人間、食べ物と着る物と住む場所があれば、あとはヒマつぶしの娯楽として何らかのゲームを求めるものです。
では、三国時代の人々は、一体、どのようなゲームに興じていたのでしょうか?
この記事の目次
三国志ライターkawauso、再び時空を超える
そこで、私kawausoは時空を超える能力を駆使して、今から1800年前の三国志の時代にタイムスリップする事にしました。
ウィンウィンウィン、ウィンーーーーーブウウウウウーン
※タイムスリップ時における時空の歪みを表現した音
kawauso「おおっ!ついたぞ、ここは一体どこだ?」
※前回は曹操さんが詩をパクったのではないか?
ということではじさん特捜部は過去にもタイムスリップして事実関係を調べてます。
kawausoは西暦241年の呉の公安県に辿りつく
兵「なんだべ、おめぇは黄色い布なんか頭に巻いて、今頃黄巾賊か?」
kawauso「おお、ちょうどよい所に兵士の人がいました。すみません、はじさん特捜部のkawausoというものですが、この辺りで三国時代のゲームをやっている所はありませんかね?」
兵「なぬ!はじさん特捜部? この間、曹操のトコに出てきたって噂の!あんれま、こんなド田舎まで、よく来たなや~ちっと、待っててちょ、ウチの大将に合わせてやっから・・」
兵士の人は色々な方言が混ざった言葉を言いながら、建物がありそうな、所へ走っていきました。
しばらくすると、ド派手に飾った馬車が数台、土煙を上げながら、kawausoの元に近づいてきました。そこには、馬車に負けない派手な錦の着物を来た驢馬のような顔をした人が優雅な雰囲気を身にまとって座っています。
「これは、これは、遠い未来からようこそ、私は諸葛融叔長(しょかつ・ゆう・しゅくちょう)、父は諸葛瑾(しょかつ・きん)兄は諸葛恪(しょかつ・かく)です、よろしくお見知りおきを・・」
kawauso「はじさん特捜部です、あなたが諸葛融さんですか?
確かに驢馬みたいな顔ですねwww」
諸葛融「はっはっは、顔は私より兄の方が100倍父に似ています。まあ、こんな埃っぽい所で立ち話も何ですから、どうぞ馬車へ私の陣営までご案内致しましょう」諸葛融は、一瞬、顔を引きつらせつつも、笑顔で対応した。呉書には、性格は寛容だと書いてあったが当てにはならないものだ。
私と諸葛融を乗せた馬車は、魏との国境の町、公安に到着する。魏との前線だというのに、諸葛融の陣地はのんびりとしていて、やたら、大勢人が集まり、何やら楽しそうだ。
kawauso「ここは魏との国境地帯のようですが、あまり緊張感がありませんねそんな事で大丈夫なのですか?」
諸葛融「はっはっは、いかに国境地帯でも一年中戦争しているわけでもなし。実際には、このようにヒマな事も多いのです。私は、退屈が嫌いですから、秋と冬には狩猟を通して軍事訓練をし、春と夏には、お客と兵を招いてゲームに興じています。今は、夏ですから、こうして大勢を集めてゲームを楽しんでいるのです」
kawauso「えっ?ゲームですか、是非見せて下さいロバさん!」
諸葛融「・・・・ど・・どうぞ、どうぞ、宜しければ参加して下さっても結構ですよ」
私は諸葛融と親密になろうと、ニックネームで読んでみたが、どうもイマイチ、相手は心を開いていないように感じた。やはり、諸葛一族はクールで警戒心が強いようだ・・
関連記事:諸葛瑾(しょかつきん)ってどんな人?偉大な孔明の兄はどうやって乱世を生き抜いたの?
関連記事:諸葛恪(しょかつ かく)ってどんな人?|頭が良すぎて諸葛一族を滅ぼす
関連記事:魏や呉にもいた諸葛一族の話
kawauso三国時代のゲームを取材
諸葛融(愛称ロバさん)案内された場所は、広大な空き地で、そこには、グループごとに10名位の人々が集まって、双六、囲碁、などに興じていた。さらに、それぞれのグループには上等な酒と季節のフルーツが出されて、皆、かなり上機嫌で勝負に興じている。
kawauso「諸葛ロバさん!あそこにある、ツボの中に矢を投げ入れるゲームは何というのですか?」
諸葛融「・・・(泣)これは投壺(とうこ)というゲームです、簡単そうですが、実際には、あの壺に矢を連続で投げ入れるのはなかなか難しいですよ」
ルールによると、投壺に使用する壺は30センチ、壺の口の大きさは9センチ。そこに長さ72センチの矢を1・8メートル離れた場所から投げる。
注:投壺は古代中国で実在したゲームです。(wikipedia:投壺)
矢は全部で12本で、その全てが入るとその人の勝ち、それ以外の場合には点数制で先に120点取った方が勝ちというエキサイティングなゲームだ。
kawauso、今、とってもクールな樗蒲(ちょぼ)をプレイ
私は、各ゲーム会場を回っている間に見慣れない奇妙なゲームを発見した。それは、樗蒲といい、カップの中に木片を5枚入れてこぼし盤に散らばった木片の裏表のパターンで点数が決まるゲームらしかった。
kawauso「ロバ諸葛! ミ―もこのゲームをプレイしたいザンス」
諸葛融「いいですとも、kawauso殿、今一番ホットな樗蒲に目をつけるとは、お目が高い、流石は三国志の記者ですね」
kawauso「いえ、これが一番汗をかかなさそうなので」
諸葛融「・・そうですか、まあ、好きにして下さい」
樗蒲は、表を黒、裏を白に塗られた5枚の板を使って行うゲーム、この五枚の板の中で二枚の板のみ、黒面に牛、白面に雉(きじ)と書いてあり、それ以外は文字が書かれていない。この五枚をカップに入れて混ぜ、盤の中に中身をぶちまけて、五枚の板の表裏の並びで点数を決めるようになっている。ちなみに一番点数が高いのは、黒黒黒牛牛と言う並びで役を「盧」と言い16点、次が、白白白雉雉で役名「雉」で14点、次が牛雉白白白で役名「開」で12点等がある。
注:樗蒲は前漢の時代に西方から渡ってきたゲームで実在します。(wikipedia:樗蒲)
kawauso「よし、満点を出すぜ!うおりゃーー!」
・黒黒牛雉白―「梟」2点
kawauso「なんのこれしき!うりゃああーー!!」
・黒牛牛白白―「梟」2点
諸葛融(こいつ、ギャンブル運ないなぁ・・)
こうして、私、kawausoは、他のプレイヤーの誰にも勝てずビリで惨敗。罰ゲームとしてロバの鳴き真似を披露して三国時代を後にしたのだった。
※諸葛融は、最後まで警戒心を緩めなかったので、次行く時には、ロバの着ぐるみをプレゼントとして贈ろうと思う。
三国志ライターkawausoの愚痴
皆さん、ギャンブルにはハマり込まないように気をつけようね!!(キリッ)
※前回は曹操さんが詩をパクったのではないか?
ということではじさん特捜部は過去にもタイムスリップして事実関係を調べてます。
関連記事:【素朴な疑問】三国志の時代にも居酒屋ってあったの?