三国志の劉備(りゅうび)が遺言の中で息子に「読め!」って
オススメするほど愛読していた兵法書、六鞱(りくとう)。
起業家社長の劉備オヤビンが推してるものなら間違いない。
現代のビジネスマンにも参考になる内容がめじろおしですぞ!
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その事業に、愛はあるか。
六鞱は王様と臣下の問答形式で書かれており、内容も経営者向けでございます。
まず最初にはこんなことが書かれています。
天下は一人の天下にあらず、すなわち天下の天下なり。
天下の利を同じくする者は、すなわち天下を得、
天下の利をほしいままにする者は、すなわち天下を失う
世の中の役に立つ事業をやっていれば成功するし、
自社の利益ばっかり考えながらやってると市場から受け入れられないよ、ってことですね。
当たり前のことのようですけど、会社を経営されている方は
きっと「天下は一人の天下にあらず」なんて脳内で唱えながら、
この事業は世の中の役に立っているか? 儲け主義に走っていないか?
と常に考えながらなさっているんでしょうね。偉いなぁ……。
尊敬します、おとぼけCEO。
決断とスピード
こんな↓部分も現代のビジネスにまんま使えますね。
善を見て怠り、時至りて疑い、非を知りて処(お)る。
この三者は、道の止まる所なり。
ここだ! と思った時はすぐ動かないと、経営が行き詰まっちゃうよ、ってことですね。
これも当たり前のことのようですけど、こういう言葉が
頭の中に入っていると、何か決断しなくちゃいけない時に
「自分はいま善を見て怠っているのではないのか?」なんて
自らを振り返って、決断して行動する勇気が沸きそうです。
劉備オヤビンが陶謙(とうけん)から徐州(じょしゅう)を
譲られた時には、徐州は曹操(そうそう)から目の敵にされていて、
徐州を譲り受けるのは火中の栗を拾うようなリスキーなことでしたが、
受ける決断をした劉備オヤビンの脳内にはきっと
六鞱のこの部分がひらめいていたことでしょう。
波動の時代を生きた先人たちから学ぶ『ビジネス三国志』
口コミにたよらず業務内容を理解できる人が評価
人材登用法なんかも書かれていますよ。
君、世俗の誉むる所の者を以て賢となし、
世俗の毀(そし)る所の者を以て不肖となせば、
則ち党多き者は進み、党少なき者は退く。
みんなの口コミを漠然と聞いてるだけだと、仲良しが大勢いる人の
いい噂ばっかり入ってくるから本当に有能な人を見つけられないよ、
ってことですね。ならどうするかと言うと、
将相、職を分かちて、各官名を以て人を挙(あ)げ、
名を按(あん)じ実を督し、才を選び能を考え、
実をしてその名に当たり、名をしてその実に当たらしむれば、
則ち賢を挙ぐるの道を得るなり。
業務内容を理解している上司に勤務評定させろ、って言ってます。
これは自社の社員を評価する方法としては現代では常識となっている
やり方ですが、中途採用の人を選ぶ時にも応用したらいいと思いまーす。
(現場を知らない役員さんがヘッドハンティングで連れてきた人材って、
けっこうイタいことになりがちじゃありませんかね……)
理想の管理職に、俺はなる!
自分は経営者じゃないよ、という方には、管理職にふさわしい人材の
選び方として語られている気をつけたい十の欠点の話などいかがでしょうか。
(カッコの中は私のテキトーな要約です)
一、勇にして死を軽んずる者あり(無鉄砲)
二、急にして心速やかなる者あり(せっかち)
三、貪にして利を好む者あり(金に汚い)
四、仁にして人に忍びざる者あり(優しすぎる)
五、智にして心怯なる者あり(考えすぎで度胸がない)
六、信にして喜んで人を信ずる者あり(簡単に人を信じすぎ)
七、廉潔にして人を愛せざる者あり(潔癖すぎ)
八、智にして心緩なる者あり(のんびり考えてしまう)
九、剛毅にして自ら用うる者あり(俺が俺が、と自分で全部やっちゃって人を使えない)
十、懦にして喜んで人に任ずる者あり(お手軽に人任せで仕事を進める)
自分がこれらに該当しないか考えながら動くと、いつもバリッとした
カッチョイイ上司になれそうですぞ!
三国志ライター よかミカンの独り言
六鞱は二千年も前からあった本ですが、そんな大昔の人でも、
人を動かして何かをやろうと思った時に課題になるテーマというのは、
現代とけっこう共通しているんですね。
お仕事で何か課題に直面した時に、いにしえの人の漢文調の
カッチョイイ文言を頭に思い浮かべながら取り組めば勇気倍増!
六鞱、オススメです!
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