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三種の神器の秘密とは?古代出雲王国と邪馬台国の怨念あり?

2019年3月7日


 

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コーノヒロさん(はじめての三国志ライター)

 

こんにちは。コーノヒロです。

今回は「三種の神器(さんしゅのじんぎ)」のお話です。

 

三種の神器とは、古来、日本で、天皇即位のために必要な神器として伝わっていますね。前回のお話では、邪馬台国(やまたいこく)の女卑弥呼(ひみこ)政権の幹部三人の役割を表象化したものが、三種の神器となったのではないかとの推測をお話しました。

 

しかし、そこでの疑問点として、自然に浮ぶのが、神器の一つの「草薙の剣(くさなぎのつるぎ)」の象徴についてです。

邪馬台国の卑弥呼政権の幹部が三種の神器の象徴であったなら

 

卑弥呼(ひみこ)=鏡

ツクヨミ=勾玉

難升米(なしめ)=剣

 

です。

 

しかし、古来、いつからか、

剣=スサノオの組み合わせとして伝わっているのではないでしょうか?

 

なぜでしょうか?

 

スサノオは、邪馬台国と敵対した狗奴国の当主であり、邪馬台国が滅亡に追いやった古代出雲王国(以降、「出雲王国」と記載。)の創始者でした。

どちらにせよ、邪馬台国と相対する勢力の王だったのです。

 

三種の神器=邪馬台国の政権幹部三人という定義が崩壊してしまいます。

 

謎が膨らみますね。

探っていきましょう。

 

日本古代史を分かりやすく解説「邪馬台国入門

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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消された難升米の功績?

難斗米(なしめ)

 

アマテラス(卑弥呼)とスサノオ(卑弥弓呼(ひみここ))の死後、邪馬台国と狗奴国の友好の証として、アマテラスとスサノオは、共立される存在となったと、以前の記事でもお話したと思います。

 

つまり、邪馬台国と狗奴国が、共存共栄するために、敵対していた二人の王が、つまり、卑弥呼(アマテラス)と卑弥弓呼(スサノオ)が、死して、ようやく手を携えたという形をとり、新たな国造りの象徴にしようとしたのです。

 

その力が新国家に働いたということではないかということなのです。新国家の樹立には、過去に存在していた怨念や呪縛を消しさりたいという力が働くでしょう。

ですから、三種の神器の原点は、大和朝廷の前に存在していた

 

邪馬台国=卑弥呼(アマテラス)

狗奴国=卑弥弓呼(スサノオ)

であったのです。

 

それらの怨念を消しさるために拝み奉ったのです。

それ故、剣(武力)は、狗奴国のスサノオを象徴することになったというのです。ただ、スサノオは、出雲王国(いずもおうこく)の創始者たる王としても伝わっていますね。

ですから、三種の神器の2つは、邪馬台国と狗奴国、出雲王国の三王国を象徴するということではないょうか。

 

鏡=邪馬台国、剣=出雲王国なのです。

 

では、三種の神器の残り一つの「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」とツクヨミの存在は?という疑問が生じますね。

 

 

 

大国主(オオクニヌシ)のお株を奪った天武帝?

オオクニヌシ(日本神話)

 

しかし、よくよく考えてみると

勾玉の象徴と言えば、出雲王国の発展に帰依したオオクニヌシ(大国主)と伝わっていなかったでしょうか?

 

そして、さらに、こんな説もあります。

 

古来、勾玉とは、ヒスイという物質の原料で造られていたようです。そのヒスイは、「越」と呼ばれた北陸地域にで多く採れたのです。

 

「越」は、元々、北陸地域に独自の王国を築いていたと伝わっています。

 

所謂、「越前(福井県)」、「越中(富山県)」、「越後(新潟県)」の地域に相当するでしょう。加えて、「能登・加賀(石川県)」も含まれていたでしょうか。

 

そして、その「越王国」は出雲王国のオオクニヌシによって征服されたというのです。

それによって出雲王国の領土は飛躍的な成長を遂げます。

 

その象徴として、越で採れるヒスイを使って、勾玉を作ったのではないでしょうか?

