大人気春秋戦国時代漫画キングダム。3月5日発売のyjではキングダムは休載です。さあさあ!そんな時にはキングダム好きもアンチキングダムも寄っといで、十分に俺に引き付けた所で水戸泉のように塩をぶつけてやるからなぁ!ケラケラ・・
冗談はさておき、今回は何故か鄴と並び、難攻不落設定になっている閼与の真実について考えます。
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この記事の目次
キングダム634話休載SP「難攻不落?そもそも閼与は城じゃない」
習慣とは恐ろしいもので、鄴、閼与と漫画を往復している間に、kawausoはいつの間にか閼与も城だと思い込んでいました。これには多分、李牧が黒羊を要塞化したという情報が頭に残っていたからでしょう。
でも、史記に出てくる紀元前269年に秦と趙の間で起きた閼与の戦いを見ると、そもそも、閼与には城も住民もいない。黒羊丘と同類の山脈に囲まれた隘路の中にある中継地に過ぎない事が段々と明らかになってきました。
キングダム634話休載SP「史記を読むと閼与が城じゃない疑惑」
では、閼与の戦いについて解説した下りを見てみましょう。
秦は韓を討とうとして、公孫胡昜に軍を率いさせて、閼与に布陣した。趙王は廉頗や楽乗に韓を救援すべきか?と質問したが両者とも「道が険しくて難しい」と答えた。
そこで王は趙奢を呼んで訪ねた。趙奢は「道は険しいが、例えて言えば二匹のネズミが穴の中で戦うようなもの。将の勇敢なほうが勝つでしょう」と答えた。趙王は趙奢を指揮官として救援に向かわせた。
このように、秦は公孫胡昜に軍を率いさせて閼与に布陣しています。
注目すべきは、廉頗や楽乗、趙奢にいたるまで閼与の城市について何も言わず、ただ道が険しいので救うのは困難ですとしか言っていない事です。閼与はただの地名か、あったとしても、黒羊のような小さな村だけかも知れません。
キングダム634話休載SP「閼与に急行せず油断させる趙奢」
さらに、史記の記述を見てみましょう。
趙奢は邯鄲から三十里の地に塁壁を築いて進軍を停止し、以後軍事について私に意見する者は処刑すると厳命した。一方で公孫胡昜は武安の西に陣を敷いて趙軍を待ち構えた。その勢いは武安の家屋の屋根瓦が残らず振動するほどだった。
兵士が「急いで武安を救援しましょう」と趙奢に進言した。趙奢はこの兵士を斬った。
ある日趙軍の陣に間者が入り込んだが、趙奢は間者を歓待し帰った。趙軍は塁壁を築いていて進軍を止めているという間者の報告を聞いた秦の将軍は「趙はすでに閼与を捨てた」と喜んだ。
趙奢は真っすぐ閼与に向かわず、わざと遥か遠くに堅い防塁を築いて意見する部下を斬るなど、やる気のないアピールをしています。これで秦も油断し、閼与に進軍する速度が鈍ります。
もし、閼与が城なら、とにかく急ぐべきで遥か遠くに防塁を築き、私は閼与に関心がありませんという顔をする必要はありません。これは、迂闊に閼与に入るのを避けていると取れます。
キングダム634話休載SP「北山を獲る事が勝利条件」
では、史記の最期の件を見てみます。
趙奢は間者を帰らせた後、突如軍勢を急行させ、閼与から五十里離れた所に陣地を築いた。これを聞いた秦軍は慌て、全兵力を趙軍に向けてきた。趙奢は配下の許歴の意見を聞き入れ、厚い陣形を敷き、1万人を北の山上に登らせた。秦軍は遅れてやってきて、山を奪取しようとしたが登ることができなかった。趙奢は待機していた軍勢を繰り出して秦軍を大破した。
最終的な勝利条件を確認しましょう。それは、野戦でも城の解放でもありませんで、閼与の北の山に登りマウントを取る事です。高い位置に軍を置くと言う事は、前の黒羊と同じで閼与が山に囲まれた隘路であり、高い位置を取る事が敵を把握できるからに他ならないでしょう。
秦は、趙奢の策略に気づき何とか山を登ろうとしますが、それが叶わず、山上から満を持して攻め下りてくる趙の勢いに大破されています。
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