなる。李牧のもとで積み上げてきたものが全部飛ぶ。あの場で武官を殴ったところまでは勢いで説明がつくが、敵軍の軍師を逃がしたとなると勢いでは済まない。カイネは、そこまで愚かではないと思っている。それに趙忽がまだ右軍から戻ってきていない。趙忽本人が河了貂をどう扱うつもりなのかは、今週は何も描かれていない。カイネと趙忽がぶつかる回が挟まる可能性のほうが高い気がする。
秦側も気になっている。信たちはまだ、河了貂が生きていることを知らない。読者だけが、生存も、捕虜になったことも、カイネが目の前にいることも知っている。この差がどこで埋まるのか。斥候が持ち帰るのか、カイネのほうから動くのか。信が知った瞬間の顔は、たぶん今週のどのコマより重い。来週は休載ではないらしい。この引きで一週空いていたら、さすがにきつかった。ひとまず安心した。
みなさんは最新号についてどう読みましたか
今週の分かれ目は二つあると思う。一つは、カイネが河了貂を逃がすかどうか。逃がすと読む人もいそうですね。二つ目は、趙軍の「生け捕り」への切り替えを、河了貂にとっての幸運と見るか、長い地獄の入口と見るか。ここは読む人によって、今週の後味がまるで変わると思う。コメントで教えてください。次回の記事でコメントとして紹介させてもらう。
キングダムライターおとぼけの独り言
槍に囲まれた河了貂が思い浮かべたのが信だった、というところが、まだ頭に残っている。あの場面の河了貂は、軍師の顔をしていない。886話で「まだその時ではない」と兵に言っていた河了貂と、同じ人物とは思えないくらい、素の顔だった。囮を仕切っていたときの冷静さが、槍の前では全部はがれていた。だからよけいに、あそこで趙軍の命令が変わったことが引っかかっている。
それでは兄弟たちよ、また木曜にお会いしまっせ!
追伸:現在おとぼけは自身の筆致を模索中だい!実はカッコつけて先週号あたりから筆致を変えてみたら辛辣コメントも付き正直落ち込んでいた。とはいえ、このメディアでのネタバレ考察は10年前の2016年から開始しているので、昔から読まれている読者様にとっては代わりはないので、しっかりとコメントは重く受け止めさせていただきます。また来週も考察レビューしますのでどうかお手柔らかに!ちゃお!
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