彼が曹操の跡を継いだ時に蜀からひとりの人物が魏へ寝返ってきます。
その名を孟達(もうたつ)です。
曹丕は孟達が魏へ降伏してきたと知ると彼にラブコールを送っていたのをご存知でしょうか。
敵の武将が寝返ってくるのは喜ばしいことなので、
ある程度のラブコールや褒めるのはよくある話ですが、
曹丕の場合はやりすぎでちょっと引いてしまうほどでした。
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孟達が寝返る
曹丕が曹操の跡を継いだ時に蜀からひとりの武将が寝返ってきます。
その武将の名前を孟達と言います。
曹丕は彼が寝返ってくる前から彼に関してのある程度の情報を知っておりましたが、
いざ彼が寝返ってくると再度調査をするために文官を彼の元へ派遣。
その文官が孟達を観察して戻ってくると曹丕へ「将軍は大臣の器といっていいでしょう」と
報告してきます。
曹丕はこの報告を聞くと孟達をまだ見ても居ないのにすごく気に入ってしまい、
彼にラブレターを送ります。
孟達へのラブレターその1:めちゃくちゃ孟達を持ち上げる
曹丕は孟達と会見する前に彼へ手紙を書きます。
彼が孟達へ書いた手紙の内容は「君は時勢を観ることに優れ、
優れた才能を持っているそうですね。
平和となっている我が国にとって欠かすことのできない人物がやってきたことを
私は嬉しく思います。
当然君のような優れた人物は、
伝記に名を残してもおかしくない人物であると思っています。」と
孟達の事をかなり持ち上げて褒めまくっております。
しかし曹丕のラブレターはこれだけでは終わりませんでした。
孟達へのラブレターその2:古の武将を超える人材
曹丕は日を改めて降伏してきた孟達へラブレターを送ります。
今度の内容は前よりもすごく「前漢の陳平を見た劉邦(りゅうほう)は一度見ただけで、
彼を自らの車に載せたそうです。
私の君に対する気持ちは劉邦や他の古の人々の気持ちよりも優っていると思っている。
そこで私の気持ちを表す物として私が使っている馬具と馬を君へ届けて、
私がどれだけ君のことを思っているのかわかっていただきたい」との
内容を書いて孟達へラブレターを送ったそうです。
ついでに孟達は男の人で女性ではないです。
古の人々の気持ちよりも優っている気持ちってどんななのか想像できませんが、
曹丕が孟達を魏の諸将よりも愛していたことは間違えないでしょう。
孟達がやってくると歓喜のあまり
曹丕が待ちわびていた日がついにやってきます。
孟達が曹丕へ会見する日です。
曹丕は孟達が自らにお目通りした際優雅な雰囲気を醸し出して、
曹丕に対して述べる言葉は気品溢れて優れていたそうです。
彼は孟達をよんで自らの車に陪乗させて一緒にデートを行ったそうです。
もちろん近衛兵はいたと思いますが・・・・。
それにしても曹丕はどんだけ孟達に魅力を感じていたのか不思議でしょうがありません。
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三国志ライター黒田レンの独り言
曹丕は孟達を車に乗せた際彼の背中を触って
「きみ~。もしかしたら劉備に俺を暗殺して来いなんて言われてないよね」と
かなりブラックな冗談を言ったそうです。
しかし孟達はさほど気にすることなく「そんなことはありません」と言ったそうです。
それにしても曹丕の猛アタックぶりは狂気を帯びているのではないかと感じるくらいです。
父・曹操も関羽には非常に甘く、関羽が亡くなった時に彼の葬式を行うほどでした。
そのため曹丕の孟達への偏愛ぶりは、
父曹操から譲られたものだからしょうがないのかもしれませんね。
参考文献 ちくま文芸文庫 正史三国志魏書2 今鷹真・井波律子著
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