三国志平話
潼関の戦い特集




はじめての三国志

menu

デザイン担当:よりぶりん

三国志の生みの親であり歴史家の矜持を悩ます歴史書編纂の裏事情




超雲 阿斗 守る ゆるい

 

三国志ファンの多くは、『正史三国志』と『三国志演義』のどちらが好きかと

問われれば、『三国志演義』と答えるのではないでしょうか。

 

なぜなら、『正史三国志』では、

阿斗を守るために趙雲が敵陣をくぐりぬける姿を見て、

「かっこいい……!」

と目をハートにしたりできません。

孔明南東の風

赤壁で東南の風を呼ぶ孔明を見て、

「なにこのヒト、スゴイ!」

と感動することもできません。

 

やはりどうしても、『三国志演義』びいきになってしまうのは否めませんので、

少し、『正史三国志』のすごいところについて、書いてみたいと思います。

 

関連記事:諸葛孔明の発明|伝説肉まんから紙芝居まで?

関連記事:赤壁の戦いで孔明が東南の風を吹かしたじゃん?あれマジらしいよ?

関連記事:【衝撃の事実】三国志演義はゴーストライターによって書かれた小説だった!?羅漢中じゃないの?




『正史』の作者陳寿は蜀の出身

蜀の産まれ

 

歴史家陳寿、字は承祚(しょうそ)は、三国時代の蜀に生まれました。

若いころ、歴史家の譙周(しょうしゅう)に師事して、蜀の官僚となります。

 

陳寿が官僚となった時代の蜀は、劉禅(りゅうぜん)が君主で、宦官の黄皓が専横を極めていた頃です。

すでに劉備諸葛孔明もいない、暗愚な時代だったため、

陳寿の官僚人生は、決して順調とはいえませんでした。

 

やがて蜀が魏に下ったのち、陳寿は職を失ってしまいます。

ですが、魏はすぐに、晋に代わります。

ここで再び、仕官の道が開けました。

 

晋王朝のもとで、陳寿は『三国志』を手掛けることになるのです。

 

関連記事:「危うく抹殺されそうになりました、陳寿さんのおかげです」卑弥呼より

関連記事:初めてでも大丈夫!楽しい正史 三国志の読み方




歴史書編纂の裏事情

三国志 裏事情 闇

 

中国の歴史書というのは、前の時代が終わった後、次の時代の人が、

前時代に書きためられた資料をもとにしてひとつの歴史書として編纂するのが常でした。

 

これは平たく言えば、

「今の王朝は、こんなふうだった前の時代から、正統に受け継いだ王朝です」

と、世に知らしめるためのものだったのです。

 

そんなわけで、

できることなら、前の王朝の特に最後の方は、残念であるほうがいい。

殷の紂王が若いころは賢君だったのに、急に暴君になったりするのは、

こういう理由があったのです。

だから傾国の美女の存在は、中国の歴史にとって、うってつけだったわけですね。

 

そして、前の王朝が正統である必要がある。

晋は、魏から起こった王朝です。

「正統」な王朝である魏から受けついだ晋も、「正統」であるという理屈です。

 

ですが三国時代は、分裂期ですから、他にも蜀や呉という国がありました。

これら二つを「国」として認めるわけにはいかないということです。

 

そこで陳寿は、『三国志』内の年号を、すべて魏の年号でしるしました。

 

さらに、皇帝をしるす「本紀」には、曹操(そうそう)ら魏の君主のみを書いたのです。

劉備(りゅうび)孫権(そんけん)は、それ以外の家臣などをしるす「列伝」に入れられました。

 

関連記事:司馬炎(しばえん)ってどんな人?三国時代を終わらせたスケベ天下人

関連記事:権力に執着した曹操が魏王になるまでに荀彧と荀攸との間に亀裂が生じる

関連記事:曹丕が献帝を廃し魏を建国

 

簡明に率直に書かれた歴史書

三国正史 劉禅

 

想像でしかありませんが、蜀の出身である陳寿は、自国の皇帝であった劉禅を、

もしかしたら「本紀」に入れて書きたかったかもしれません。

 

ですが、陳寿は、魏を正統な王朝として、『三国志』を書き上げました。

 

また、陳寿が『三国志』を手掛けた時代というのは、ついこの前のことを書いている

わけですから、まだ登場人物が存命していたり、その子供が身近にいたりします。

 

陳寿は批判の的

そうすると、各方面から、様々な圧力を受けるのです。

「俺の父ちゃんをよく書け」

とか、

「私の夫を悪く書いたら許さないわよ」

とか言われるわけです。

ひどいときには、脅迫まがいのことすら起こりえます。

 

そういう危機をもかいくぐりながら、書かれた『正史三国志』です。

なにか、とても重みを感じます。

 

関連記事:三国志は2つある!正史と演義二つの三国志の違いとは?

