三国志に興味はあるけど、なんだか難しそう、でも漫画なら何とか・・そういう人は多いようで、実際、三国志を扱った漫画は30年以上前から登場してはいます。ところが、漫画だからで安易に入りこむと思わぬカオスを開いてしまうのが三国志漫画の危うい所だったりします。そこで今回は、そんなカオス三国志の代表「天地を喰らう」を紹介しましょう。
この記事の目次
人間界以外に天界、魔界、地獄界があるカオス・・
さて、三国志と言えば、最初は黄巾の乱において、漢朝復興の大義を抱いた劉備(りゅうび)が志を同じくする関羽(かんう)、張飛(ちょうひ)と出会い桃園の誓いを結ぶ所から始まります。そこは、天地を喰らうも同じかと思いきや、のっけから違います。
天地を喰らうでは、天界、地獄界、魔界が登場してきます。異界と人間界が分離しているわけではない世界で、これらの異界から様々な妖魔が人間界を出入りしているのです。
天地を喰らうの主人公、劉備玄徳はワラジ売りをしながら、諸国を回る少年ですがワラジ売りは世をしのぶ仮の姿、元をたどれば中山靖王劉勝の末裔・・ではなく、村々で泥棒を働いては見つかり、フルボッコにされて河に流されるという、立派な犯罪者予備軍として登場します。
河に流された途中で関羽に救われるも、あまりのコソ泥ぶりに、関羽も仲間になるどころか、我関せずで去っていく始末です。三国志演義の泰然自若とした劉備玄徳とは似ても似つきません。
死病に冒された姉妹を妻にする事で運命が激変
ある村を劉備が訪れた時、そこには死病に冒された二人の姉妹がいました。姉妹は「死ぬ前に何とか夫を持ちたい」と願います。その村でたまたま居合わせた諸葛亮孔明(しょかつ・りょう・こうめい)は姉妹の正体を見抜き、姉の方を妻にすると言います。すると劉備もつられて妹を妻にすると言いました。
しかし、死病を嫌う村人は、劉備と孔明に付き添われた姉妹に石を投げます。それにキレた姉妹の妹は、突然、竜に姿を変えて大暴れし、やがて、劉備と孔明を連れて天に昇っていくのです。
突然の急展開に唖然、茫然・・
はい、いきなり訳が分らなくなりました。三国志の知識があると、なお分らなくなりますが、天地を喰らうでは、劉備は関羽とは最初に会うけどカスって次には孔明に出会い、しかも2人には、ほぼ年齢差がないという設定になっています。実際は20歳位、違うんですけどね・・
天界の黄金宮殿で竜王の娘達とウヒョ♪になる劉備と孔明
二匹の竜は、麗(れい)と嵐(らん)という天界の竜王の娘でした。二人は定期的に地上に降りて、若い男の一度も漏らした事のない精を体内に入れて永遠の若さを維持しているのです。
ただ、しょうもない男とウヒョ♪な関係にはなりたくないのでわざと死病のように見せて、見せ掛けではなく内面を愛してくれる男を探していたのです。永遠に若さを維持して生きられるのに、なんか贅沢な要求ですが、それも女心なのでしょう。
そして、姉妹に選ばれた男はウヒョ♪する代わりに、何でも望みを叶えられるというのです。そこで孔明は、姉の麗とウヒョ♪した上で、森羅万象の知識を記した本を与えられます。一方の劉備ですが、妹の嵐とウヒョ♪しようとして拒否られます。実は、嵐は5年前に一人で婚活して曹操(そうそう)とウヒョ♪していて、劉備を受けいれる事が出来なかったというのです。
因みに曹操の望みは、天下を手に入れるでした。ノッケから曹操の覇権が確定したようなもんですね・・・・この天地を喰らうは、連載が週刊少年ジャンプなので少年誌なんですが、こういう青年誌のようなシーンが多いのが特徴です。
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