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【キングダム】悼襄王を殺した鴆毒って何?本当に尻から血が噴き出す?


 

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不老不死を目指す始皇帝

 

6月18日発売のキングダム644話は衝撃的でしたね。悼襄(とうじょうおう)が愛用の巨大な風呂、桃泉殿(とうせんでん)で美少年が注いだドロドロした液体を飲んだ瞬間。

 

オフゥッ!と嘔吐(おうと)し、その後心臓麻痺(しんぞうまひ)を起こし全裸で頭から床に倒れ込み、口と尻から血をビュバーッ!と噴き出して死ぬという壮絶な最期を迎えました。今回、悼襄王を殺害した毒は古代中国で多くの人間を殺した鴆毒(ちんどく)かも知れません。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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秘孔?体の七つの孔から血を流し死ぬ

内容に納得がいかないkawauso様

 

鴆毒とは、羽に猛毒を持つと言われた古代中国の伝説の鳥である(ちん)の羽から採取された毒の事で、春秋戦国時代、(しん)献公(けんこう)の妃の驪姫(りき)が自分の息子に王位を継がせるのに邪魔な公子の申生(しんせい)を陥れようとした故事で出てきます。

 

故事では、鴆毒を混ぜた酒を地面に注ぐと地面がボコボコと盛り上がったとあるので、すでに飲む以前の問題だろ?という強烈ぶりでした。そして、運悪く、この鴆毒を酒に混ぜたものを飲むと、体中の七つの孔から血を流して死ぬと書かれています。

 

この描写、口と尻からビュッバー!と血を噴いて死んだ悼襄王の最期に似ていますよね?なので、オフ王をオブゥッ!とさせたのは鴆毒ではないかと思うのです。また、鴆毒は即死するほどの猛毒なのに無味無臭であり、毒と気づかれて敬遠される恐れが少ないというメリットがあり、暗殺には最適でした。

 

鴆毒のつくり方

科学者風の斉彬

 

羽から鴆毒を採取できる鴆ですが、実際には存在しない架空の鳥とも言われています。つまり、猛毒というイメージだけが独り歩きしただけで鳥自体は伝説に過ぎないかも知れないわけです。ただ、毒のイメージが強烈なせいで鴆毒という名前だけは残り、周礼という書物には鴆毒を造る為の五毒が書かれています。

 

それは、雄黄(ゆうおう)(ヒ素硫化物)礜石(よせき)硫砒鉄鉱(りゅうひてっこう)石膽(せきたん)硫酸銅(りゅうさんどう)丹砂(たんしゃ)丹砂(たんさ)慈石(じせき)磁鉄鉱(じてっこう))の五種類で、この五毒を素焼きの壷に入れて、その後3日3晩かけて焼くと白い煙が立ち上がるので、この煙でニワトリの羽毛を(いぶ)すと鴆の羽になり、さらにこれを酒に浸すと鴆毒酒になると書かれています。

 

どうして煙で羽毛を燻すのかというと気化した砒素毒の結晶を成長させる事で毒を集める昇華生成方法の一種ではないかと考えられています。

 

キングダムネタバレ考察

 

呂不韋も鴆毒で死んだ!

呂不韋

 

キングダムではすでに失脚してしまった呂不韋ですが、彼も始皇帝の猜疑心に将来を悲観し酒に鴆毒を浸して飲んで自殺したと史記には記録されています。ということは、呂不韋も尻から血をビュバーッと噴き出して死ぬのでしょうか?

 

まあ、呂不韋は全裸で死ぬわけではないと思うので、仮に鴆毒を飲んでも、そんなキツイ描写にはならないとは思いますが、、

 

どうして悼襄王は、あのドロドロを平気で飲んだの?

曹操

 

しかし、オフ王の死にはまだまだ疑問が残ります。それは、なんであんないかにも怪しいドロドロした液体を飲んだのか?です。普通なら、なんじゃこりゃ、こんなもの飲めるか!になりそうですよね?

 

これについては、2つの事が考えられます。ひとつは、キングダム当時の中国には清酒というものがなく、酒はすべてどぶろくであり、飲むときにはドロドロした部分が沈殿してから上澄みを飲んでいたのではないか?という事。もう一つは、当時の薬は酒に溶かして飲んでいたので、あのドロドロした液体は、薬の成分かも知れないという事です。

 

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すでに、酒を飲みながら咳き込んでいたオフ王なので、酒を飲みながら薬を服用している可能性もあります。その場合、あのドロドロは毒の表現ではなく、どぶろくの(かす)か、溶け切っていない薬なのかも知れません。

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kawauso編集長

kawauso編集長

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