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屁理屈から論理的に導く名家ってどんな人達?

この記事の所要時間: 243




 

諸子百家(しょしひゃっか)の多くの思想家たちは、縦横家に代表されるように弁舌のたつ人物でした。

 

他人に対して説得力のある意見を説くには、

なにより合理的で論理的な弁論の技が必要となります。

それには論理を組み立てる論理学が有効です。

 

しかし、論理学にこだわりすぎると、それはしばしば本質を欠いた、

論争のための理屈=詭弁に陥ってしまいます。

 

諸子百家にはそんな論理学を説いた“名家”と呼ばれる学派が存在しました。

 

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古代中国を離れて古代ギリシャに目を向けてみましょう

ギリシャ s

 

一旦、古代中国を離れ、ギリシアに目を向けてみましょう。

古代ギリシアの時代、ゼノンという自然哲学者がいました。

 

ゼノンは『ゼノンのパラドックス』という考え方で知られる人物です。

 

『パラドックス』というのは、一見正しいように思える前提条件と、妥当な推論を進めたはずなのに、

何故か受け入れられない結論が出てしまうような状況を意味する言葉です。

日本語では逆説とか背理と呼ばれますね。




ゼノンのパラドックスで有名な話『飛んでいる矢は止まっている』

 

ゼノンのパラドックスで有名な話として『飛んでいる矢は止まっている』というものがあります。

 

飛んでいる矢を想像してください。

そしてその矢が飛んでいる一瞬を抜き出します。

 

その瞬間、矢は空間のある位置に固定され、前に進んではいません。

時間の流れはこの一瞬の連続であるわけですから、飛んでいる矢は常に静止しているのです。

 

……というのが『飛んでいる矢は止まっている』というパラドックスです。

 

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古代中国には「飛んでいる鳥の影は動かない」

 

感覚的には明らかに間違っているのですが、理屈で反論すると難しいですよね。

実はこの『飛んでいる矢は止まっている』というパラドックスによく似た話が、古代中国に存在しています。

それは『飛んでいる鳥の影は動かない』というもの。

 

このパラドックスを唱えたのが、名家の思想家たちでした。

 

白馬は馬にあらず

三国志 白馬

 

名家は相手を論破するための理屈を生み出す論理学を説いた諸子百家のひとつです。

諸子百家の時代は、縦横家に代表されるような弁舌の徒が活躍した時代でした。

 

いかに素晴らしい理念やアイデアであっても、それを相手に理解させ共感させる論理性が必要となります。

名家はこの論理の重要性に気づき、相手を論破し自身の意見に賛同させるための弁論術=論理学を重視した人たちでした。

 

名家を代表する人物として公孫竜の名を上げることができます。

公孫竜の名前を有名にした話として『白馬非馬説』が知られています。

 

『白馬の“白”とは色の概念であり、“馬”とは動物の概念だ。

つまりその二つの概念が合わさった“白馬”は馬ではない』

 

というのが『白馬非馬説』。

 

明らかに、これは詭弁と呼ばれる類の理屈ですね。

実際、公孫竜は詭弁家と批判され、それまで彼を重用していた君主に見捨てられて、

最後には悶死してしまいます。

 

結局、議論のための屁理屈に留まった名家の思想

 

ゼノンのパラドックスは、それ自体は名家同様、詭弁と類される理屈に過ぎません。

しかし、その理屈には物の存在と本質を分離して考えるという性質も含まれていました。

 

やがてそれは事物の本質を論じるイデア論につながり、

ギリシア哲学の発展をうながすことにもつながっていきました。

 

対して、古代中国の名家はそのような発達を見せることなく、

弁論術の訓練としての詭弁の域を出ることがありませんでした。

 

これは諸子百家があくまで己の理念を実現するための手段としての弁論を用いたためで、

弁論そのものの技術自体を発展させようという意識が生まれてこなかったからと考えられます。

 

諸子百家にとって、理屈はあくまで道具に過ぎませんでした。

 

名家の詭弁が発達していれば、どのような哲学が生み出されていたのでしょうか?

それを見られなかったことは、残念に思えます。

 

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石川克世

石川克世

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三国志にハマったのは、高校時代に吉川英治の小説を読んだことがきっかけでした。最初のうちは蜀(特に関羽雲長)のファンでしたが、次第に曹操孟徳に入れ込むように。三国志ばかりではなく、春秋戦国時代に興味を持って海音寺潮五郎の小説『孫子』を読んだり、
兵法書(『孫子』や『六韜』)や諸子百家(老荘の思想)などにも無節操に手を出しました。

好きな歴史人物:

曹操孟徳
織田信長

何か一言:

温故知新。
過去を知ることは、個人や国家の別なく、
現在を知り、そして未来を知ることであると思います。

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