賈充(かじゅう)とはどんな人?司馬氏の地位確立と晋建国の功臣【晋の謀臣列伝】

2015年12月26日


 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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誰もやらない皇帝殺害を指示

曹髦

 

司馬家は魏の政権内で皇帝を凌ぐ権力を持ちます。魏の皇帝である曹髦(そうぼう)は司馬家が握っている権力を魏の政権に取り戻すため、司馬昭討伐の兵を挙げます。司馬昭の弟である司馬伷(しばちゅう)は曹髦軍を迎撃します。

 

進軍する兵士a(モブ用)

 

曹髦は司馬伷の軍勢を見ると「我は帝である。そこをどけ‼」と一喝。すると司馬伷の軍勢は退却してしまいます。賈充は成済(せいせい)らを率いて曹髦軍を迎撃。皇帝である曹髦は剣をふるいながら一喝。すると兵士達は怯えてしまい反撃を止めてしまいます。成済は賈充に「どうすればいいでしょうか」と尋ねます。

 

すると賈充は「何をしているのだ。さっさと殺して反乱を鎮圧せよ。君たちは罪を被ることはない。安心せよ。」と伝え、皇帝を殺すように指示を出します。

 

皇帝の位を降ろされる曹髦

 

成済は皇帝殺しの罪が無いとわかると曹髦軍に突撃し、皇帝である曹髦を殺害します。賈充は皇帝殺しを指示したとして、魏の群臣から軽蔑の眼差しを向けられることに。しかし彼が皇帝殺しを指示した事で司馬家に敵対する勢力はいなくなります。

 



天子を補佐した臣下に選ばれる

司馬炎 はじめての三国志

 

司馬昭が亡くなると長男である司馬炎(しばえん)が司馬家の棟梁となります。その後司馬炎は魏の皇帝曹奐から帝位を禅譲され、帝位に就きます。賈充は建国の立役者「佐命の功臣」として選ばれ車騎将軍に就任します。彼は社預(とよ)や羊祜(ようこ)、荀彧の息子である荀顗(じゅんぎ)らと共に晋の法律「泰始律令」の制定を手掛けます。

 

死後の評価を気にする

水滸伝って何? 書類や本

 

賈充は晋の建国の立役者として位人臣を極めますが、自らが生前に行ってきた所業を顧みると死後に贈られる諡(おくりな=死後に贈られる称号)が気になり始めます。賈充は甥の賈模(こぼ)に「おれさ、生きている間に悪いこといっぱいやってきたからさ、死んだあといい諡貰えないかな。」と相談します。賈模は「いい諡がもらえるか分かりませんが、おじさんが生前行った事の是非は自然に明らかになり、隠せるものではないでしょう。」と答えます。

 

諡は「武」に決定

三国志を統一した司馬炎

 

司馬炎は賈充が亡くなると諡をどうすればいいか家臣に相談します。ある家臣は賈充の生前の悪行を考慮し「荒」を提案します。「荒」には楽しみばかりを追求し、国の根源を乱したとの意味があるそうです。司馬炎はこの提案を却下し、他の家臣が提案した「武」諡(おくりな)に決定し、賈充に贈与します。

 

三国志ライター黒田廉の独り言

黒田廉

 

晋建国に大いに貢献した賈充。新たな国を誕生させた功臣として位人臣を極めますが、反面皇帝殺しなど司馬家の地位を確立するためあくどい事も平然とやってのけた悪逆非道の臣としての名も同時に刻んだ彼。新たな国家を作るためには人には言えない事を平然とやってのける人物は必要なのかもしれませんね。

 

 

 

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黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

三國志が大好きです。オススメのマンガは曹操を描いた蒼天航路がオススメです。三國志の小説のオススメは宮城谷昌光氏が書いた三國志です。好きな食べ物はマグロ、ぶり、アジが大好きな猫です。

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