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悪女か?恩義に生きた美女か貂蝉の生涯とは?

2015年1月29日


 

反董卓軍マニアック(雷銅 リョカ サマカ 周倉)

 

三国志演義は、登場人物の99%が男というむさくるしい物語です。最近でこそ、ゲームなどの影響で姫武将などが出て華やかになりましたが、以前は、このような変化など想像も出来ませんでした。ただ、そんな硬派な三国志にも、ほぼ唯一、女性が中心になる恋愛物語の部分が存在します。それが、菫卓と呂布を連環の計で手玉に取る美女貂蝉の回です。この貂蝉(ちょうせん)がいるから、三国志には華があると言っていいでしょう。実際に後世でも、貂蝉と呂布、菫卓の三角関係を題材にした、作品は多く描かれていて貂蝉は極めてメジャーです。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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貂蝉は存在したの?

絶世美女 貂蝉

 

しかし、この貂蝉は実在せず、三国志演義の中にしか登場しません。当然、経歴などの詳しい事は不明で、連環の計の成功後は、呂布の妾になり、しばらくすると出なくなります。これも当然と言えば、当然で、貂蝉は連環の計の為にのみ産み出されたキャラクターなので、その後は存在意義が薄れるのです。ただ、三国志演義を元にして、民間では貂蝉にまつわる面白い伝説が伝わっています。

 

民間で貂蝉にまつわる面白い伝説

華陀

 

それによると、元々貂蝉は、大変な不細工だったそうです。これでは、色仕掛けところではないと考えた王允は、伝説の名医、華陀(かだ)に相談します。華陀は、後に関羽の腕に刺さった毒の矢尻を麻酔を用いた外科手術で切開して取り除いたウルトラドクターです。

 

華陀は、王允の依頼を聞き、とある生首を用意

華佗(華陀)

 

華陀は、王允の依頼を聞き、どこからか伝説の美女西施(せいし)の生首を手に入れて貂蝉の首と挿げ替えます。こうして美女に化けた貂蝉ですが、彼女はとても気が小さく、とても菫卓や呂布を騙す程の度胸がありません。そこで今度は華陀が、どこからか始皇帝を暗殺しようとした伝説の刺客、荊軻の肝を調達して貂蝉に移植して漸く貂蝉の決心がついたという事でした。なんだか、フランケンシュタインの怪物のような話で、ホラーな感じがします。

 

なんだかおかしい伝説

荊軻

 

そもそも、西施は、三国志の頃から考えても700年位は前、荊軻も400年は前ですが、それまで肝や生首をどうして、保管していたのでしょうか?

 

また、貂蝉の逸話には、曹操と関羽が貂蝉を取りあい争うという亜流も存在するようです。この話では、曹操が折れて関羽に貂蝉を譲るのですが、関羽は女色に惑わされるのを嫌い、貂蝉を斬り捨てるのだとか。二人の英雄に取りあいされた揚句、選ばれた男に斬り殺されるとは貂蝉が余りにも浮かばれない感じがします。やはり、貂蝉は、菫卓と呂布に奪い合いをされていた方がずっと様になると思うのは僕だけでしょうか?

 

 

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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