 

ちなみに勾玉とは、王の権力を象徴する意味で伝わっています。

詳しくは別の機会にお話しますが、その起源は、古代中国の、揚子江文明(黄河文明より古く、紀元前5000年~紀元前3000年に生まれた世界最古の文明とも伝わる)にあるというのです。

その頃から、玉石は「魂が宿る聖なる石」として珍重されていたのです。

 

権力の象徴を意味する勾玉を、越地域のヒスイを使って作り出したということは、越をも支配下に入れたと広く知らしめるためだったでしょう。

つまり、ヒスイの勾玉は、出雲王国の発展の象徴であり、時の大王・オオクニヌシを賞賛するモノとして作られたとも言えるのです。

 

ですから

勾玉=越王国、出雲王国を意味するでしょう。

 

そして、

草薙の剣=スサノオ(卑弥弓呼)=出雲王国と狗奴国

 

であり、

 

さらに、

鏡=邪馬台国=卑弥呼(アマテラス)

 

を意味したのです。

 

 

つまり、勾玉も含め、三種の神器は、過去に日本列島に存在していた、複数の古代王国をを取り込んだことを表していると言えるでしょう。

 

そして、その内、勾玉を、天武帝は、自らの象徴として取り込みます。

玉は魂のこもった王の象徴であり、オオクニヌシを自らに重ねたということでしょう。

しかし、そうすると次のような疑問が浮かびませんか?

 

日本古代史を分かりやすく解説「邪馬台国入門はじめての邪馬台国

 

 

なぜ、天武帝は、勾玉=天皇=月影としたのか?

 

ということです。

というのは、勾玉は、古来、王の象徴として伝わってきたので、天皇の象徴とするのが、すんなりと理解できますが、それを月影の如くの存在のツクヨミにも自らの存在に重ねたというのです。

 

つまり、天皇=月影なのは不思議ではないですか?

天皇=太陽と繋がるのが自然な流れではないでしょうか?

 

天武帝は、記紀編纂のよって、ツクヨミの存在を高めようとしたとも言われています。その疑問に応えるためには、当時の常識に立ち返ることが大切です。当時、権威と知識の象徴とされていた、占星術、陰陽道の存在が大きいのではないかということなのです。

 

当時の日本は現在とは違い、太陰暦ですね。月の存在に重きが置かれたのです。現代日本を生きている私達は、ここを見逃しがちです。月の神であるツクヨミが権威の象徴とされるのは当然ではないでしょうか。そういえば、勾玉は三日月型に見えます。勾玉は月の象徴とも言えるでしょうか。

 

また、天武帝は、日本で初めての天文台を設置したとして知られています。天文の分野に関心強かったようです。

 

ただ、今の、天文学というよりは、占星術に近いものだったと言われています。そのツクヨミに天武帝が同化し、自身に権力を集中させようとしたのも頷けるのです。つまり、天武帝が描いた権力組織は、まず、太陽神というカリスマとして、女王が存在し、それを支える月神として、表向きの政治を取り仕切る天皇という存在がいたということでしょうか。

 

あるいは、女性天皇=太陽神であり、男性天皇=月神と位置付けたかったのかもしれません。その証拠に、天武帝の後、約80年の間に、4人もの女性天皇が立て続けに登場するのではないかとの推察も頷けるのです。

 

 

終わりに

 

しかし、ここで新たな疑問点として、なぜ、天皇の象徴たるツクヨミの存在が、記紀やその他の伝承や歴史書から抹消されるが如く、存在感がないのでしょうか?次回はその謎について探っていきましょう。お楽しみに。

 

【主要参考文献】

新訂 魏志倭人伝・後漢書倭伝・宋書倭国伝・隋書倭国伝―中国正史日本伝〈1〉 (岩波文庫)

葬られた王朝―古代出雲の謎を解く (新潮文庫)

ツクヨミ 秘された神 (河出文庫)

吉野ケ里と邪馬台国―清張 古代游記

古代出雲を知る事典

新訂古事記―付 現代語訳 (1977年) (角川文庫)

日本書紀(上)全現代語訳 (講談社学術文庫)

 

日本古代史を分かりやすく解説「邪馬台国入門

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大和朝廷

 

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コーノ・ヒロ

コーノ・ヒロ

歴史好きのライターです。 福祉関係の仕事をしつつ、物書きの仕事も色々としています。 小説や詩なども、ときどき書いています。 よろしくお願いします。 好きな歴史人物 墨子、孫子、達磨、千利休、良寛、正岡子規、 モーツァルト、ドストエフスキー など 何か一言 歴史は、不動の物でなく、 時代の潮流に流される物であると思っています。 それと共に、多くの物語が生まれ、楽しませてくれます。

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