関連記事:リアルな正史三国志の特徴って?ってか正史三国志は需要あるの?

関連記事:誇りを失ってもなお……『史記』を書いた司馬遷の執念

 




こちらの記事もよく読まれています

セイリュウ刀と蛇矛 張飛

 

よく読まれてる記事:英雄たちの武器~青龍偃月刀と蛇矛を徹底分析

 

三国時代の兵器(魏軍合体ロボ) 曹操

よく読まれてる記事:三国志演義に登場する兵器

 

三国志 武器

 

よく読まれてる記事:華麗なる中華世界を彩る三国志の武器

 

 

この記事を書いた人:東方明珠

キリン(東方明珠氏)はじめての三国志

こんにちは。とうほう めいしゅです。

中国は上海の雰囲気が好きなので、テレビ塔の「トンファンミンジュ」を名乗っています。

もともと『水滸伝』の大ファンで、『三国志』に興味を持ったのは、アーケードゲーム「三国志大戦」がきっかけです。

当時はゲームセンターに通いつめました!

まだまだ中国史について勉強中ですが、精いっぱい面白いことを探してお伝えしたいと思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。

関連記事

  1. 典韋と弁慶の共通点を探してみたら意外な事実が判明!?
  2. これは意外!董卓が殺されたのは并州人 vs 涼州人の対立の結果?…
  3. 鍾会を説得する姜維 蜀の勇将・姜維は司馬昭に嵌められ無念の最期を遂げる?
  4. 五虎大将軍の馬超 馬超は悪人なのか、それとも義に生きる英雄なのか?
  5. 白馬の王子がいっぱい?三国志女さらい列伝
  6. 8話:社会不安を利用し急速に拡大した太平道、当時の人が宗教に頼っ…
  7. 張飛はどんな性格をしてたの?豪傑の性格に迫る
  8. 韓遂の処世術が現代人にも参考になる!いつでもナンバー2!キングメ…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 【キングダム予想】公孫龍将軍が最大の壁になる?実は防戦のスペシャリスト
  2. 三国志 Three Kingdomsのここがすごい!スリーキングダムズを楽しむ3つのポイント
  3. 【龐煖の死】対趙攻略戦を地図で解説&大胆キングダム予想!
  4. 【シミルボン】自分を褒めまくり、曹丕の自叙伝が意識高い系でウザい
  5. 【第4回 幻想少女】凌統が外される!?強力なイケメン武将がレギュラー入り!!
  6. 華佗が発明した幻の麻酔薬「麻沸散」とは?

三國志雑学

  1. 五斗米道の教祖・張魯
“はじめての三国志150万PV" はじめての三国志コミュニティ総合トピック
“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

張良(ちょうりょう)とはどんな人?高祖劉邦の右腕として活躍した天才軍師(3/3) キングダムに登場する司馬尚はどんな性格なの?【キングダムネタバレ予想】 弱きを助け強きを挫く!異民族をも信服させた黄蓋の魅力とは 天下の袁紹軍の組織図はどうなってたの?袁紹陣営をミエル化してみる! 赤壁の敗戦の原因は腸チフスだった?多くの魏将の生命を奪った伝染病とは? 【軍師連盟】司馬懿は電光石火の行軍が得意だった? 6話:三国志は黄巾の乱から始まった 曹丕のいじめ・パワハラに悩まされた被害者たちを紹介

おすすめ記事

  1. 東京オリンピック2020は大学連携とPRで大きく変わる? 大学と東京五輪の連携学生の通訳ボランティア いだてん
  2. 李陵(りりょう)とはどんな人?キングダムの李信を先祖に持つ悲運の将軍【後半】
  3. 吉田松陰の思想を最も濃く受け継いでいたのは、前原一誠だった?!
  4. 【おんな城主・井伊直虎を見逃した方へ】第十二話「おんな城主直虎」の見どころ紹介
  5. 豊臣秀吉による惣無事令って何?わかりやすく解説 豊臣秀吉 戦国時代2
  6. 【検証】聖徳太子は地球儀を作り得なかった?【HMR】 聖徳太子の地球儀
  7. 袁術が天下を獲るためにみんなで考えよう【第3回】
  8. 武田信玄の騎馬隊は弱かった?真実を検証

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“西遊記"

“三国志人物事典"

PAGE TOP