始皇帝の秦帝国の首都、
シルクロードの出発点で、現在では西安と呼ばれています。
その西安に、私ことよかミカン、行ったことがありますので、
どういう場所だったかご紹介させて頂きます。
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西安の概要
西安は中国の北のほう、しゃくとり虫のような形の黄河の流れが
東に向かってカーブするポイントから西に80kmほどの地点にあります。
(陝西省とか渭水盆地とか言ったほうがいいんでしょうけど、
そういう言葉を聞いてピンとくる方はそもそも西安の場所をご存知ではないかと)
周(紀元前千年ごろ~)のはじめのころに都がおかれていました。
後に天下統一を果たした秦帝国の首都でもあり、続く漢でも
最初のころは首都となっていました。
後漢の首都は洛陽でしたが、末期には三国志で
暴虐非道な人物として有名な董卓が長安への遷都を強行しています。
隋、唐の時代にも首都であり、唐代には100万を超える人口を擁する世界最大の都市でした。
各地から使者が訪れる国際都市であり、日本からも数度にわたって遣唐使が訪れています。
長安の街の構造は日本の平城京や平安京の都市デザインのモデルとなったといわれています。
楊貴妃とのロマンスで有名な玄宗皇帝の治世に唐は繁栄の絶頂期を迎え、
その頃の長安では李白、杜甫などの詩人が過ごし、
遣唐使の阿倍仲麻呂が仕官していました。
現在の西安は工業都市として栄え、ITなどの先端技術にも力を入れています。
また、数々の歴史遺産を有する観光都市でもあります。
郊外には半坡遺跡、兵馬俑坑、永泰公主墓などの考古学的に興味深い遺跡や、
平山郁夫の絵で有名な大雁塔、
玄宗皇帝が冬に楊貴妃と入り浸っていた温泉地の華清池、
空海が恵和から密教の教えを受けた青龍寺などがあります。
(大雁塔と青龍寺は西安市街から近いです)
歴史と現代が共存する街並み
西安は歴史的な都市の構造を残しており、道路は東西方向と南北方向の道が交差する
マス目状で、周囲を城壁に囲まれています。
南側から見た場合の幅が3kmあまり、奥行きが2.6kmほどです。
壮麗な城壁を残した大都市である、という印象です。
城壁の下に作られたトンネルを自動車や荷車が
ふつうに往来している賑やかな様子を見ていると、
歴史の街の上にそのまま現代がある様子が感じられました。
城壁は唐代の基礎の上に明代に補修されたもので、
高さは12m、てっぺんの幅は15mあり、登って散歩することができます。
レンタサイクルでも回れるようです。
南側の城壁中央の安寧門を入ると、真正面に鐘楼が見えます。
これは街の中央部南よりに位置し、時を告げたり物見台の役割をしたりするものだったそうです。
重櫓複屋という独特の建築様式で、外から見ると三階建てのようですが内部は二階建てです。
街の中にはイスラム街、骨董街、レストランの建ち並ぶ通りなど、みどころがいっぱいです。
私が一番面白かったのは「碑林博物館」でした。
時代を超えて愛される中国四大奇書「はじめての西遊記」
すっごい碑文が無造作に並ぶ碑林博物館
碑林博物館は南側の城壁の文昌門からすぐのところにあります。
私はなんにも知らずに何気な~くぶらぶらと行ってみたのですが、
すごいものがありすぎてびっくりしました。
2000年も昔の漢代のものや、超有名人の顔真卿の書などの石碑が、
墓石みたいに無造作にびっしり立て並べてあるんですよ。
歴史的に重要そうに思えるものも、カバーも何もなしで立っているものが多く、
観光客が手で触ってツルツルにしてしまえそうな感じです。
悠久の歴史を持つ中国では珍重するべき文物の基準が日本と違うのかも、と感じました。
世界史の教科書に載っていた「大秦景教流行中国碑」
(唐代にネストリウス派キリスト教の伝来などを記した碑)もありました。
こちらはさすがにカバーがついていました。
見上げるような大きさでした。
名物料理「餃子宴(ぎょうざえん)」
西安では粉食がさかんで、いろんな形状のおもしろ麺類を食べることができます。
しかし西安グルメで絶対外せないのは蒸し餃子です。
「餃子宴」と呼ばれる西安の名物料理で、
いろんな味や形のかわいい蒸し餃子を味わえるコースがあります。
花の形、金魚の形、ヒヨコの形、などなど。見た目もかわいく味もおいしいので、
西安へ行かれたらぜひ召し上がって頂きたいです。
私は一人でランチを頂きましたが、お一人様用の「いろんなものを一個ずつ」のコースが
あったのでよかったです。
そういうコースがあるお店は多いようですので、一人旅の方もぜひトライしてみて下さい!
三国志ライター よかミカンの独り言
大昔からの都、国際都市、シルクロードの起点。
そして、歴史を感じさせる城壁と現代の先端技術が共存する西安。
歴史好きの方には居るだけで楽しい街だと思います。
おいしい蒸し餃子を食べながら楊貴妃や董卓(!)に思いを馳せるのは
なかなかエキサイティングな体験でした!
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