東方明珠のへなちょこ黄河旅行記 その2

2015年2月10日


 

旅 三国志

 

三国志は好きでも、中国旅行に行くのはハードルが高いとお考えの方に送る、

中国語もろくに話せない女が度胸で行ってみた体当たり旅行記です。

 

これは、ヘタレすぎる私の残念すぎる体験や、

心あたたまる出来事を通して

三国志ツアーに参加したいけれども二の足を踏んでいるアナタを後押しするという企画です。

 

前回記事:東方明珠のへなちょこ洛陽旅行記 その1

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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母なる黄色い河

 

 

黄河(こうが)は中国の北部を流れる大きな川です。

中国では、長江の次に長い川で、世界では6番目に長い川です。

 

中国では「河」というと黄河のことを指し、「江」というと長江を指します。

河北省、河南省などの地名は、黄河の北、南、という名前になります。

 

黄河は、世界四大文明のひとつ、黄河文明が栄えたことでも有名です。

 

三国志と黄河

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三国志で黄河というと、

『正史三国志』ではありませんが、横山光輝さんの三国志の冒頭シーンを思い出します。

 

若かりし劉備は、漢王朝の末裔とは名ばかりで、

母とむしろを売る貧乏生活をしていました。

 

ある日、劉備は苦労ばかりの母に、当時としては大変高価なお茶を飲ませてあげたいと思います。

 

劉備は、黄河のほとりについた洛陽船に、なけなしの金をはたきますが高額すぎて買えません。

そこで、父の形見を手放してお茶を手に入れます。

 

劉備は帰路で盗賊に襲われたりして、散々な目に遭いますが、

ようやく家にたどり着き、母にお茶を渡します。

 

しかし、母は、父の形見を手放したことを知るとたいへん怒り、

お茶をすべて黄河に投げ捨ててしまいます。

 

……書いていて今気づきましたが、もしかして劉備の母が

お茶を投げ捨てた川は黄河ではないですね。地理的に。

 

ですが、やはり中国といえば、黄河!

黄河を見るためだけに、体当たり旅行に行ってきました。

 

 

黄河のために、蘭州へ

 

 

黄河が一番簡単にみられる町といったらどこかな、と調べたところ

蘭州(らんしゅう)なら飛行場もあるし、町中に堂々と河が

流れているみたいだし、ちょうどいいということになりました。

 

そこで、8月に飛行機で蘭州までひとりで行ってきました。

目的は黄河を見るためです!本当にそれだけです……。

 

直前に、蘭州市の気温が25℃~38℃と聞いていました。

かなり熱いなあと覚悟はしていましたが、実際は、42℃でした。

 

地表は、まるで煙でも出ているようにぐらぐらと煮え立っています。

立っているだけで気分が悪くなる蒸し暑さです。

 

洛陽旅行で、冬の寒いのにはこりたので夏にしたのですが、

真夏の旅行も大変です。

 

さて、さっそく黄河を見に行きます。

黄河に架かる中山橋という大きな橋までバスで行き、

河原に下りて眺めてみました。

 

実際の黄河は・・・・

 

 

黄河はやっぱり黄色かったですよ!!

思った以上に川幅が広く、色が黄色いために水底も見えないので

とても深い川に見えました。

 

そして流れが非常に速く、もし足を滑らせて落ちたら、

命がないかもしれないと思いました。

 

付近には、河原で遊ぶ子供や、河を眺めるカップルもいました。

劉備の買ってきたお茶を投げ捨てる人はいませんでした。

 

今回の旅は、黄河目的で、それ以外はないので、

また場所を移動して、別の地点から黄河を眺めてみることに。

今度は黄河橋のたもとから、眺めてみました。

 

こちらは人がまばらで、河風に吹かれながら

ぼんやりとたたずむには最適でした。

 

 

黄河に触れてみた

 

 

河に落ちないように気をつけながら、水に触れてみました。

冷たくもぬるくもなく……?

さすがにすくって飲む勇気はなく断念しました。

とにかく流れが速いのに、驚きました。

 

蘭州ラーメン

 

 

中国旅行に行くと、必ずといっていいほど目にするラーメンがあります。

それが、「蘭州拉面(らんしゅうラーメン)」というブランドです。

 

おそらく日本で言う「札幌ラーメン」とか「長崎ちゃんぽん」のような

感覚で、蘭州と言えばラーメンというイメージがあるのです。

 

しかし、日本では「蘭州ラーメン」はまったく認知されていません。

 

ずっと気になっていた蘭州ラーメンの正体をさぐるべく、

蘭州市の中でも老舗といわれている

「馬子禄牛肉面館(まごろくぎゅうにくめんかん)」というお店へ

行ってみました。

 

またまた想定外・・・

 

ヘタレすぎるいろいろな事情がありまして、

そちらのラーメン屋さんには朝の7時に行ったのですが

そんな早い時間でも、行列ができていました。

 

しかし、回転が速く行列はすぐに進み、あっという間に順番に。

 

目の前で手延べめんを作ってくれて、それを器に入れると、

透明なつゆを入れ、パクチーと牛肉ブロックを投げ入れ、最後に辛味をかけて出来上がりです。

 

蘭州ラーメンをたべてみたよ

 

とてもシンプルな見た目でしたが、お味は……

めんののどごしがつるっとして最高で、

牛肉の味はしっかり味がついていて食べがいがあり、

なにより、つゆが、どうしてこんなに透明なのに深い味がするの?

というほどおいしかったです。

 

おおげさではなく、

これ一杯で幸せがもらえるラーメンでした。

 

 

暑さでふらふらになり、黄河しか見ていない蘭州旅行でしたが

すてきな旅行になりました。

蘭州ラーメン、最高です。

 

次回記事:東方明珠のへなちょこ長江旅行記 その3

 

 

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東方明珠

中国は上海の雰囲気が好きなので、テレビ塔の「トンファンミンジュ」を名乗っています。もともと『水滸伝』の大ファンで、『三国志』に興味を持ったのは、アーケードゲーム「三国志大戦」がきっかけです。当時はゲームセンターに通いつめました!まだまだ中国史について勉強中ですが、精いっぱい面白いことを探してお伝えしたいと思っています。

-三国志の雑学