※kawauso編集長がその日思った事を綴ります。
キングダムが史実を曲げて生かしてしまった大商人呂不韋
過去に秦王嬴政と天下について激論をした事もあり、作者もお気に入りらしい呂不韋ですが、あの人を喰ったような性格に根拠はあるのだろうかと思いついて調べてみました。
呂不韋は秦の国相になってから呂氏春秋という大部の思想書を3000人と言われた食客と共同編纂していてどうも、その中にこそ呂不韋の考え方があるようです。
例えば呂氏春秋には人を観る方法として六験八観があって、内容は簡単に言うと
・六験
①人を喜ばせて節操をはかる。
②人を楽しませて性癖をはかる。
③人を怒らせて節度をはかる。
④人を怖がらせて自立性をはかる
⑤人を悲しませて人格をはかる
⑥人を苦しませて志をはかる
・八観
①出世したら誰と付き合うかを観る
②富めば何にお金を注ぎ込むか観る
③善行を聞けばそれを実践するか観る
④ある事に熟達したらその発言を観る
⑤一人前になったら何を好むか観る
⑥貧しくなったら何を受け取らないか観る
⑦落ちぶれたらその行動を観る
⑧昇進したら恩人にどんな恩返しをするか観る
これを見ると、呂不韋の人を喰ったような対応のひとつひとつは六験・八観に適っているように思えます。最初は勝負にならない程に勢力の開きがあった嬴政の勢力をただちに全力で潰さなかったのも六験・八観に掛けて試していたせいかも知れません。
どこまでも商人である呂不韋は意味なく人的資産を潰してしまうのを「勿体ない」と本能的に避けていたのかも
文責:kawauso編集長
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